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4 | (1) A (2) A (3) A (4) A (5) A (6) A(7) A (8) B (9) B (10) A |
A…攻玉社合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2018年度の攻玉社は、例年通り、基本的知識を問う問題が中心です。
40分50点で、受験者平均31.2点(昨年度36.4点)、合格者平均34.5点(昨年度39.7点)と、昨年よりやや難易度が増しています。
去年と比べ、水溶液や電熱線の計算問題で、少し手間のかかる処理が必要なところがあり、ここで手間取った生徒がいたのではないでしょうか。
地学分野の問題は、地層のでき方&地球環境に関する問題。
物理分野の問題は、ニクロム線の発熱量についての問題。
化学分野の問題は、ものの溶け方&再結晶の手順についての問題。
生物分野の問題は、光合成と花と種子の問題。
攻玉社特有のすべて選ぶ正誤問題や組み合わせの選択肢の問題も、例年通り出されています。過去問に当たって、慣れておくとよいでしょう。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけること。特に、重要語句はことばで書けるようにしておきましょう。
全体に基本的な知識を問う問題が中心ですが、根本原理をふまえて論理的に考え、表やグラフの数字を的確に処理する力も求められています。難易度が高いものでなくてもよいので、いろいろなパターンの問題に当たっておくとよいでしょう。
また、実験器具の名称や使用方法を確認しておくことも大切です。
問題構成は、4分野から大問4題、小問38問。問題数は、決して多くはありません。
解答形式は、記号選択が26問、数字が10問、言語が2問。昨年あったグラフがありませんでした。
記号選択は、正誤問題や、組み合わせの選択肢に特徴があるので、慣れておくとよいでしょう。
(地学)堆積岩&地球環境に関する問題です。
大変平易な内容です。思わぬミスのないよう、注意しましょう。
泥岩・砂岩・れき岩・凝灰岩・石灰岩は、すべて堆積岩に分類されます。
泥岩は粒の大きさが1/16㎜以下の粘土でできている岩石です。砂岩は1/16㎜以上2㎜以下の砂、れき岩は2㎜以上のれきを含む岩石です。
日本で見られる石灰岩は、生物起源のものがほとんどで、太平洋のあたたかく浅い海で育ったサンゴの死骸がつもり、プレートの移動とともに深海を経て、固まって石灰石になったものです。
凝灰岩は火山灰が積もって、押し固められたものです。
①~③の地層は、河口付近の海底で、川のはたらきで運ばれてきた土砂が堆積したものです。
粒の大きいれきは、河口近くの浅いところで積もり、砂・どろの順に、河口から離れたところに積もります。
海風・陸風についての基本の知識です。
組み合わせの選択肢となっているので、取り違わないように注意します。
「晴れた日」は、気温と湿度の1日の変化が、逆になります。
つまり、気温が上昇すると湿度が下がり、気温が下がると湿度が上がります。
「誤っているもの」を2つ選びます。
(あ)と(お)は、明らかに間違っているので、これを選びます。
(い)で迷った生徒がいたかもしれません。水蒸気も、温室効果があることを覚えておきましょう。
これも、基本の知識の問題です。
津波と液状化は地震が原因です。火砕流は、火山の噴火によるものです。
(物理)ニクロム線の発熱量についての問題です。
長さと断面積が違うニクロム線を使った回路に、流れる電流の強さを調べる実験です。
電流計の使い方や、導線に使われる銅の電流の流れやすさなど、基本的な問題ばかりです。
電流計は、回路に直列につなぎます。
また、+端子は電池の+側、-端子は電池の-側になるようにします。
<実験結果>のAとBの比較から、長さが2倍になると、流れる電流が1/2倍になっています。
また、AとDの比較から、断面積が4倍になると、流れる電流も4倍になることがわかります。
(2)の考察から、ニクロム線Cに流れる電流は、0.2Aであるとわかります。
写真でも、針が2を指しているようすが確認できます。
0.2A=200mAなので、-端子は500mAのはずです。
ニクロム線は、導線(銅)よりも抵抗が大きく、電気が通りにくいので、発熱します。
豆電球に使われているタングステンも同じ原理です。
