[1] | (1)A (2)A |
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[2] | (1)A (2)A (3)B |
[3] | (1)B (2)B (3)B |
[4] | (1)A (2)A (3)B (4)C |
A:武蔵合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、部分点狙いで答案を作成すべき問題
昨年度まで2年連続で受験者数・倍率が大幅に低下した武蔵中ですが、2014年度は受験者数・倍率が一気に上昇し、以前の状態まで戻りました。
算数の難易度はここ数年アップダウンを繰り返しています。
2012年度 合格者平均点84.1点 受験者平均点69.7点
2013年度 合格者平均点46.3点 受験者平均点32.4点
2014年度 合格者平均点67.1点 受験者平均点46.9点
2012年度は直近10年間では最も易しく、満点も可能なセット。2013年度は超難問ぞろいというわけではありませんが、大問まるまる落とす可能性もあるセットでした。
そして2014年度は、妥当な合格者平均点ですが、受験者平均点と20点もの差がついたということは、力がある生徒と力がない生徒をはっきりと識別できるような入試問題セットだったといえるでしょう。
以下、各問の内容について見ていきましょう。
冒頭の[1]は小問集合で、いずれも割合と比からの出題。
(1)はやりとりの問題。うしろから前にもどしていくという常套手段でもよし、式を作って前からガシガシ計算していく方法でもよし。武蔵頻出の相当算に対して十分対策を積んできたはずですから、ここは落としていけません。
(2)は3種類の食塩水を混ぜる問題。2段階に分けて面積図かてんびんで処理するだけです。食塩水は武蔵ではあまり出題されませんが、受験生にとって超典型題なので、あわてることもないでしょう。
[2]は頻出の速さと比。ダイヤグラムよりも直線上の進行図で整理した方が全体を把握しやすいでしょう。どこまでわかりやすく図に情報を集約できたかが設問(1)の正答率に影響してきます。予定と実際の比較は、かかった時間の差に着目するのが鉄則。バス停から駅までのかかった時間の差が9分であることに気づけば、距離一定より時間の比8:11を利用して解き進めていくことができます。
速さと比の問題の難易度としては標準から易しめの部類に入りますが、それでも合格者平均点と受験者平均点の乖離具合を考えると、ここでも差がついたのではないでしょうか。武蔵を目指す受験生であれば、このレベルの速さと比を完答できる状態まで仕上げたいところです。
[3]は平面図形と比。図形が得意な生徒は完答できる、図形が苦手な生徒は全滅の可能性がある、得点差がつきやすい大問。のちほど詳説します。
[4]数の性質と平面図形の融合問題。設問(1)は2013年度に引き続き、理由説明の問題です。栄光学園でも出題されているように、近年増加傾向にあるので、今後も要注意でしょう。設問(1)~(3)では倍数についての理解が試され、設問(4)ではさらに正六角形の分割の知識も問われる、おもしろいタイプの問題です。条件をしっかりと読み取ることさえできれば設問(1)~(3)は確保できそうですが、落ち着いて考えるだけの時間的・精神的余裕がこの時点でどれだけ残っていたかにもよるでしょう。設問(4)は丁寧な場合分けと調べ上げが必要で、武蔵らしさが存分に味わえます。
では、2014年度の合否を分けた一題として、合格者平均点と受験者平均点とで20点もの差がついた主たる原因であろう[3]を取り上げます。
左の図で、四角形ABCDは長方形で、四角形BGDEと四角形BFDHはどちらも平行四辺形です。
四角形BQDPの面積は長方形ABCDの面積のちょうど半分で、BP:PH=4:1です。
次の問に答えなさい。(式や考え方も書きなさい)
(1)AH:HDを求めなさい。
(2)EP:PDとAE:EBをそれぞれ求めなさい。
(3)四角形AEPHの面積と長方形ABCDの面積の比を求めなさい。