6年では、5年生で取り組んできたことを続けつつ、入試問題レベルに慣れていくことが大切になる。
入試問題で、文章の類題演習をしてみよう。もちろん、解かなくてもかまわない。
類題としては、文学的文章は武蔵中、海城中、渋谷教育学園渋谷、渋谷教育学園渋谷幕張中などの題材が挙げられる。
あとはテーマ別学習も必要なので、中学受験 必ず出てくる国語のテーマ 著者 小泉 浩明(ダイヤモンド社)、朝日小学生新聞 などを活用して文章の背景にある道徳的価値観を学ぼう。
具体的には、市販の各学校の過去問を集めた問題集(みくに出版で出しているものがお勧め)を使って、物語文の心情記述の問題をピックアップし、それを丁寧に解く。わからない場合は、模範解答を見て逆に考え方、まとめ方を学習するとよい。
添削は、なるべくプロ(塾)の先生にしてもらう。そこで、何が足りないのか、確認するとよい。さらに、解き方を教えてもらうと一石二鳥である。(なるべく、普遍的な方法を教えてもらうようにする。)
記述の添削は、ただ添削するのではなく、書き方や心情のパターン(中学受験特有のものがある)を伝えなくてはいけないし、模範解答以外の解答の可能性、生徒の記述した表現の解釈をどこまで許容するかなどのスキルが必要である。しかし、このようなスキルを身につけるためには、片手間では無理。やはり、ある程度の経験と研究する時間が必要である。だから、「プロ」のほうが好ましい。もちろんここで言う「プロ」とは、小手先のテクニックや読書指導、漢字学習だけに偏ったり、文章理解だけを目的に指導する先生ではなく、しっかりと語彙力、論理的思考力を伸ばし、道徳的価値観をふまえた記述指導をしてくれる講師を指す。
また、このような学習が難しい場合は、市販のテキストを使い、記述力を上げていこう。
具体的には、
① 出口先生の論理エンジンを使った「読解・作文トレーニング」5年を使い、論理的思考力、記述力の基本を身につける。
② 啓明舎の「読解の応用・完成」で、論理的思考力、記述力、テーマ別の考え方を養う。
③ 旺文社の「塾で教える国語・実戦問題集(論理的文章、文学的文章)」で仕上げる。
順番としては、①、②を仕上げた段階で、③に取り組むとよいだろう。
さらにプロの講師が添削+アドバイスしてあげると、効果的である。
ここで具体的な間違い直しのやり方を簡単にアドバイスする。
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まず自分の解答と模範解答を比べ、△や×の場合、なぜそれがだめなのか、何が足らないのかを考えさせる。分からない場合は解答・解説を読んで、それから本文に戻り、解答に必要な要素やその導き方、記述のまとめ方を理解する。そして正しい考え方をノートに書いたうえで、それを見ながら書き直しをする。あくまでも自分の力で記述させることがポイントである。