A…攻玉社中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
[1] | (1)A (2)B (3)A (4)A (5)A (6)A (7)A (8)B |
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2016年度1回の攻玉社中学理科の問題は、1は植物・生物分野からの出題、また、2は地学分野から天気・気象・火山・地震についての出題、3は物理分野から振り子についての出題、4は化学分野から溶解度についての出題となっていました。
例年通り、まんべんなく出題されていましたが、全体的に知識問題の割合が高く、物理分野、化学分野からの出題は非常に易しくなっていたので、50点中35点はとりたかったところです。
易しい問題です。
トマトとジャガイモはナス科の植物です。花の形状などが似ているのでよく観察し覚えておく必要があります。
特に植物についてよく聞かれる学校は決まっているので、ごぼうはキク科など、必要な受験生は覚えるようにしてください。あまり細かい知識が問われない学校の場合、費用対効果を考えれば無理に覚える必要はありません。
純粋な知識問題です。
この機会にトマトとジャガイモは南アメリカが原産地だと覚えておきましょう。ちなみに、カボチャも南アメリカ原産です。
易しい問題です。
トマトは厳密に言えば、果実と種子を食べています。トマトを切ったときにジェル状になっている部分は種子です。
ジャガイモについては必ず茎を食べているということを知らなければいけません。サツマイモが根を食べているに対比されて何度も見たことがある問題だと思います。
易しい問題です。
先ほど述べたようにサツマイモは根を食べているので、②が消えます。ピーマンの食べている部分が葉のわけはないので、④⑤が消えます。なすに関しても茎ではなく実の部分を食べているので、①は消えます。
普段の食生活から、食の恵みがどの部分なのかを気にしていけると自然と解けるようになっていくでしょう。
こういった植物を外来植物といいます。
意図的に持ち込まれたものと、貿易などの際に種子が紛れていたりして繁殖する場合があります。
生物の場合は外来生物といわれます。アメリカザリガニやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)などが特に有名です。
また、ブラックバスやブルーギルなどは日本の生態環境を変えるほど影響を与えている外来生物です。
もともとその地に生息していた植物を在来植物といいます。
外来植物の方が繁殖力が強い場合、在来植物は駆逐されてしまうこともあります。
易しい問題です。
リード文をよく読めば必ず正解できる問題です。
「セイヨウタンポポは都市部に多く生育し」とあるので、選択肢(あ)の住宅街の道ばたなどで生育しやすい。を選ぶことができます。
また、「もともと日本に生育しているカントウタンポポやシロバナタンポポは、昔からの庭園や神社の境内などに生育しています」とあることから、選択肢(え)の日本の本来の自然環境が残っているところでは、日本のタンポポの方が生育しやすい。を選ぶことができます。
―1(う)
「日本ミツバチは巣を襲ってきた天敵のオオスズメバチを撃退するために、集団で取り囲み翅をふるわせて殺します」とあることから、選択肢(い)を選んでしまった受験生が多かったと思います。
しかし、振動で死ぬのではなく、翅をふるわせることによって生じさせた熱と、二酸化炭素によって、オオスズメバチを殺すのだと覚えておきましょう。
―2(え)
非常に有名なミツバチダンスの問題です。
よく勉強していた受験生ならば必ず一度は触れたことがある問題だと思います。
「8の字ダンスでは、背中側から見た8の字の直進部分の進行方向と真上の方向が、餌場の方向と巣から見た太陽の方向に対応している」ということを理解してください。多くの問題をこなさないと身につかないので、理解するまで問題にあたってください。
―3(→)
太陽は45度傾きますが餌場の位置は変わりません。
ミツバチダンスは常に真上を太陽の方向にします。
とすると、太陽の位置と餌場の位置は90度の関係になります。よって真上から右方向にまっすぐ進行することになります。
純粋な知識問題です。
①南東の風とは南東の方向から吹く風のことをいい、煙は点対称の北西の方向になびきます。
②天気は雲量によって決まります。見渡す限りの空の面積を10としたとき、雲の量が0~1のときが快晴、2~8のときを晴れ、9~10のときを曇りとしています。
測量方法は目分量で決めています。
