| 新規会員登録

国語の合否を分けた一題

開成中入試対策・国語の合否を分けた一題(2012年度)

開成中学の合否を分けた一題 (2012年度)

今年の入試は、昨年度(2011年)と比較し、合格者平均点が高いのが特徴である。
ただ合格者平均と受験者平均との間に、約6点差がついていることから、記述問題の精度が合否を分けるポイントになったのではないだろうか。

その2012年度入試で、合否を分けた問題として1題を挙げるとすれば、一の問一である。
開成中学の問題では珍しく、抜き出し問題になっている。

なぜこの問一が合否を分けるかというと、問一の解答が、そのあとに続く記述問題の解答のヒントになっているからである。
問一では物語文の出来事の流れの中で、ポイントなる主人公の心情を抜き出す問題となっているので、そのあとで心情を考える問題のヒントになるという仕組みだ。
大手塾の開成中学志望者はおそらく、難易度の高い記述問題ばかり取り組んできただろうから、意外とこういう抜き出し問題は弱いはずである。

抜き出しの範囲は文章全体に渡っているので、文章の構成をつかむ練習をしていない生徒やテクニック重視の国語の勉強をしてきた生徒、抜き出し問題に慣れていない生徒は、解くのに相当時間がかかったはずである。しかし、この設問を飛ばせば、先に述べたように設問を解く際、手がかりが見つけにくい状態になって苦しくなるという仕組みなので、そういう意味でも、この問題を解けるかどうかが合否のポイントとなったといえるであろう。
では、解き方を考えていく。

問一の設問は4つあり、すべて抜き出すところの場面が決められている。①と②は「入学式」の場面、③は五年生に苛められる場面、④は五年生とのひと悶着の後の校門を出た最後の場面という形で決められているので、その条件をしっかり読み取ってから解答を探すのが基本である。
あとは次郎や校長のセリフや心情説明の文をその場面から探せば、解答は容易に探せる。

開成中学を目指すレベルの生徒であれば、さほど難しい問題ではない。
ただ正直、設問の作り方は失敗した感がある。①と②は解答が「慈悲」という部分を読み取らせるという形で重なっているし、問四ではその言葉を問題として活用している。

あえて重ねたかもしれないが、御三家なのだから、もう少し設問を工夫してほしい。
難易度表

問一 A 問二 A  問三A  問四B 問五B
二A
A・・開成中学を志望するレベルなら確実に得点に結び付けなければいけないレベル
   (記述問題なら8割以上の得点を目指さなければならないレベル)
B・・開成中学を志望するレベルなら、最低でも△以上をもらわなければならないレベル
C・・開成中学を志望するレベルでも、得点に結びつけるのは難しいというレベル

この記事は役にたちましたか?
全く役に立たなかった役にたたなかったどちらでもない役に立ったとても役に立った (4 投票, 平均値/最大値: 2.00 / 5)
Loading ... Loading ...


開成中合格対策ドクターのトップに戻る
この記事が気に入ったら是非ご登録を

開成中入試対策・関連記事一覧

開成中入試対策・同じ教科(国語)の記事

開成中入試対策・同じテーマ(合否を分けた一題)の記事

他校の同じ教科(国語)の記事



PAGE TOP