武蔵を目指すにあたって、通っている塾により取り組み方が変わるのは当然です。〔1〕SAPIX、〔2〕日能研、〔3〕四谷大塚、に通塾しながら武蔵合格を勝ち取った生徒に対し、私がこれまで指導してきた各学習法をお伝えします。
SAPIXは他塾に比べて算数の進度が速く、4年生から5年生への移行時期に算数の学習量が一気に増加します。およそ2倍~2.5倍になるため、相応の家庭学習時間が必要になります。そのペースに慣れるためにも、算数Bを学習の主軸に据えた1週間のスケジュールを早期に確立したいところです。その週のカリキュラム内容はその週のうちに理解・定着させるのが鉄則です。
5年生前期は数の性質、速さ、割合といった重要単元以外に、点の移動、量の変化といった複数の分野が融合した単元もあり、内容が難しく感じられるかもしれません。夏休み中に比を学習した後、5年生後期には特殊算全般に加えて、速さと比、平面図形と比といった重要単元がカリキュラムに組み込まれているので、いつも以上に丁寧な学習を心掛けましょう。
算数の授業曜日が校舎や在籍クラスによってまちまちであるため、どの曜日に何をこなすべきかは各自異なりますが、学習スタイルにつき一つのモデルケースを示すと、以下のようになります。
〈1〉『基礎トレ』は日付通りに1日1ページずつ。絶対に軽視しないこと。1週間同じ内容が続くので、1日目は時間無制限で正しい理解に努め、2日目以降は制限時間を設けて取り組む。立体図形の鬱陶しい計算が絡む問題が収録されている回を除き、おおまかな目安は10分以内。
〈2〉授業があった日は必ずその日のうちに『デイリーサポート』表面(おもてめん)で復習。どうしても時間が取れない場合は、問題を解くのは翌日にして、『デイリーサポート』を見返して授業で解説された内容を頭の中で反芻するだけでも良い。
〈3〉授業の翌日に、再度『デイリーサポート』の裏面での解き直し。理解が完全なものか確認する。Eプリントの理解できない問題は無理に覚え込むことはせずに、5年生では一旦保留にする。
〈4〉土曜日・日曜日に『デイリーサピックス』も併用して、その週の学習を完了させる。★★までは必須、★★★も可能な限り解けるようにしておく。
思考力問題は必須。正答率は5年生のうちは一切気にする必要なし。時間をかけて粘り強く取り組む姿勢が大事。
〈5〉デイリーチェック(H)・基礎力定着テスト、ともに85%以上の得点を目標に。
〈6〉授業内テストの解き直しは平日の授業のない日に行う。手こずるようであれば、『デイリーサポート』に戻って該当問題を解き直す。
〈7〉各単元の学習時期に合わせ、併行して『BASIC』に取り組む。
〈8〉土曜日・日曜日に2ヶ月前と3ヶ月前の『デイリーサポート』を復習する。5年生の土日を既習単元の復習時間として有効に活用すること。