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A…駒場東邦中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
漢字の書き取り問題です。
語句の意味を答える記号選択問題です。
行動の理由となる心情を簡潔に説明する記述問題です。
傍線部の手前を確認すると「…男が…動かない男の…財布を抜き取った…にやっとわらい…また…手を突っこんだ」とあります。理由となる事実は明らかですね。このことに対するマイナスの心情を表す言葉を想起するのも決して難しくはないはずです。
心情の理由となる具体的な状況を説明する記号選択問題です。
傍線部の中の指示語(「その言葉」)の内容を確認しましょう。「…おこじきさんを…そういう風に見てはいけない…」とあります。では「そういう風に」とはどういう意味でしょうか。手前に戻ると「見てはいけないものを見てしまったように…」とあります。自分自身がまさにそのように見られてしまったために、かつての母の言葉を思い出したわけです。
比喩的表現が強調する心の状態を説明する記号選択問題です。
「眩しく」という言葉が視覚ではなく比喩的に用いられる場合、プラスの意味で使われることが多いのですが、傍線部直前(「おばさんは…キャラメルを奪った」)を確認すれば、ここではマイナスの意味で用いられているということが明らかとなります。さらに傍線部の直後を見ていくと、様々なものが列挙され、「…眩しくて…目を開けていられなかった」と表現されています。これを心の状態としてとらえれば、自信をもって正答できるはずです。
実感したことが意味する具体的な認識を説明する記号選択問題です。
傍線部の前後(「わたしだけは生きて…」「死んでいる人…と…自分はちがう…決してとりかえる…できない」)を確認するだけで選択肢をある程度絞り込むことはできますが、気をつけなければならないことがあります。それは「勝手に心情を読み取ってはいけない」ということです。本文を続けて確認していくと「自分以外の人たち」という表現が繰り返され、その後で「そして…死にたくはなかった」と、はじめて心情が表現されます。つまり、傍線部分はあくまでも「認識」であり、そこに勝手に心情を読み取ってはいけないわけなのです。やや難しい問題だと言えるでしょう。
実感したことが意味する具体的な認識を説明する記号選択問題です。
傍線部の前後(「わたしだけは生きて…」「死んでいる人…と…自分はちがう…決してとりかえる…できない」)を確認するだけで選択肢をある程度絞り込むことはできますが、気をつけなければならないことがあります。それは「勝手に心情を読み取ってはいけない」ということです。本文を続けて確認していくと「自分以外の人たち」という表現が繰り返され、その後で「そして…死にたくはなかった」と、はじめて心情が表現されます。つまり、傍線部分はあくまでも「認識」であり、そこに勝手に心情を読み取ってはいけないわけなのです。やや難しい問題だと言えるでしょう。
意識的な行動の理由を説明する記述問題です。
傍線部には「…わらって見せた」とあります。「わらった」ではありません。「何かを意識して笑顔をつくった」ということです。傍線部の前を確認すると「『茉莉ちゃんだけ?』…茉莉はおずおずと…」とあります。「家族を失ったことによるつらさ」が分かる表現ですね。
そうなると、「笑顔の理由(目的)」は「気持ちを和らげるため」という解釈が導けるわけですが、そもそも「目的」というとらえ方ができなかった受験生も少なからずいたことでしょう。得点差がついた問題のひとつかと思われます。
後になって湧き上がってきた実感を具体的に説明する記号選択問題です。
傍線部の前を確認していくと「もうおかあちゃまには会えない…やっと悟った」とあります。選択肢のまぎらわしさも特に見受けられません。易しい問題と言えるでしょう。
「合否を分けた一題」として解説します。
台詞にこめられた心情を具体的に説明する記述問題です。
傍線部の手前に「早く娘のところに行きたい…」とあります。これは「娘を亡くした悲しみ」、「もう生きていたくはない」というように言い換えられますね。さらに「…孫娘のことを忘れていた…」とあります。「いま思い出した孫娘には生きていてほしい」と理解することは、さほど難しいことではないでしょう。
様子や動作からうかがえる心情の変化を理由も含めて具体的に説明する記述問題です。
「声を出せなかった」主人公が「大声を出す」ように変化した「理由となる心情」は、後半の傍線部(……線部Y)の手前をたどっていくと、「…死ぬわけにはいかない…生きのびなくてはいけない」という表現ではっきりと確認できます。
文章のラストから読み取れる主人公の心情とは異なる説明を選ぶ記号選択問題です。
指定されたラスト11行は「心のつぶやき(台詞)」が中心です。特に強調されているのは「…(戦争を)終わらせなきゃしょうがないじゃないか」という母の言葉と、「なんのために…死んだの?」という自問の言葉でしょう。そこから読み取れるのは、「戦争に対する憤り」や「多くの人の命が犠牲になったことへの悲しみ」です。ただ、「指定範囲を漠然と眺めるように見てしまうと選択肢を絞り込みにくくなってしまう」という難しさが、この問題にはあります。
ほとんどの生徒が手を出すであろうと思われる「前半の記述問題」のなかに、見た目とは裏腹に「実は答えづらい」ものがあったら…。今回はそのような視点で次の問題をとりあげます。
駒場東邦の記述問題はすべて字数が指定されています。設定される字数は様々ですが、100字を超える長いものになってくると、個々の受験生の実力差が生じやすくなってきます。正しい対策をしていないと、構成のしっかりとした分かりやすい解答を作ることはなかなか困難になってくると言ってよいでしょう。
問10
心情の変化を具体的に説明する記述問題です。
解き方の手順
①まず「変化前の心情」ですが、これは傍線部の手前ですぐに確認できます。「盗むのは
いけない…わかっていた」とあります。
⇒「人の物を盗むのはいけないことだと信じていた。」
↓
②次に「変化のきっかけ」です。これも先ほどの内容のさらに手前「清三は…盗んできて
くれた」ですぐに確認できますが、この部分は特定の人物に限定せず抽象化するほうが
よいでしょう。というのも、さらに前に戻って確認すると「…奪った…盗んだ…人…あ
んなに憎いと思ったのに…自分だって同じ…」とあるからです。
⇒「空襲で生き残った人がなんとか生きていくためにお金や食べ物を盗んでいるのは
自分も同じ」
↓
③最後に「変化後の心情」ですが、これは以下のように確認できます。
・傍線部直前の「…飢えて死んでしまうのはいいこと…か」
⇒「飢えて死ぬことをさけるためにはやむを得ない」
・傍線部後半の「…揺らぎはじめて…」
⇒「混乱している」
④解答要素を整理します。
⇒「人の物を盗むのはいけないことだと信じていた。しかし、空襲で生き残った人が
なんとか生きていくためにお金や食べ物を盗んでいるのは自分も同じであり、飢
えて死ぬことをさけるためにはやむを得ないとも思うようになり、何が正しいこ
となのか分からなくなり、混乱してしまっている。」