[1] | 1)A (2)A (3)アA イA (4)A (5)A・A・A (6)A~B・A~B |
---|---|
[2] | (1)A (2)A |
[3] | A・A |
[4] | (1)A・A (2)A~B |
[5] | (1)A (2)A |
[6] | (1)A (2)A・A (3)A/td> |
A:JG合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、3分以内に解き切る腕力がなければ一旦とばすべき問題
1枚目は例年通りの小問集合。
順算の計算問題。特段工夫は必要ありません。いたって普通の計算です。
円周の12等分点を利用した面積の問題。「円の中心と円周上の点を結ぶ」という補助線の引き方の定石が身についていれば、2つの四分円と2つの直角二等辺三角形に分けることができたはずです。
昨年度も出題された、正六角形の分割。
与えられた正六角形の1辺を2としたとき、正六角形全体を「1辺を1とする正三角形」に分けてみましょう。全体が正三角形24個分、アが5個分になるので、アの面積は全体のとわかります。
角出しを利用するなら、それぞれの面積は、角出ししてできた正三角形が4、アが9-4=5、正六角形が4☓6=24となるので、アの面積はやはり全体のとわかります。
イの面積は、全体からア3個分を除いた残りの正三角形のになります
アの面積、イの面積、ともに、正六角形の分割としては平易な問題です。
平行線にはさまれた等高図形の面積比と底辺比に関する問題。どの塾のテキストでも、例題レベルとして扱われるものです。
4問続いた平面図形の小問。最後はJG頻出の角度問題で、受験生にはおなじみの正五角形と正三角形の組み合わせ図形です。底角36度の二等辺三角形を利用すれば、ア、イ、ウすべての解き方の方針が定まります。JGの角度としては易しく、3つとも完答したい問題です。
問題用紙1枚目の最後の問題は、数学でいうところの不等式にあたる問題。
後ほど詳しく解説します。
2枚目は大問[2]~[4]。
2つの列車の追いこしとすれ違いの問題。
列車どうしの追いこしとすれ違いではなく、列車に乗っている人と列車の追いこしとすれ違いなので少々注意すべき点がありますが、JGを目指す受験生にとっては典型題の範疇です。
なお、今年度、「求め方」を要求された問題はこの大問[2]だけで、あとはすべて空欄補充の問題です。
設問(1)は、列車Aに座っているJさんが列車Bに追いついてから追いこすまでにかかる時間(12秒)が与えられています。
「距離÷速さ=時間」の「速さ」にあたるのが「AとBの速さの差」であることは問題ないかと思いますが、「距離」にあたるのが「Bの長さ」であることに注意しましょう。
設問(2)は列車Bに座っているGさんが列車Aと出会ってからすれ違うまでにかかる時間を求める問題です。
設問(1)と同様に、「距離÷速さ=時間」の「速さ」にあたるのが「AとBの速さの和」であることは問題ないかと思いますが、「距離」にあたるのが「Aの長さ」であることに注意しましょう。
規則性の問題と位置付けましたが、複数の解答方針が考えられます。
59と22の目もりが重なっている状態から、左側の数字の組合せを順に書き出していくと、(58,23)(57,24)(56,25)・・・。
ざっと考えられる解答方針は以下の3つ。
①はじめの差が37で、2ずつ差が縮まっていくので、差が13になるのは(37-13)÷2=12回縮まったとき、つまり、59-12=47の目もりのとき。47-13=34で、組合せは(34,47)。
②和が81になることに気づいたのであれば、和が81、差が13で、和差算に持ち込めばOK.。
③このまま書き出して、差が13になる組合せを見つけてもOK。
どの解答方針をとったとしても、あっさり正答にたどりつける大問です。
変則時計の問題です。
変則時計というテーマ自体は、開成中、早稲田実業中といった、男子校や共学校での出題が多いという傾向があります。これまで同様の問題を解いた経験があった受験生は、落ち着いて取り組めたのではないでしょうか。
とはいえ、変則時計としては易しい大問です。普通の時計算の仕組みが理解できていることが前提で、この変則時計のルールをしっかり読み取ることができれば、完答できたはずです。
設問(1)は、短針が1周(=6時間)と5時間ちょっとなので、11時□分で確定。長針が4の位置にあるので40分。よって、11時40分とわかります。
設問(2)は、午後1時の状態から考えましょう。午後1時のとき、短針は1の位置、長針は6の位置にあり、60度離れています。普通の時計のときは30度なので、うっかり間違えないように。
短針の速さは360÷360=1度/分、長針の速さは360÷60=6度/分。
