難易度は、応用レベル。
解き方のコツは、だいたい細部の心情記述と同様で、設問条件や傍線部で、答えの方向性つまり、何を考えればよいのかをつかむ。
傍線部がある場合
傍線部付近のセリフや出来事を確認し、傍線部より前の「様子」とからめて考えていくことが大切。
文章全体から考える場合
性格自体を考えなければならない場合は、その人物のセリフ、動作などの心情表現に着目し、二面性(Aのような面もあるが、(実は)Bのような面もあるという意味)を意識しながら、性格を表す言葉でまとめていく必要がある。
もちろん、理由も必要。→その人物の具体的な動作やしぐさを理由として書く。
まとめ方の例・・・
「(具体例A)ような~という面もあるが、(具体例B)ような ~という面もある~な性格。」
この「解き方」の実践方法
平成22年度の問十三は、父親と息子(主人公)の共通する性格を文章全体から考えさせる問題だが、この問題を使って実際に解いてみよう。
まず設問条件をしっかり読み取って、父親と息子の共通点を探すというヒントを導き出し、父親と息子のセリフや動作を中心に考えていく。この際、場面分けしていると、だいたいどこを探せばよいかわかるので、楽である。大概このような問題は「転」、「結」の場面にあるので、そこを中心に探す。
そうすると、息子が父親の工場の仕事を手伝うと言っているのを父親が無理やりやめさせようとしているが、息子もむきになって手伝うことをやめず、お互いにもみ合っている場面がヒントになることに気付く。
この場面の二人のセリフや、行動から
① 自分の意見や考えを曲げない→頑固な一面
② 父親や息子のことを思いやる→やさしい一面
*父親は息子のことを思って家を継がせない決意をしているので、この父親の行動も息子を思ってのことだと考えられる。詳細は選択肢の例を参考に。
③ ②を素直に表現できない→不器用な性格
となる。
*ここでは、②、③が二面性になる。