SAPIXでは5年生のうちにほぼ全範囲を終わらせます。といっても5年で学習する内容はそれほど難しくも詳しくもなく、ざっと基本を押さえ、6年で応用力を高めていくというやり方です。システムとしてはとてもよいと思います。ただ、演習に重きが置かれ、説明が少ないため理解が不十分な生徒が出てしまうのが難点です。私がサピ生に対するときは理解の確認をまず行います。成績上位でも、あいまいな理解/勘違いして覚えている/自己流パターンに当てはめている生徒は結構いるものです。そこを整理すると、処理の訓練はバッチリできているサピ生はかなり強くなります。自宅で理解を補う場合はサピックスのテキストでは説明が足りませんので、四谷大塚の予習シリーズを購入するのがよいでしょう。説明も詳しく、写真も豊富です。
基本的にはサピックスのカリキュラムにしたがっていけば大丈夫です。やや偏りはあるものの問題演習量は多く、開成中学に必要な内容はこなせます。開成中学に向けて作っているテキストとも考えられます。基本的には確認問題・発展問題とも解くのがよいと思いますが、発展問題はかなりクセのある問題も混じっていますので、塾の指示(宿題)に従うのがよいと思います。発展問題に目がいきがちですが、確認問題をミスなく解くことが重要です。1~2問ミスをして、「分かった(ている)からいい」ではいけません。分かっているのに間違えるのがいちばん怖いのです。類似問題をたくさん載せてくれているのはサピの親切なところです。「ミスなく解く」練習に役立ててください。土特やSSでは、Fはほぼ不要です。復習の優先順位は6年前半は通常→土特、6年後半はSS→通常→土特です。テストも多いサピックスですが、直しはしっかり行ってください。弱点を確認し、知識を増やすチャンスです。昨年度から四谷大塚の合不合が受けにくくなってしまいましたが、できれば受けてください。サピックスのテストは質問の仕方がストレートで、少しひねりが足りません。
演習量が多すぎてこなしきれないことも多いのがサピックスですが、この量がこなせないと合格は厳しく、また晴れて合格→入学してからも厳しいでしょう。あまり時間を掛けすぎずに要領よくこなせるようになってください。
知識の確認は、コアプラスでよいです。最低3回は通してコアプラスを完璧に覚えてください。