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A…攻玉社合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2017年度の攻玉社は、例年通り、基本的知識を問う問題が中心です。
化学分野の問題は、水溶液の性質と中和に関する問題。
生物分野の問題は、ヒトの消化といろいろな動物の呼吸に関する問題。
物理分野の問題は、ばねののびと単振動に関する問題。追加で、浮力の問題。
ばねの振動は見慣れない実験でしたが、ふりこの運動との共通点を見つけることで、対応できる内容となっています。
地学分野の問題は、台風・環境問題・地層に関する問題。
攻玉社特有の正誤問題や、組み合わせの選択肢、縮尺で考える問題も、例年通り出題されました。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、普段からいろいろな現象に目をむけ、そのメカニズムを考えてみるようにしましょう。また、過去問を通して問題形式に慣れておくことも大切です。
問題構成は、4分野から大問4題、小問44問。
解答形式は、言語が9問、記号選択が26問、グラフが1問、数字が8問。
記述は、ありませんでした。
計算は、どれも簡単な処理で対応できるものでした。
簡単なグラフまたは作図が、ほぼ毎年1~2問出されていますので、慣れておきましょう。
(化学)水溶液の性質と中和についての問題です。
とても平易な問題です。思わぬミスをしないよう注意しましょう。最後のグラフは、おさえるべき2つの点を明確に書き、確実に得点したいところです。
赤色リトマス紙が青くなったイとオがアルカリ性です。
アンモニア水はアルカリ性で、溶質が気体です。加熱して水分を蒸発させたとき、何も残らなかったイを選びます。
塩化ナトリウム水溶液は中性で、溶質が固体です。
中性で、加熱して何も残らなかったウを選びます。
アルミニウムは、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液と反応して、水素を発生します。
図1から、水酸化ナトリウム水溶液(A液)10cm3と過不足なく反応する塩酸(B液)の量は、8cm3とわかります。B液が6cm3のときA液が余るのでアルカリ性、8cm3のとき完全中和するので中性、10cm3のときB液が余るので酸性です。
完全中和するときの体積の比は、A液:B液=5:4です。加えた溶液のうち、A液20cm3とB液16cm3とが完全中和して、B液が余るので、酸性を示します。
グラフから、0.25と0.3の真ん中の値とわかります。0.275cm3((0.25+0.3)÷2)が答えです。
A液を2分の1の濃度にした溶液10cm3に含まれる水酸化ナトリウムは、A液の2分の1の量です。A液を2分の1の濃度にした溶液10cm3とB液4cm3とが完全中和して、0.15gの固体が残ります。(0、0.1)と(4、0.15)を結ぶ線と、(4、0.15)と(10、0.15)を結ぶ線をかきます。
(生物)消化と呼吸に関する問題です。
基本の知識の問題です。ここで落とすと不利になります。特に、組み合わせの選択肢に注意し、気を抜かずにしっかり得点します。
食物が通る道は、一本道です。
アミラーゼとペプシンはおぼえておきましょう。
柔突起または柔毛といいます。表面積が大きくなり、効率よく栄養分を吸収できるしくみです。
脂肪酸とモノグリセリドは、柔毛のリンパ管に吸収されて脂肪にもどり、鎖骨下静脈に合流し、体循環に入ります。
鳥類・ほ乳類は、2心房2心室で効率の良い心臓として完成した形です。魚類はえら呼吸なので1心房1心室ですが、両生類は肺呼吸をするため、肺循環のために心房が2つあります。
血液は、動脈から毛細血管に枝分かれすると、流れる速さが急激に遅くなります。そのあとに、静脈として血液があつまるところでは、筋肉の動きで血液が押し出されます。静脈に、逆流をふせぐ弁があることで、心臓にもどる流れとなります。
血管のつくりとしては、心臓にもどる血管を動脈、心臓から出る血管を静脈と呼びます。
血液の種類としては、酸素を多くふくむ動脈血と、二酸化炭素を多くふくむ静脈血があります。
動脈の血管は、拍動による圧力がかかるため、壁が厚くなっています。
心臓から出た動脈は、枝分かれをして毛細血管になり、再び集まって静脈となって、心臓にもどります。毛細血管は、細胞の隙間を通っていて、二酸化炭素と酸素の交換や、栄養分と不要物のやりとりを行います。
魚類・甲殻類はエラ呼吸、は虫類・ほ乳類は肺呼吸です。昆虫の腹部には気門という穴があり、そこから空気を取り入れ、体中にはりめぐらされた気管によって、体の各部分に酸素を運びます。「酸素を得るための呼吸器官」とあるので、気門ではなく、体内に酸素をとり入れる場所である気管を選びます。
血液成分は、固体成分である白血球(細菌を殺す)・赤血球(酸素を運ぶ)・血小板(血を止める)と、液体成分である血しょう(物質を溶かして運ぶ)からなります。
