よく「図形を見る目がない」「図形のセンスがない」と嘆く生徒がいますが、決してそうではありません。ほとんどの場合が、「探すべきものがわかっていないので、いくら図形を眺めても着眼点がつかめない」だけです。図形を苦手とする生徒は、“図形を見るときの視点”つまり「何を探せばよいか」を教えて叩き込むことで、これまでとは図形の見方が明らかに変わります。
まず、JGでは出題頻度の高い、角度の問題についてです。中学受験で狙われる角度は①外角の定理、②平行線の錯角、③正三角形及び二等辺三角形、の3つにほぼ集約されます。そのうち、JGでは③の出題が多いので、求角問題では図の中に潜む正三角形及び二等辺三角形を探す意識が大切です。まずはどこの塾のテキストにも載っているような典型問題で、長さの等しい辺に印をつける、大きさの等しい角に印をつけるといった基本的な作業を習慣づけます。その後、補助線を引く、図形の一部を切り離して別の部分にくっつける、といったJG頻出パターンの問題演習を続けてもらいます。
次に、相似と比の問題についてです。中学受験で狙われる平面図形と比の問題は、算数の全分野の中で最も別解が多いと言えますが、実は10個の基本図形と8種類の解法ツールでほぼカバーできます。JGでは難易度の高い問題は皆無ですから、この10個の基本図形を探す意識を持ち、8種類の解法ツールを使いこなせるよう、練習あるのみです。問題ごとに複数の解法を試しつつ、最短距離で答えに到達するにはどの解法が最適かを見極めていきましょう。
最後に、複合図形の問題についてです。前述の「見通しは良いが正解に至るまでの処理量が多い問題」で挙げた円周率計算が絡む問題以外は、補助線・等積移動・等積変形によって求めやすくなるタイプが多く見られます。そのことを常に意識して図形を見るように心掛ければ、あとはただの計算問題です。
以上の“図形を見るときの視点”を叩き込み、生徒のレベルに応じて必要な演習量をこなしてもらうことで、JGの平面図形は攻略可能になります。出題数が多いということは、そこで点数が稼げるということ。得点源にしていきましょう。