1 | 問1 B 問2 B 問3 A 問4 B 問5 B 問6 B 問7 A 問8 B 問9 A 問10 B 問11 B 問12 B 問13 A 問14 A 問15 B |
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2 | 問1 A 問2 B 問3 A 問4 A 問5 A 問6 A 問7 A 問8 B 問9 A 問10 B 問11 A 問12 B 問13 ①A ②A |
3 | 問1(あ)A (い)A (う)A 問2 B 問3 A 問4 A 問5 B 問6 B 問7 A |
A…城北中学合格を目指すなら必ず得点したい問題
B…やや難しく差がつく問題
C…難問
2017年度の城北中学の社会は例年通り40分で大問3つの構成でした。[1]は地理、[2]は歴史、[3]は公民分野という出題も例年通りです。全体的に基本的知識を問う問題が中心ですが、70点満点の入試で合格者平均が例年7割を超えてくること、受験者平均との差が4~5点程度の差しかないことから考えても、社会が高得点入試であること、それゆえケアレスミスによる失点を限りなくゼロに近づけることが、合格の大きなポイントになります。地理では、資料から数値や順位などの数値を問う問題が目立ちます。日々の学習で目にするグラフや資料の数値には注意をして基礎知識を定着させましょう。歴史は、時代や人物の施策を識別させる問題が多いので、どの単語についても必ず「時代」「人物」「特徴」と関連づけて覚えることを意識しましょう。公民では「閣議」「可決」など、やや細かい用語を書かせる問題も出ています。範囲が狭い分、公民に登場する用語については、詳しく学習する意識を持ちましょう。
(地理)東京都の水源や森林・農業についての問題です。
石狩川は、流域面積が2位、川の長さは信濃川、利根川についで3位となります。
東京都の水源の2割は東京都と神奈川県の県境を流れる多摩川から確保しています。江戸川は利根川の支流ですので、利根川水系に含まれます。
流域面積が世界1位はアマゾン川になります。長さが1位のナイル川と区別しましょう。また、アマゾン川の河口とナイル川の水源は、ともに赤道付近にあることも押さえておきましょう。
大阪の雨温図は瀬戸内気候のため、降水量は東京よりも少なくなります。
日本の年間降水量は平均1700㎜です。東京都の年間降水量とほぼ同じになります。
森林は雨水を一気に排水することなく、土に蓄えゆっくり時間をかけて河川に流し出します。最近は
森林の破壊が増えたことで、洪水の被害が多くなっていることも押さえましょう。
森林は「水を貯えておく働き」があるため、「緑のダム」と呼ばれます。
日本の国土に占める山地の割合は約4分の3ですが、森林の占める割合は約3分の2となります。
日本の総発電量に対する水力発電の割合は約10%となります。原子力発電については25%程度の
割合でしたが、東日本大震災後には一時ほぼ0%(稼働ゼロ)となりました。
水力発電所は、山地の多い日本の地形の特徴を活かして山間部に多く作られています。
渥美半島にある豊川用水は天竜川から水を引いています。同じ愛知県の用水では、知多半島の愛知用水、
岡崎平野の明治用水も有名です。
愛知県は、キャベツの生産量が全国一となります。
近郊農業は大都市の近くで行う農業で、輸送費を安く抑えて新鮮な野菜を出荷できます。
問12のグラフで関東地方の県が上位を占めていることからも、近郊農業と判別できます。
筑後平野と佐賀平野を合わせた平野が筑紫平野です。古くから稲作が盛んであったこの地域では、クリークと呼ばれる用水路が網の目のように街中を活用して、農業を発達させてきたことも押さえましょう。
日本の水資源の用途は、7割近くが農業用水として利用されます。生活用水がこれに続くことを押さえましょう。
(歴史)各時代の歴史的事柄についての問題です。
坂上田村麻呂は、東北地方の蝦夷征討のため、桓武天皇より征夷大将軍に任じられました。
栃木県は律令体制下では下野(しもつけ)と呼ばれていました。、また、群馬県は上野(こうずけ)と呼ばれていたことから、現在でも群馬県は「上州」と呼ばれています。
鑑真は奈良時代の唐の高僧で、5度の渡航失敗や失明を乗り越えて、来日しました。鑑真が建てた
唐招提寺は、天平文化の代表的建築物です。
藤原氏は自分の娘を天皇と結婚させることで外戚関係を結び、摂関政治の全盛期を迎えました。
