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算数の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・算数の合否を分けた一題(2011年度)(2ページ目)

[3]1、2、3、・・・、176の176枚のカードが、上からこの順になるように重ねてあります。一番上のカードを一番下に移し、見えたカードを一枚取り除きます。これをカードが最後の一枚になるまでくり返します。1回目は1を一番下に移し、2を取り除きます。2回目は3を一番下に移し、4を取り除きます。次の問に答えなさい。
[1回目]                          [2回目]

一番下へ→ ←取り除く
176
一番下へ→ ←取り除く
176
176

 

 

 

 

(1)偶数が書かれたカードが全部取り除かれるのは何回目ですか。
(2)100回目に取り除かれるカードに書かれてある数は何ですか。
(3)最後の一枚のカードに書かれてある数は何ですか。

上位生は必ず学習する「継子立て」です。2009年度(H21年度)の開成中[4]で出題されたため、どの塾でも演習を積んでいたはず。(1)(2)は「継子立て」を知っていなくても解けるでしょう。知っていないと解けない(3)がカギです。

(1) 1回目から順に偶数のカードが取り除かれる
偶数のカードは全部で 176÷2=88枚 あるので 88回目

(2) 88回目で偶数が全部取り除かれるので、奇数が1から順に残っている
取り除く回数はあと 100-88=12回
取り除いた数は 3、7、11、・・・、[  ] と等差数列になっているので
この数列の12番目の数を求めればよい
[  ]=3+4×(12-1)=47

(3) 全体の枚数がさほど大きな数でもないので、偶数を取り除いたあとの89回目から根性
で書き出す方法でも正答にたどり着けるでしょう。ただ、それでは時間がかかりすぎます。また、2009年度(H21年度)開成中[4](5)のように全体の枚数を受験年度の西暦にして出題されると、とても書き出しでは対応できません。ここは規則性を利用して短時間で処理したいところです。

「継子立て」で最後に残るカードについての規則性
「カードの枚数が2の累乗数(2を何回かかけてできる数のこと)のとき、最後に残るカードは最初に取り除いたカードのひとつ前」

176より小さく、176に最も近い2の累乗数は、2×2×2×2×2×2×2=128
全体の枚数が128枚のときに規則性が利用できるので
まず 176-128=48枚 取り除き、そこから新たなスタートと考えればよい

48枚目に取り除く数は2×48=96
ここから新たなスタートとして、最初に取り除く数は98なので、最後に残る数は97

「【2】算数合格戦略の提案 〔3〕発想力・思考力問題の攻略法」で述べたように、「完璧な理解」が伴わない限り、知識・解法を武蔵中の算数で運用することは難しいでしょう。

今年度の[3](3)がまさにそのタイプの問題です。正答できたのは、「継子立て」を完璧に理解して知識として取り込んでいた受験生、1周ごとに区切って取り除く数を調べていった受験生、書き出した受験生、といったところでしょうか。今年度の入試は[4]に十分な時間が確保できたかがポイントなので、この[3](3)を短時間で正答できた受験生は有利に働いたはず

。ここで時間を浪費せずに、「授業で解いたけど、しっかり覚えていないから無理」と潔くとばして[4]に時間を充てるという選択も、現場での良い判断だったと言えるでしょう。

『算数の合否を分けた一題(2011年度)』 >> 1 2
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