② 「思いやりのある生活指導」
例えば、開成中学での学園生活指導を例にして語られているのは、開成学園ではすべての教員が生徒指導に取り組んでいるということです。掃除やごみの分別などの日常的なことから、個々人の生活面の改善に至るまで生徒一人一人に応じた生活指導は、「細かい規則」に依った画一的なものではありません。
校則も服装に関する規定がある程度で、最小限のものとなっています。これは、規則に頼るのではなく、「どうしていけないのか」ということを生徒白身にしっかりと考えてほしいという開成中学校の生活指導の理念の表れと語られています。さらに「やっていいこと、やってはいけないこと、その理由を、自ら考え理解する(知性・人間性を開発する)ことで、成すべきことを務める(成務)」、これが開成学園の生活指導の基本となっていますと結ばれています。
自立心の芽生え、自己のIdentityが確立していく中学生期は、反抗期を迎えたり人間関係の問題を生じやすい時期でもあります。しかし、多彩な学園生活の場でそれらの活動を通してそれぞれの問題を乗り越え、個性豊かに成長しています。
高校では、生徒を一人前の大人として対応し、各自が責任と自覚を持つように指導しています。規則や価値観を押し付けるのではなく一人一人の将来を見据え、自らの思考と判断に委ねるべく生徒との対話を続けています。
もちろん、生徒が過ちを犯した場合は、私達は本気になって叱ります。しかし、そんなときにも、「どうしていけないのか」を、生徒白身にしっかりと考えてほしい、そして「生徒自らが成すべきことを務める」ように育っていってほしいと願っています、と結んでいます。
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