水の量が1/2倍(50/100)のとき、上昇温度は2倍になります。
4×2=8(℃)
図4の実験で、電池を2個にすると、上昇温度が4倍になっています。このことから、電池が3個では、上昇温度は9倍(3×3)になると考えられます。さらに、水の量が3/2倍(150/100)で、上昇温度は2/3倍になることから、合わせて、9×2/3=6(倍)となります。
したがって、上昇温度は1×6=6(℃)
電熱線AとDを並列つなぎにしているので、それぞれ電池1個に1本ずつつないで水100gに入れていると考えます。電熱線Dに流れる電流は電熱線Aの4倍なので、Dの方が発熱量が多くなります。
(化学)ものの溶け方&再結晶の手順についての問題です。
濃度の問題は、問題文をしっかり把握し、きちんと整理して考えれば、得点できます。
計算自体は、それほど煩雑ではありません。
再結晶の実験でのろ過の方法は、よく出される問題の1つです。
20℃の飽和水溶液です。表から、水100gに対して食塩36gなので、食塩が20gなら、水は100×20/36=55.5…≒56(g)
→合否を分けた一題参照。
図6は、ろうと台と、ろうとです。
どちらも、固体と液体を分ける操作である、「ろ過」をするときに使います。
溶液が飛び散ることなくスムースにビーカーに落ちるように、実験器具を組みます。
よく聞かれる内容なので、図をかけるようにしておきましょう。
(生物)光合成と花と種子に関する問題。
基本の知識の問題と、花芽形成の実験結果から論理的に考える問題です。
典型的な問題ですが、設問をしっかり読んで、ミスのないように注意が必要です。
気孔は、気体を出し入れすることができるしくみです。
ふつう、気孔は葉の表側より裏側の方が多くなっています。
表側に多い植物は、葉の裏側にあると都合が悪いのではないかと考えます。
ハスの葉は水面にあるため、葉の裏側は水に接しています。葉の表側は、撥水性があって水がたまらないので、気体の出し入れに都合よくできています。
イネ・トウモロコシは単子葉類、マツは子葉が3枚以上出てくる多子葉類です。
ツツジは合弁花、サクラ・エンドウ・パンジーは離弁花です。
1と10はおしべ、2と6がめしべ、3と7が花びら、4と8ががく(タンポポは冠毛)、5と9が子房です。
すべてを選ぶ問題です。取り違えないように注意しましょう。
(あ)はマツの種子で、翼のような膜があり、風によって散布されます。
(い)はまつかさで、受粉しため花の集まりです。種子が熟すと鱗片が反り返り、種子が散布された後は、自然に落ちます。
(う)はお花、(え)は花粉です。
「十分な光がないと発芽しない種子」について聞いているので、(う)や(お)は明らかにあやまりです。
花芽形成の問題は、規則性を見つける力や論理的な思考力を試す問題としてときどき出されるので、目にしたことがある生徒も多かったかもしれません。
図10では、上から下へ段階的に、光を当てていない時間が長く、光を当てた時間が短くなっています。下2つだけで花芽形成が起きていることから、連続した暗い時間が15時間以上か、連続した明るい時間が9時間以下のとき、花芽形成が起きると考えられます。
(8)では(い)・(う)の2つを選びましたが、(9)では、1つにしぼります。
まず、連続した明るい時間が9時間の場合、図10の4番目では〇でしたが、図11の2番目と5番目は×です。このことから、(い)は必要な条件ではないとわかります。
つぎに、連続した暗い時間が15時間の場合、図10の4番目では〇でしたが、図11であてはまるのは、3番目だけです。こちらは〇なので、必要な条件であるといえます。
連続した暗い時間が一定時間以上になると花芽形成する植物は、日が短くなる時期に咲き始める植物といえます。このような植物を短日植物といい、アサガオ・コスモス・キク・オナモミなどがあてはまります。
ここは、「間違っているもの」を選ぶので、(あ)が答えです。
基本的な問題が多くをしめる中で、本年度の3の水溶液の問題は、濃さや溶け残りの量を計算する問題がまとまった数出されています。
難易度はそれほど高くはないのですが、問題文を正確に読み取り、的確に判断する必要があります。
中でも(6)は、場合分けの考え方も必要で、計算だけでは判断できない問題です。
また、(6)の結果を使って、(9)を解く流れになっているため、ここで得点できると、かなり有利になることから、合否を分けた一題とします。