赤血球の赤い色素ヘモグロビンが、酸素と結びついたり、離れたりすることで、酸素を運びます。
二酸化炭素は水に溶けるので、血しょうによって運ばれます。
(物理)ばねののびと鉛直ばねふりこに関する問題。
ばねにつけたおもりが上下に振動するようすを、鉛直ふりこといいます。
ひもでつるしたふりこと同じように、一定の周期で運動します。
ばねAとBそれぞれに、50gの力がかかります。
ばねAの長さ=20+1×50/20=22.5(cm)
ばねBの長さ=20+2×50/10=30(cm)
ばねAにかかる力=20×(23-20)/1=60(g)
ばねBにかかる力=10×(23-20)/2=15(g)
おもりの重さが、60:15=4:1に分配されているので、おもりの位置を支点とした腕の長さは、逆比となり、おもりは、棒を1:4に分ける位置にあることがわかります。
おもりの重さ=ばねAで支える重さ+ばねBで支える重さ=60+15=75(g)
→合否を分けた一題参照。
表1から、ばねA・Bともに、おもりの重さを100gから400gに変えると、10往復する時間が2倍になっていることがわかります。
ばねAのおもりの重さを100gずつ増やした場合のうち、10往復する時間が計算できるものを挙げると、重さ900gで13.5秒、重さ1600gで18秒 が考えられます。このうち、重さ1600gが、ばねBの重さ400gと、18秒で一致します。
(地学)台風・環境問題・地層などに関する問題。
(5)~(7)は、攻玉社特有の、組み合わせの正誤問題です。
(8)は、典型的な浮力の問題でした。
高気圧から噴き出す風の向きは時計回り、低気圧に吹き込む風の向きは反時計回りです。
定番の、縮尺で考える問題です。雲の直径:雲の厚さ=1000km:10km=100:1=1m:□m。
□=0.01 ですから、0.01m=1cm。
1.地球温暖化を環境問題として考えるとき、ヒトの活動による影響と関連付けて考えます。どちらかというと、水蒸気はヒトの活動による影響は少なくなっています。
2.赤外線は、目に見えない波長の電磁波です。赤外線はテレビのリモコンや暖房など、身近なものに使われています。電子レンジはマイクロ波で、電界が交互に変化し、水が振動してあたたまります。日焼けを起こすのは、紫外線です。レントゲン写真で使うのは、X線です。どれも電磁波ですが、波長が短い順に、X線<紫外線<赤外線<マイクロ波 となります。
オゾン層破壊についての、基本の知識です。春から初夏にかけて、南極や北極上空の成層圏のオゾン層の濃度が特に減少するようすを、オゾンホールといいます。
①は誤。たい積岩は、川などの流水のはたらきによってできます。
①は誤。重いれきが先にしずみ、泥は遠くまで運ばれます。
①・②ともに正しい。
から、岩石の重さが100gであることがわかります。②では、ばねはかりが70gを示しているので、浮力が30g(100-70)だけはたらくことがわかります。浮力は、押しのけた液体の重さに等しいので、押しのけた水の体積は、30cm3(30÷1)です。したがって、この岩石の1cm3あたりの重さは、100÷30≒3.3(g)です。
ばねにおもりをつるして静止しているとき、おもりの重さとばねが縮もうとする力がつりあっています。おもりを少しひっぱって放すと、このときのおもりの位置を中心にして振動します。
おそらく、ばねの振動について学習したことがある生徒は、ほとんどいないでしょう。それでは、どのように対処しればよいのでしょうか。このとき、手がかかりになるのは、知識として知っていることがらから、似たものを取り出してきて、共通点をさぐることです。つまり、あたりをつけるということをします。ふりこについて根本原理が理解できていれば、ばねの振動にあてはめて考えることができるかどうかを判断できます。
ふりこでは、振れ幅の両端にある(振りきっている)とき、重力による下向きの力によって、おもりの速さが最も変化します。これと同じ状態なのが、最ものびているときと最も縮んでいるときです。ばねは、はじめに静止していたときの位置から動くと、もとのつり合いの位置にもどろうとします。したがって、最ものびているときは、ばねによって上向きの最も大きな力を受け、最も縮んでいるときは、ばねによって下向きの最も大きな力を受けます。
問題では、振動のようすについて、おもりの速さに着目しています。
ふりこは、振れ幅の両端にある(振りきっている)ときに、運動の向きが変わるので、一瞬静止して速さが0になります。そして、おもりが真ん中(支点の真下)にきたときの速さが、最も速くなります。
これをばねの振動にあてはめると、最ものびているときは、一瞬静止して、下向き→上向きに運動の向きが変わると考えられます。また、最もちぢんでいるときは、一瞬静止して、上向き→下向きに運動の向きが変わると考えられます。そうすると、おもりの速さが最も速くなるのは、その中間にあるとき