①天気に興味がないと台風が年間いくつ日本にやってくるのか知らないかもしれませんが、おおよそ台風の発生件数は25個程度です。台風何号という言われ方をしますが、一年で発生した順番で何号かきまります。台風10号は聞いたことがあっても、台風50号を聞いたことはないと思います。
②台風の定義は、熱帯の海上で発生した熱帯低気圧で最大瞬間風速が17.2m以上のものをいいます。気圧は関係ありません。
①暖気と寒気の境界のことを前線といい、暖気に含まれる水蒸気が寒気によって冷やされ、液体に戻ってしまうため、雨がちになり天気が悪くなります。
②二酸化炭素が太陽からくる光を通しにくく、地球から出る熱エネルギーを通しやすいとしたら、二酸化炭素が温暖化の原因になるはずはありません。
-1(い、え)
易しい問題です。
なぜ、日本に四季があるのかは、地球の地軸が23.4度傾いており、地球が太陽を公転するさいに、太陽光が日本に当たる角度が異なり、角度が高くなるほど地表が温まりやすくなり、角度が低くなるほど地表が温まりにくくなるからです。
-2(う)
易しい問題です。
太陽光はまずは地面や海水を温めます。空気は温まりにくいと覚えておく必要があります。
降水量100mmとは一時間に10㎝雨がたまるということです。バケツでもコップでもプールでも関係ありません。
1㎡は10000㎠なので10000㎠×10㎝=100000㎤となり100リットルということになります。
①マグマはいったん地表に出れば、どのような形であっても溶岩といわれます。
②マグマが地中で急激に冷やされたものが火山岩で、安山岩、玄武岩、流紋岩が有名です。
マグマが地下の深いところでゆっくり冷やされたものを深成岩といい、花こう岩、閃緑岩、はんれい岩が有名です。
①火砕流の速さは時速100キロを超えることもあります。1991年の雲仙普賢岳の火砕流の映像を見ておくといいでしょう。
②水蒸気爆発と呼ばれる噴火もあります。水が水蒸気に変化すると体積が1600~1700倍になるので、かなりの爆発力になります。
易しい問題です。
3776mをまずはcmにすると377600cmです。
377600cmをmmにすると3776000mmです。
3776000mmを1000000(100万)で割ると3.776mmです。
よって、小数第2位を四捨五入して3.8mmとなります。
地震波によって生じる起こるものとして有名なのは液状化現象です。埋立地やもともとが湿地だったところで起こることが多くなっています。
地震波によっては津波はおこらないので、選択肢(あ)、(お)が消えます。
少し難しいのが地すべりだと思います。地震波による揺れによって生じると考えられます。断層のずれによって生じるものではないと知識としてストックしておきましょう。
(あ)緊急地震速報は震度4以上が予測される地域名が発表されます。
(い)マグニチュードと震度は全く異なるものなので注意が必要です。
(う)震度0は体に感じない揺れのことをいいます。
(え)最初の揺れをP派といい、最初のカタカタという揺れですが、比較的大きな地震でないと感じられないこともしばしばです。P派の後にやってくる揺れをS派といい、ガタガタガタガタというようなイメージを持ってください。
易しい問題です。
「振り子の長さ」とは支点から重心までの距離をいいます。よって同じおもりでも重心までの距離が違うので、振り子の長さも異なることになります。
易しい問題です。
支点から重心までの距離を変えると周期が変わってしまうため、選択肢(い)を選びます。
「振り子の長さ」と「1往復す時間」は表から分かるように、滑らかな曲線を描きます。
易しい問題です。
振り子に関する常識問題です。振り子の周期に関係するのは振り子の長さだけです。あとは一切関係しません。
「振り子の長さ」と「1往復す時間」は表から分かるように、比例の関係も、反比例の関係もありません。よって正解は選択肢(え)になります。
「振り子の長さ」と「一往復する時間を2回かけた量」の関係は「振り子の長さ」が2倍、3倍・・・となると「一往復する時間を2回かけた量」も2倍、3倍・・・・となっているので正比例していると言えます。
易しい問題です。
【表1】の20cmと80cmの振り子の長さとかかる時間の長さがおよそ2倍となっているので、1往復の時間を元の2倍にするためには、「振り子の長さ」を80÷20=4倍とすればいいことがわかります。
一往復の時間がおよそ1秒の振り子を作るためには、(7)を利用して、100cmで2.0秒かかることが【表1】から分かっているので、2.0秒を1.0秒にするには長さを四分の一にすればよい。