Aは935年の平将門の乱、Bは894年の菅原道真による遣唐使廃止、Cは武士で初めて太政大臣になった平清盛の政治ですので1167年となります。
書院造は室町時代の東山文化を代表する銀閣(慈照寺)の一階に取り入れられた建築様式で、障子や
たたみを取り入れたことで今日の和風建築のもとになりました。
東大寺は聖武天皇が奈良時代に平城京内に建てた寺で、現在の奈良市にあります。湯島聖堂は徳川綱吉によって建てられた孔子廟で、東京都文京区にあります。
Aは室町時代の東山文化、Bは鎌倉時代の鎌倉文化、Cは江戸時代の元禄文化になります。
北条早雲は「最初の戦国大名」とも呼ばれ、伊豆や小田原を手に入れました。石見銀山は島根県にありますので、北条早雲とは関係がありません。
豊臣秀吉はバテレン追放令を発布しましたが、南蛮貿易については推奨していました。
朱印船貿易は、江戸時代初期に東南アジアなどへ出向いて行った貿易のことで、渡航には「朱印状」が必要でした。その後、鎖国政策で日本人の海外渡航が禁止されると、この貿易も終わりを迎えました。
長崎貿易の利益を独占するため、幕府は長崎をすぐに直轄地(天領)にして、長崎奉行を配置しました。
享保の改革を行った8代将軍徳川吉宗は、「米将軍」と呼ばれています。施策の内容も、新田開発や年貢率の引き上げ、そして上米の制など米関連の施策が多いことを覚えておきましょう。
老中であった田沼意次は、株仲間を推奨して大商人から税を納めさせることで幕府の財政再建に取り組みました。また、手賀沼(千葉県)や印旛沼(千葉県)など干拓事業にも力を入れました。
(政治)内閣の仕組みやはたらきに関する問題。
(あ)内閣の意思決定のための会議は、閣議と呼ばれ全閣僚が参加します。(い)内閣が出す行政上の命令を政令と呼びます。(う)衆議院だけが持つ内閣不信任決議が国会で可決された場合、内閣は10日以内に衆議院を解散しない限り、総辞職する必要があります。
合否を分けた一題で解説します。
内閣総理大臣は必ず国会議員の中から選ばれることそして文民であることが必要です。内閣総理大臣を指名するのは国会ですが、任命するのは天皇となります。
国務大臣については、任命権者は内閣総理大臣となります。国務大臣については、その過半数は国会議員である必要があります。大臣の人数については14名を原則としますが、3名までは追加が可能です。
1.選挙や地方自治などの行政サービスやインターネットなどの情報通信分野は総務省の担当です。
2.気象は輸送などの交通や運輸との関係が深いため国土交通省が担当しています。
3.医療や福祉など社会保障全般については、厚生労働省の担当です。
4.経済産業省は、資源やエネルギー、貿易などの他にも、伝統工芸品なども担当しています。
「全体の奉仕者であり、一部の奉仕者ではない」とは、国家公務員は特定の人物や組織のために便宜を図ることなく、国民全体のために仕事をしなくてはいけないという意味になります。
特別国会は、衆議院議員総選挙後に内閣総理大臣を指名するために開かれる国会です。新たな首相を指名するため、前内閣は必ず総辞職する必要があります。
内閣の仕事内容についての正誤問題です。単問ですが正誤問題が6題出題されていますので、配点は6点となります。ここでしっかりと「6点満点」を取れる力がある生徒が合格に大きく近づいたと言えます。「紛らわしい単語」の識別については、「紛らわしくなる相手の単語」とセットで覚えることでポイントを押さえられます。この点を意識して取り組んでいくことが、合格に直結する力を養成します。
(ア)法律案の提出は、衆議院・参議院どちらからでも審議できます。(イ)予算案の提出は、必ず衆議院が先になります。「衆議院の優越」の項目をしっかり確認しておくことが大切です。(ウ)条約を「承認」するのは国会ですが、「締結」するのは内閣の仕事です。用語での識別をしっかり行えるよう整理しておきましょう。(エ)憲法改正の発議とは、憲法改正案を議決することです。これは、国会の仕事となり、衆議院・参議院の3分の2以上の賛成で国民投票を行う手続きへ進みます。法律案は内閣または国会議員が発議できますので、しっかり区別できるようにしておきましょう。(オ)最高裁判所長官の「任命」は天皇となります。内閣が行うのは「指名」です。(カ)天皇の国事行為への助言と承認は、内閣の仕事となります。