⑤中高一貫教育男子校の気風「質実剛健」
三つ目のキーワードとしては、「質実剛健」の校風が挙げられます。これは「タト見を飾ることなく内面が充実していて、たくまし<揺るぎようがない様子」を表す言葉で、決して華美に流されず実質・内容を重んじる校風のもとで先生も生徒も伸び伸びとした自由な雰囲気と自主的責任による行動をとっている。まさに開成中学のイメージそのものの校風だと言えるでしょう。
そして、ここで紹介されているのが開成学園の文化祭・開成祭です。開成祭は、毎年、多数の来客で賑わうとても華やかな行事です。みなさんは、一見「質実(タト見を飾らない)」とは関係のないもののように思うかもしれません。しかし、開成祭の催し物の一つ一つを見てみると、「既成のものに頼らない自分達白身の手作り」の部分を発見できるはずと自信を見せています。
9月に催される文化祭も運動会同様に企画から運営・演出まですべて生徒自身の手に任されていると言います。文化祭を成功させるには相当な労力と時間を必要とします。そのため、生徒たちは前年から活動を始め、暑い夏休みも毎日のように学校に来て汗を流し、自らの手で一から作り上げていきます。
ここで具体例が挙げられています。ゲームを企画する参加団体について語られているのです。それは既成のテレビゲームを並べて、それでおしまいというような参加団体はありません。例えば、近所から空き缶を何百本と集めてきて、自分達の手で一つずつそれを洗い、自作ゲームの材料に作り上げた参加団体もありました。コンピューターを使うような団体では、自分達で製作した木琴ロボットを、自作プログラムで自動演奏させたり、剣道口ボットを遠隔操作で闘わせたりします。独創的な巨大折り紙を製作展示するような団体もあると記されています。
⑥「開成祭の価値」がここにある!~
皆さんの身の回りに「手作り」の物はありますか?。あったら手にとって触り、じっと見つめて下さい。質素な外見の向こうに「そのもの」にこめられた作り手の思いが感じられるはずです。それは、大量生産されるものには感じられない、たくまし<揺るぎようもない価値でしょう。このような「質実剛健」な参加団体が開成祭にはあふれていますと紹介されています。
またリーフレットではもう一つ、開成祭の名物行事が紹介されています。これはみなさん御存じでしたか?その名物行事とは「古本市」です。それによると1977年に生徒が発案し企画して始めた時は、小さな催しでしたが、今では、生徒をはじめ、教職員・保護者・近隣の方から集まった古本で、一万冊以上の古本が展示販売されるようになったとあります。
そして収益金は、災害被災地や発展途上国の援助等に寄付され、その寄付先についても、単に前年に倣うのではなく、毎年、生徒が企画・検討しているそうです。地味な企画ですが、大変充実した内面を伴った姿に毎年毎年の生徒が育てあげましたと結ばれています。
このような参加団体や、古本市の話は、いずれも一例です。このように「内面を充実させよう」という風土は、開成祭の隠れた、しかし大切な一面になっています。名物行事のなかに開成中学の真の価値が、歴史とともに育まれていく様子が手に取るように理解できますね。
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