9月以降の学習は、あれもこれもとやるべきことの多さに振り回されないようにしましょう。①JG日特、②過去問演習、③通常授業の復習、④日能研から配布される弱点補強用の家庭学習プリント、⑤東京出版『プラスワン問題集』、の優先順位で進めることになります。
①2009年のJG日特は、巣鴨校での開講で、夏休み中からスタートしました。本番と同じ形式でのテスト演習と出題傾向に沿った問題演習の2本立てになります。40分でのテスト演習では、各自に合わせた時間配分の基準を私が提案するので、それを実践する場です。1回分終えるごとに、時間配分は適切だったか、解法に抜けがなかったか等をチェックして反省点を洗い出し、次回のテスト演習につなげていきましょう。また、テキスト収録の「補充問題」の題数はさほど多くはないので、(1)個々のレベルに合わせて設定した制限時間内で、テキストの全ての問題を解き切れるようにし、(2)テキスト以外の問題を利用して、頻出分野の演習量を増やすようにします。
②過去問演習は日特のテスト演習と同様の取り組み方をして下さい。最低でも10年分は実施します。“求め方”の添削をし、注意点・修正点をアドバイスしていきます。
なお、過去問の2回転目の取り組み方は生徒によって異なります。JG日特を受講している生徒の場合は、2回転目で全セットに取り組む必要性はあまり感じられません。生徒個々に応じて指示を出していきます。
11月ないし12月から併願校の過去問にも順次目を向けていきましょう。
③最上位クラスの通常授業での使用テキストは『合格力完成教室 難問』になります。冒頭の「例題」とその解説は重要です。「知識・技術重点問題」は完璧にしておくこと。ここの問題の解法が瞬時に出てこないようでは厳しいでしょう。「運用力重点問題」は必要な問題が3割程度です。女子校と一部の共学校の問題に絞って取り組んでもらいます。
それ以外のクラスは『合格力完成教室』を使用します。収録されている問題は、解けて当然のものばかりです。特に「練成問題」は1問1分30秒を目安にスピード練習の素材として取り組みましょう。
どの塾でも6年生の7月までで入試範囲の学習を一通り終えますが、日能研では9月に新出単元のニュートン算がカリキュラムに組み込まれています。SAPIXでは5年生1月に、四谷大塚では6年生5月に学習済みですが、苦手意識を持つ生徒が案外いる単元です。JGでは1995年度にジェットコースターの乗り降りを題材に出題されたことがあります。日能研のテキストに収録されているニュートン算の問題数は少ないので、別途補うようにして、解法を定着させます。
直前期には『合格力ファイナル 難問』または『合格力ファイナル』を使用します。前者であれば深入りは不要、後者であれば解法定着の最終チェックに利用しましょう。
④9月以降、これまでのテストの正答率と志望校の出題傾向を照らし合わせて、生徒の弱点補強用の家庭学習プリントが配布されます。JG志望者なら解けて当然といったレベルの一行問題中心のプリントになります。ここで各自の苦手分野を埋めておきましょう。
⑤東京出版『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転した生徒は、9月から2回転目に入ります。1回転目は時間不問ですが、2回転目は制限時間を設定します。10月末までに2回転目を終了させ、冬休みに入るまでに3回転目を終了させましょう。3回転目は2回転目で×だった問題のみで構いません。
夏休み中に取り組めなかった場合には、9月からスタートさせ、冬休みに入るまでに2回転目まで終了させましょう。
①合格力育成カリテ、②合格力育成テスト、③センター模試、④256テスト、と毎週何らかのテストが実施されます。
①・③については6年生前期と同じ考え方で良いでしょう。応用の出題レベルは前期より更に高くなります。
②については、最上位クラス用はかなりの難問が出題されるので得点を気にしないこと。必要な問題だけ正答率を気にして下さい。それ以外のクラス用は、解き直しが必須です。
④については、JG志望者ならBタイプのテストが望ましいでしょう。もしAタイプのテストになった場合には、冒頭の一行問題群にも難問が潜んでいて、中盤以降の大問は桜蔭中志望者以外の女子にとっては目が点になる重量級問題揃いです。自分の解けそうな問題を選んで点数を取りに行くという姿勢で臨みましょう。
日能研のテストに関するデメリットは、学校別模試が存在しないという点です。JG日特のクラス分けテストしか指標がなく、日能研内の志望者順位だけで合格可能性を判断するのは危険です。日程の都合上、他塾の模試を受けるのは難しいはず。それでも、授業を休む、カリテを代替受験にするといった方法で、他塾の学校別模試を受けるようにして下さい。もっと大きなJG志望の母集団内で各自がどれくらいの位置にいるのか客観的に把握できるでしょう。
なお、各塾の学校別模試の特徴は「時期別学習法 6年生後半」を参照して下さい。