基本的には5年生までと同じ勉強リズムで良いでしょう。先取り学習を進め、ゴールデンウィークを目標に『予習シリーズ』の6年上を仕上げましょう。これで受験知識は網羅できます。
ただ、これだけでは駒場東邦中合格に必要な応用力を身につけるのは困難なのが現状です。予習シリーズはすべての受験生が理解できるよう構成されているので、どうしても最上位レベルの学校対策は手薄になってしまうのです。また洗練された解法を学ぶ機会が少ないことも『予習シリーズ』の弊害としてあげられるのです。
そこで私は月刊誌「中学への算数」の併用をお勧めします。たしかに難易度の高い教材ですが、最難関中学合格に必須の算数知識を得るには最良の教材です。
具体的には「レベルアップ演習」まで取り組んでおきたいところです。余裕があれば「日々の演習」に毎日少しずつ取り組むことで、この時期から駒場東邦中レベルの難問対策をすることも可能です。その際には必ず専用のノートを用意し、答えを出すだけではなく、その経過を意識した自分なりの答案作りを心がけることが大切です。私はその答案を添削し、この時期から答案の質も高めていくことで、6年生後期の成績の向上を図っています。
なお、この中学への算数を用いた学習は、入試直前まで続けることで、確実に実力につながりますが生徒によっては手が回らないこともあるでしょう。私は個々の生徒の実力を適宜見極め、必要な課題を明確に与えてまいります。
2回開催される合不合予備テストは自分の学力を客観的に把握する指標としましょう。合格可能性のパーセンテージに惑わされないことが重要です。
毎日のように授業が続くので、副教材を用いた計画的学習を進めることが困難な時期になります。ただ、基礎知識の確認や弱点補強を行う最後のチャンスが夏休みでもあります。
C・Sコースならば四谷大塚の夏期講習テキストで実践を積むことで、基礎知識の総確認を行いましょう。ただ、受験では差のつかないレベルの難問も含まれているので、無理に全ての問題を理解しようとする必要はありません。問題の取捨選択は、私もアドバイスをしてまいります。
余裕があれば、「中学への算数」の「レベルアップ演習」や「日々の演習」のやり残しをすることで、算数の総合的な学力を高めることも可能です。
『四科のまとめ』は、基礎知識がある程度定着できているならば不要です。