難易度は標準レベル。
解き方のコツは、以下の通り。
①設問文の意味、条件をチェック→その際、誰の誰に対する心情なのかを明確にしておくこと。
②傍線部の意味を確認→傍線部周辺の出来事とセリフ=心情表現をチェック。
③ a出来事 ⇔ b心情
↑ ⇒この枠組みでとらえ、要素を導き出す。
c今までの様子、気持ち、人物関係など
④上記の要素a、b、cをc→a→bの順で考えて、まとめていく。
注意
「動作の理由」や「様子」も心情を聞いていることを忘れずに!!
この「解き方」の実践方法
平成21年 問5
千穂が「いちおう頬に手をやった」理由を考える問題。
この問題を使って実際に解いてみよう。まず、
①動作の理由=心情と考える。
②傍線部の意味、周辺の出来事を確認
→父親が自分の部屋に近づいてきている。
→大丈夫だと分かっていたけど、一応頬に手を当てて確認した。
以上の内容が読み取れる。
③千穂が手を当てて確認したことは何かを考える。
→傍線部より前の状況を確認。(今までの様子)
→父親とエイジ(祖父)のやりとりで、千穂が祖父の家から連れ戻されることを知る。
→「泣くものか。」と泣くことを我慢している千穂の様子が描かれている。
以上のことから、自分が祖父の家からいなくなることへのさみしさ、自分の意志に関係なく決まってしまったやるせなさから涙を流し泣きそうになっていることが分かる。
④③→②の手順で考えると(悲しさ、やるせなさから生じた)涙が流れていないかを確認するために、「頬に手をやった」ということになる。