1 小問集合
2 台風に関する問題
3 ペーパークロマトグラフィーに関する問題
4 消化に関する問題
5 てこ(力のつり合い)に関する問題
本年度も大問5題の構成で、小問集合と地学、化学、生物、物理の各分野からそれぞれ大問が1題出題されました。
1は小問集合で、人体・植物、天体、実験操作、電流、気体の性質などに関する基礎知識を問う問題でした。2は台風に関する問題でした。(6)以外は平易な問題でした。3は水溶液をろ紙に染み込ませて溶けている物質を分離させる「ペーパークロマトグラフィー」に関する問題でした。図を見て考える力を問う問題でした。4はヒトの消化に関する基礎知識を問う問題でした。5はてこに関する力学の問題が出題されました。標準的な力学の問題でした。(4)と(5)については、合否を分けた一題として後で取り上げます。
A:易しい B:標準 C:難しい
1
(1)① A ② A ③ A
(2)① A ② B
(3)① A ② A ③ A ④ A
(4) A
(5) A
(6)① A ② A
(7) A
(8) A
2
(1) A
(2) A
(3) A
(4) A
(5) B
(6) B
3
(1) A
(2) A
(3) A
(4) A
(5) B
(6) B
4
(1) A
(2) A
(3) A
(4) A
(5) A
5
(1) A
(2) A
(3) B
(4) B
(5) B
長さ60cmの角棒と同じものを3本用意し、それぞれの端を机の端に合わせて、3本重ねて置きました。図1のように、上から2本目、3本目の棒が動かないように、一番上の棒だけを少しずつ机の端からせり出しいくと、棒の先端が机の端から30cmのところを超えたところで、一番上の棒は傾いて落ちました。
図1
(4)一番上の棒を傾いて落ちる直前のところまでせり出した後、上から2本目の棒を、一番上の棒を載せたまま、傾いて落ちる直前のところまでせり出しました。このとき、一番上の棒の先端は、机の端から何cmのところにありますか。
(5)(4)の後、上から3本目の棒を、上から1本目、2本目の棒を載せたまま、傾いて落ちる直前のところまでせり出しました。このとき、一番上の棒の先端は、机の端から何cmのところにありますか。
(5(4)(5)より)
(4)この問題のポイントは、机の端を棒の支点と考えることです。棒が傾かずに釣り合うのは、支点と棒の重心が一致しているとき(図1)か、支点を中心に回転する力(モーメント)が支点の左右で等しくなっているときです。このとき、支点から棒の重心までの距離の比は、重心にかかる棒の重さの逆比になっています。
一番上の棒の重心も2本目の棒の重心もそれぞれの棒の中央にあるので、2つの重心の間の距離は30cmです。また、1本目の棒も2本目の棒も重さが等しいので、2本の棒はそれぞれの重心に1対1の重さがかかっています。したがって、それぞれの重心までの距離(30cm)が1対1になるところ(30÷2=15cm)を支点(机の端)にすれば、棒は傾かずにつりあいます。そのとき、一番上の棒は、机の端から、30+15=45cmはみ出ています。
図2
(5)3本目の棒の右端には、1本目の棒と2本目の棒の合計の重さがかかっています。3本目の棒の重心は中央にありますから、3本目の棒には中央と右端に1対2の重さがかかっています。支点(机の端)までの距離の比は重さの逆比になるので、2対1(20cm対10cm)となります。したがって、3本目の棒は、机から10cmはみ出しています。このとき、一番上の棒は、10+15+30=55cm机からはみ出しています。