女子学院中学の社会はそれほど易しくはありません。しかし、べつに難問奇問があるというわけでもありません。出題形式は典型的な客観問題なのですが、易しくはないというところに女子学院中学の社会の特徴、ひいては女子学院中学の中学入試に対するスタンスがあるように思われます。それは、また、入試での社会の配点やウェートにも表れています。理科・社会が、国語や算数と同じ配点、同じ制限時間であるという点に女子学院中学の求める学生像もうかがえます。
女子学院中学は、女子御三家の中でもっとも「自由な学風」といわれています。しかし、その入試は、客観的であり、非常にオーソドックスな問題を地理・歴史・公民の3つの分野から出題します。「自由」に発想したり、「自由」に発言したりするためには、そのバックボーンとしてしっかりとした「型」を身につける必要があるのです。つまり、自由のためには絶対的な基準となる基礎知識が必要なのです。
女子学院中が入学試験で求める客観的な基礎知識は入学後の「自由な学風」の大前提なのです。
「自由」を保証するための「客観」。
「客観」に裏打ちされた「自由」。
女子学院が皆から憧れをもってJGと呼ばれるその原点は、この客観的だが易しくない中学入試にあるような気がします。
したがって、GJ受験生に求められる社会の力は、しっかりとした基礎知識、これに尽きるのです。