1 | (1)A (2)A (3)A |
---|---|
2 | (1)A (2)A (3)B |
3 | (1)A (2)B (3)C |
4 | (1)A (2)B (3)C (4)C |
5 | (1)B (2)C |
6 | (1)A (2)C |
A…海城中学校を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、とばしても構わない問題
非常に易しい計算問題です。確実に正解したいです。
食塩水の基本的な問題です。分かるところから順に計算しましょう。
立体切断。切り口は問題の図中に既にかかれているので、三角すい台の体積を求めることができれば正解できます。計算過程を楽にするために体積比も使えることが望ましいです。
倍数に関する問題。1つ目が11ではなく4であることには注意しましょう。基本的な問題です。
「『すべて』書きなさい」というのは答えが複数あるということのヒントです。7で割って4余る整数と9で割って5余る整数を順に書き出して、共通するものを1つ見つけます。2つ目以降は割る数の最小公倍数を加えていれば求めることができます。
7で割ったときの余りは6以下で、9で割ったときの余りは8以下であることに注目しましょう。余りの和が12になる組み合わせは限られているので、余りの組の各々について(2)と同様の作業を行えば正答に辿り着けます。初手が正しければ作業量はそれほど多くはなりませんが、余りの和の規則を見つけようとすると試験時間内では厳しかったと考えられます。
速さのダイヤグラム。ダイヤグラムから速さの比と時間の比が利用できるかがポイントです。(1)としては容易な方ではないですが、合格点に到達するためには(1)だけでも得点しておきたいです。
「追いこす」点であることに注意しましょう。(1)よりは少し見辛いですが、本質的には(1)と同様の作業を繰り返すものです。作業量は(1)と同程度です。
これも(1)・(2)と同様の作業を繰り返すものですが、(3)ということもあってとばした受験生も多かったかもしれません。とばした場合には後で必ず戻ってきたい問題です。
平面図形と比に関する問題。3㎝、4㎝、5㎝を見たら隣辺比の利用には気付きたいところです。正答率の高い落とせない問題です。
相似形を利用するということは受験生なら想像がつくはずです。相似形を探す際は、見た目で決めるのではなく角度に印をつけてみましょう。(3)・(4)は図が複雑で手が出し辛いことを考えると、(2)までは確実に得点しておきたいところです。
同じ角度から同じ長さが見つかれば計算の手間はあまりかかりませんが、限られた試験時間内では少々手強い問題でした。
今年の試験で最も難しい問題です。正答率は非常に低いため、合否に直接関わることはなかったと考えられます。試験中に手をつけるとすれば一番最後です。
条件を式に整理できれば、不定方程式であることには気付くことができるはずです。この不定方程式の裁き方が分かっているかどうかで大いに差のついた問題でした。詳しくは後述いたします。
(1)と少し条件が違うものの、同様に不定方程式の問題です。(1)と同じく解答欄から答えが1通りであることが分かっているので、多少の計算量には耐えて正解したい問題です。
場合の数。問題を読んだ時点で答えが書き出せる範囲にあるかどうかの判断ができれば、樹形図が選択できたはずです。そうでなくとも、初見の場合の数の問題に対しては調べるところからスタートする慎重さは必要です。
対称性の誘導はついているものの、試験時間内で確実に調べきるのは難しいと考えられます。とばしている問題や自信のない問題が残っている場合は、そちらを先に取り組む方が合格点により近付くことができます。
海城中学校の算数は例年、第一回入試の合格者平均が6割か少し上回る程度、受験者平均が5割前後と他の学校と比較して得点率が低い傾向があります。出題内容は、解法の決まったパターン問題の割合が少なく、既習の内容からの応用力を求められる問題が多く見られます。今年の難易度も例年並みであり、合格点も例年同様6割前後であったと予想されます。また、大問が6題、小問にすると17題と問題の構成も昨年からの大きな変更はなく、難易度・構成ともこの傾向が続いていくものと考えられます。
試験時間50分に対して問題数は決して多いとは言えませんが、一問一問の難易度・作業量を考えると時間に余裕があるわけではありません。計算・小問集合と各大問の(1)でしっかり得点していくような時間配分の工夫が必要です。解答用紙は答えのみを書く形式で途中の式・考え方で部分点を得ることはできないため、解法に自信がある問題については答えまで導出し切る意識が大切です。
大問1は計算と小問です。全体として低得点になるテストでは小問集合での得点は前提となってきますので、ここでの失点は最小限に留める必要があります。計算は工夫が求められるものや特殊な形のものが多く出題されていますが、今年に関しては手順通りに進めていく易しい計算でした。大問2以降は各々が小問2つから4つで構成されており、平面・立体図形の問題が高い割合を占めることが多く、内容も平易なものではありません。今年は大問1(3)の立体切断は易しかったものの、大問4の平面図形は見た目にも複雑で手をつけるのを躊躇した受験生も少なくなったはずです。
ここからは今年の試験から合否を分けた1題として大問5を取り上げます。問題文の条件を式に整理することは大半の受験生が出来たはずですが、そこからやみくもに数をあてはめた受験生と、不定方程式の適切な解法が身についていた受験生では得点と所要時間に大きな差がつきました。不定方程式は倍数または一の位に注目してあてはまる数の1組目を見つけることが大切です。今回の問題では問われていませんが、1組目が見つかれば最小公倍数を利用することで2組目以降は簡単に見つけることができるのも大切なポイントです。
また、(2)では値段と重さの2つの式をたちます。式が2つ、分からない数が3つのときは分からない数を1つ消してあげれば、2つの不定方程式になります。
(1) 問題文の条件を式に整理すると、
A B C
15×○+20×□+28×△=681
あとは○、□、△にあてはまる整数を探していきます。上述いたしましたが、(1)・(2)ともに解答欄から答えが1通りしかないと分かっているのは大きなヒントになります。今回は一の位に注目します。15×○+20×□の一の位は0または5なので、28×△の一の位は1または6です。さらに28×△は偶数であるので一の位が1になることはなく、一の位は6と分かります。このとき、△の一の位は2または7です。
(1)ではCを最も多くするので、△が最大となるときを探します。681÷28=24.3…となるので△は24以下、さらに一の位は2または7であるので△=22のときから調べていきます。
15×○+20×□+28×22=681
15×○+20×□=65
これにあてはまるのは○=3、□=1のときです。
よって、A3個 B1個 C22個
(2) 問題文の条件を式に整理すると、
A B C
15×○+20×□+28×△=681
15×○+55×□+45×△=1200
この上下の式を比べると、
35×□+17×△=519
と分かり、ここから□と△にあてはまる整数を探します。
(1)と同様に考えると、やはり△の一の位は2または7です。
△に一の位が2または7の数を順にあてはめていくと、
△=12のときだけ□=9と□にあてはまる整数が見つかります。
よって、A11個 B9個 C12個