ずいぶん前のことです。ある塾のある校舎のいちばん上のクラスには有力な開成中学志望が3人いました。
おとなしくて落ち着いたAくん。成績はいつもトップ。試験ではいつも名前が載る、クラスのみんなも一目置く存在。
お調子者のBくん。問題を解くスピードは驚異的。勉強を楽しむタイプで鋭い質問も多い、人気者。
努力家のCくん。成績は3番手。Bくんをライバル視しているが、敵わない。
授業中目立っていたのはBくんです。とにかく頭がいい。回転が速い。キレる生徒でした。
志望校判定ではAくんBくんともに80%を出していたと思います。Cくんは30~50くらいだったでしょうか?私の予想もそのまま。AくんとBくんは大丈夫だろう。Cくんは厳しいかな、と思っていました。
受かったのはAくんとCくんでした。当時塾講師を始めて間もなかった私はとても驚きましたが、ベテランの先生方は少し驚き、残念がりつつも、Bくんにはもともとそういう危うさを感じてもいたようです。
中学入試の厳しさを実感した瞬間でした。
「確実な者が勝つ」
もちろん中学入試が人生のすべてではありません。Bくんもその後リベンジしたことと思います。
ただ、中学入試の時点では確実な者が勝つ。特に開成中学はそういう学校です。
理科の問題は、あえて簡単にしてミスを誘っているのでしょう。ミスの多い者から脱落していくサバイバル。
勝ち抜くためには、強い意志と勤勉さより他にありません。
日々、戦力を養っていってください。