よって100÷4=25cmの(う)が答えとなる。
【表2】から、「振り子の長さ」と「一往復する時間を2回かけた量」の関係は正比例とわかるので、100cmの長さの振り子が「一往復する時間を2回かけた量」は4.00で、200cmの長さの振り子が「一往復する時間を2回かけた量」は8.00となる。
□×□=8.00になるような□を探すと選択肢(い)の2.8秒がもっとも近い値となる。
60cmの振り子が一往復する時間は1.55秒で、この問題では一往復せず半往復しているので、およそ0.77秒かかる。
15cmの振り子が一往復する時間は(7)から、およそ0.77秒かかり、この問題では一往復せず半往復しているので、およそ0.38秒かかる。
よって、0.77+0.38=1.15秒となり、もっとも近い選択肢(い)の1.16秒が答えとなります。
易しい問題です。
ミョウバンとホウ酸はグラフから、100gの水が5℃のときでも、10g溶けていないので、当然10gの水が5℃のときでも1g解けることはありません。
食塩は温度によって溶解度がほとんど変わらない物質で100gの水に35g程度解けます。知識として知っていると思います。よって10gの水が5℃のときでも3.5g程度は溶けることになります。
砂糖は水にとてもよく溶ける物質ということは知識として知っておきたいところです。よって10gの水が5℃のときに1gは余裕で溶けることが出来ます。
石灰石は水に溶けません。
易しい問題です。
ミョウバンはグラフから100gの水が80℃のとき80g以上解けることがわかるので、10gの水が80℃のとき少なくとも8g溶けることができるので、1gのミョウバンは溶け残りません。
ホウ酸はグラフから100gの水が80℃のとき20g以上解けることがわかるので、10gの水が80℃のとき少なくとも2g溶けることができるので、1gのホウ酸は溶け残りません。
食塩と砂糖は表から当然、10gの水が80℃のとき1g以上溶けます。
石灰石は水に溶けません。
塩酸に加えて気体が発生するのは石灰石だけです。
発生する期待は当然、二酸化炭素です。
ミョウバンの結晶はきれいな正八面体です。
知識として知っておくべき問題です。
簡単な算数の問題です。
40℃の水100gに最大238gの砂糖が溶けます。
40℃の水□gに35.7gの砂糖が溶けると考えることができます。
100:238=□:35.7とすれば、□=100×35.7÷238として考えることができます。
□=15と出すことができます。
40℃100gに最大溶けることのできる砂糖は238gなので、
40℃20gに最大溶けることのできる砂糖は47.6gになります。
よって、溶け残る砂糖は60-47.6=12.4gとなり小数第一位を四捨五入するので12gが答えになります。
40℃100gに最大溶けることのできる食塩は36.3gなので、
40℃20gに最大溶けることのできる食塩は7.26gになります。
よって、溶け残る食塩は60-7.26=52.74gとなり小数第一位を四捨五入するので53gが答えになります。
60℃100gに最大溶けることのできる砂糖は287gなので、
60℃20gに最大溶けることのできる砂糖は57.4gになります。
よって、溶け残る砂糖は50gの砂糖は全て溶け、溶け残りは出ません。
20℃100gに最大溶けることのできる砂糖は204gなので、
20℃20gに最大溶けることのできる砂糖は40.8gになります。
よって、溶け残る砂糖は50-40.8=9.2gとなり小数第一位を四捨五入するので9gが答えになります。
合否を分けた一題で扱います。
(6)、(7)、(8)ともに砂糖と食塩が同じ水に溶けていますが、お互いがどれだけ溶けるかは、お互いに全く影響がないということを知っておく必要があります。ここで戸惑った受験生がいたかもしれません。
よって、この問題も砂糖50gを溶かしたと書いてありますが、砂糖に関しては全く無視して解く必要があります。
(6)に関しても、砂糖と食塩を完全に切り離して考えていることが分かると思います。
(7)も食塩を完全に無視して解いていることに気付かれると思います。
ですので、この問題の解き方も以下のようになります。
60℃100gに最大溶けることのできる食塩は37.1gなので、
60℃□gに最大溶けることのできる食塩は40gになります。
よって、100:37.1=□:40となります。
したがって、□=100×40÷37.1で求めることが出来ます。
□=107.8・・・・・となり小数第一位を四捨五入するので108gが答えになります。