長針と短針の作る角が180度になるのは、長針が短針より60+180=240度多く動いたときなので、240÷(6-1)=48分より、午後1時48分とわかります。
3枚目は大問[5][6]。
設問(1)、設問(2)ともに、売買損益の典型題です。
設問(1)は、仕入れ値を1と設定すると、利益が0.1にあたるので、0.1=38円より、1=380円。
設問(2)は、問題文を読んだ瞬間につるかめ算とわかったはず。利益だけのつるかめでもよし、売上のつるかめでもよし。利益だけの方が数値が小さくなるので、少しだけ計算がラクになります。
トリを飾る大問ですが、拍子抜けするくらい易しい問題です。
設問(1)は一見すると判断に時間がかかる問題のように思えますが、実はあっさり判断できます。与えられたグラフの折れ曲がったところの「水面の高さ」が20cm、60cm、80cmであることから、積んだブロックの高さが20cm、60cm、80cmになっている○えが答え。
設問(2)は正面図を描き、底面積、高さ、時間を書き込むことで処理できます。
0~3分後までと3~13分後を比べて、底面積の比が(3分÷20cm):(10分÷40cm)=3:5となり、その差が400㎠であることから、底面積は1800㎠とわかります。
水を入れ始めてから3分後までに入った水の量が600㎠☓20cm=12000㎤より、1分間に入れる水の量は12000㎠÷3分=4000㎤。
設問(3)は水量を求めてもよし、正面図で比を利用して考えてもよし。どちらも処理量に大きな差はありません。
後者で解くなら、0~3分後までと13~○A分後までを比べると、高さは同じ、底面積の比が3:7より、かかった時間の比も3:7になるので、13~○A分後までは7分間。よって、○A=13+7=20とわかります。
まずは、JGの算数を分析するうえで欠かせない総設問数ですが、2014年度が31、2015年度が24、2016年度が25、そして2017年度が22(解答箇所24)。ここ数年、例年より総設問数が少なめのセットが続いていますが、今年度は特に少ないのが特徴です。
そして、特筆すべきは、難易度。とにかく易しすぎるくらい易しい。少なくとも、直近10年間の入試において、最も易しい年度であることは確かです。
「標準的なJGらしい問題」よりもさらに易しい問題が並ぶ一方で、難易度高めの問題が散見されたのが昨年度のセット。
今年度は、「標準的なJGらしい問題」よりもさらに易しい問題が並ぶセット。ひっかかる要素のある問題もほとんど見当たらず、ひたすら“解きやすい”という印象しかありません。冒頭の【難易度分類】について、一部A~Bをつけた問題がありますが、例年と比べればすべてAとしてもおかしくないでしょう。
いつもなら「時間配分と問題の取捨選択」が合否の分かれ目になるのですが、今年度は制限時間内に十分処理できる難易度と分量のセットであったことから、満点に近い勝負といっても過言ではありません。
万が一そのようなセットが出たときの合否の分かれ目が「ミスの有無」であることは、JG志望者であれば散々聞かされていた注意点です。
今年の算数は易しいと気づいた瞬間から、いつも以上にミス防止にアンテナを張って解くことができたか、これが合否の分かれ目だったのではないでしょうか。
前述のように、ひっかかる要素のある問題がほとんどないため、計算ミス、問題文の読みとばし、自分勝手な思い込み、といったミスがなければ、というところです。
ミスが出やすい問題を敢えて挙げるとすれば、各問題用紙の最後に配置されている、大問[1](6)不等式、大問[4]変則時計、大問[6]水量変化とグラフ。
・大問[1](6)は、一般的に範囲を問うものを苦手とする受験生が多い
・大問[4]は、変則時計が初見の受験生(そう多くはないはずですが)が慌てたかもしれない
・大問[6]は、設問(1)を間違えると、連鎖的に設問(2)(3)を落とすことになる
このうち、2017年度の合否を分けた一題として、大問[1](6)を取り上げます。
[1](6)
■「A1個はB1個より270円高い」
⇒ A☓1=B☓1+270円
■「おこづかいでAを4個買うと300円余る」
⇒ A☓4+300円
= B☓4+1080円+300円
= B☓4+1380円 ・・・ おこづかい
■おこづかいで「Bは6個は買える」
⇒ B☓2 は1380円以内なので
B=1380÷2=690円以下
■おこづかいで「Bは7個は買えない」
⇒ B☓3 は1380円より高いので
B=1380÷3=460円より高い
よって、 460円より高く 690円以下
「~より高い」「~以下」という部分で迷いが生じたのであれば、出てきた数値で確かめの計算を行い、問題条件に合致しているか確認してみてください。その習慣がミス防止につながります。