男子最難関校の一角の駒場東邦中ですから、基本的な計算力や、算数の解法知識があることは前提です。ただ、これだけでは合格点に届かないのが難しいところです。
そこで、盤石の基礎力に加えて駒場東邦中の合格に必要となる力を整理し、私がこれまで実践してきた具体的に身につけさせる方法を明らかにしていきます。
駒場東邦中の特徴である4つのタイプの問題に対して、私は以下のような攻略法を提案し、実際に合格実績を重ねてきました。
まず「書き出すことを厭わない」精神力が必須です。問題の条件に沿って状況を整理し、それではじめて出題の意図に気付き、式で示すことができるのは知っての通りです。もし、いくら書いても良い方法が浮かばないならば、部分点だけを狙って、そこで解き終え、次の問題に移ることも、部分点を得やすい駒場東邦中ならではの作戦と言えるでしょう。時間をかけすぎずに、合格答案を仕上げられるよう指導してまいります。
さて、駒場東邦中学のこのタイプの類題をお探しで、しかも実力が十分に備わっているならば、私は開成中・栄光中・筑波大学附属駒場中など、他の記述式男子最難関校の問題をセットとして解くことをお勧めしています。算数の実力がそこまでのレベルに到達していないならば、ラ・サール中や聖光学院中の問題を解くことを駒場東邦中対策として提案しています。他の典型問題も含めた時間配分を意識することで、より実践的な解答術を身につけさせることが狙いです。
ただ、学校名だけを鵜呑みにして上記の中学校の入試問題を解いても駒場東邦中の入試問題対策に直結するわけではありません。生徒によって習得してほしい内容は異なるのです。そこで私は、生徒に応じて、最も駒場東邦中対策に直結する学校や、その年度の設定を提案させていただいています。
なお他校の入試問題を解いていく際に注意したいこととして、ただ答えを出すことを目標としてはならないことが挙げられます。答えを出せばよいだけの問題でも、私は必ず論理的に考え方も書かせるようにしています。その論理的な考え方の書き方のコツについては、以下の「記述・表現力を磨くには」で詳しく述べてまいります。