5年生のときと同様に、夏休みに入るまでは各塾のカリキュラムに沿って学習を進めて下さい。難易度が上がるため、毎週のカリキュラムの内容を理解するだけでも大変になってきますが、ここでも重要なのは基礎を固めることです。各分野の基礎知識・解法を確実に定着させましょう。
在籍クラスによって取り扱う問題のレベルに差がつく時期です。算数を得点源にするためには、欲を言えば、SAPIX生以外の武蔵志望者は在籍校舎の最上位クラスをキープし、6年生の前半から少しずつ思考力問題に取り組みたいところです。
各塾のテキストに収録されている思考力問題を利用するか、シグマベストの『思考力で勝つ算数』(文英堂)を利用すると良いでしょう。後者は1週間に1テーマずつこなせば、全24テーマを夏休み前に一通り終えることができます。
また、武蔵頻出の「速さと比」「平面図形と比」「相当算」については、初出単元として学習した週に限らず、その後も継続して問題演習を行います。
大手塾では、志望校判定テストの類いが6年生前半から本格的に実施されます。武蔵の合格可能性が△%というように数値化されるため、生徒にとっては気になるところでしょう。
ただ、重要なのは、この時期の合格可能性の数値ではなく、どの問題が解けてどの問題が解けなかったのかの識別です。テストを受けることにより、自分のその時点での穴をはっきりさせ、その後の学習につなげていきましょう。
どの塾も6年生の7月までに入試範囲の学習をほぼ一通り終えます。よって6年生の夏期講習は、これまでの学習内容の総復習に入ります。夏休み中に総復習を1回転、9月以降冬休みに入るまでにもう1回転、と考えておきましょう。
夏期講習中は各塾のカリキュラムに沿って学習を進めるとともに、生徒個々に応じて問題演習を追加します。
夏休みの時点で基礎に不安がある生徒は、四谷大塚『四科のまとめ』の右ページだけ50単元分を40日間で2回転して仕上げましょう。2回転目は1回転目で×だった問題だけ取り組めば十分です。
基礎に不安がない生徒は、武蔵頻出の「速さと比」「平面図形と比」の2分野の演習量を多めに確保します。「武蔵の入試で失点したらおしまい」とも言われるこの2分野に自信を持つことが肝要です。どの塾も夏期講習が一旦お休みになるお盆休みの期間に集中的に取り組みましょう。