AくんはBくんと、震災後の復興について意見を交わしています。以下の会話文を読んで、(a)・(b)に適切な文章を入れなさい。
A 「震災で大きな被害を受けた地域のことを調べると、その後、そこに住んでいる人たちがまた元の生活に戻れるようにするためには、とても大変なことがわかったよ。」
B 「そうだね。被害が大きければ大きいほど、復興作業は難しくなると思う。いろいろと話を聞いていると、特に、国と地方自治体がどのように役割を分担して仕事をおこなっていくのか、という点が重要で、しかもその点についてはいろいろな議論があるようだね。お互いの強みを活かして、うまく協力できればいいのにね。どうやって分担すると復興がうまく進むのかな。」
A 「僕は、国が積極的に活動するべきだと思うよ。例えばいま東北地方の被災地を見てもわかるじゃない。国は大きな予算と組織を持っているし、( a )という強みがあるので、場合によっては地方自治体の行う仕事も肩代わりすることで、早く解決できると思うよ。」
B 「確かにAくんの言うとおりのところもあると思うよ。でも、僕は地方自治体が中心になって復興を進めたほうがいい場合も多いと思うよ。それは、地方自治体には、( b )という強みがあるので、いつもより多く国から支援を受けたとしても、自分たちがおこなったほうがいいと思うからさ。」
(1 問11(2))
震災後の復興をめぐって、国が中心になって進めるべきか、地方自治体が中心になって進めるべきか、というのがAくんとBくんの議論です。設問は国と地方自治体が持っているそれぞれの強みを聞いています。
ところで、ここでいう「国」とは具体的には何のことでしょうか?「地方自治体」と対になるものですから、ここでは「内閣」や「国会」のことだと考えられます。
では、国が復興の中心となるべき理由は、国にどのような強みがあるからなのでしょうか?国にあって地方自治体にない強みとは何でしょうか?
「国会は国の唯一の立法機関」ですから国は震災復興のための法律を作ることができます。法律には強制力がともないますし、地方自治体の条例とは異なり国全体に適用できます。また、国は震災復興のための特別の行政組織や役所を設置することもできます。
他方、地方自治体の強みとは何でしょうか?地方自治体は地域住民の意見を聞き取って、地域の実情に合ったきめ細かい行政サービスをおこなうことができます。