[1] | (1)A (2)A・C (3)A・A (4)アA イA (5)B (6)アA イA ウA エA |
---|---|
[2] | A |
[3] | A・B |
[4] | A・B |
[5] | B・B・B・B・B |
[6] | 問題不成立 |
A…JG合格を目指すなら必ず得点したい問題
B…着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C…難易度や処理量から判断して、3分以内に解き切る腕力がなければ一旦とばすべき問題
1枚目は例年通りの小問集合。
逆算の計算問題。特段工夫もいらない、普通の計算です。
解答箇所が2つあります。
1つ目の解答箇所については約束記号のルールに従って計算するだけです。
2つ目の解答箇所で手が止まった受験生が多かったのでは。数の性質について理解度が問われる難易度高めの設問で、桜蔭やフェリスでの出題に近いものがあります。JGでこれが1枚目の冒頭に設置されると厳しいでしょう。解き切るにしろ、途中で見切ってとばすにしろ、ここにどれだけ時間を費やしたかによって、そのあとの時間配分に影響が出たように思います。
ダイヤグラムではなく、直線上の進行図で事足りる、易しい速さの問題です。
解答箇所が2つありますが、いずれも速さを求める設問。14分間で走った距離が1050m、12分間で走った距離が1350m、であることを正しくおさえましょう。
JGでは頻出の求角問題。複数の二等辺三角形を利用して、丁寧に角度を求めていけば、アもイも正答にたどりつきます。例年に比べて非常に素直で易しい問題です。
4枚の長方形のうち、1枚目と4枚目だけを見れば解けます。結局、たて28cm、横36cmの長方形の周りの長さと等しくなるのですが、どこに着目したかで所要時間に差がついたかもしれません。
易しい典型題です。正六角形の代表的な分割方法をおさえていれば、1分程度でア~エの4問を一気に処理できます。
2枚目は大問[2]~[4]。
こちらも典型題。作図と円周率をまとめた計算、いずれもミスなく行いたいところです。
作図をすればわかりますが、組み合わせると半径が10cm、20cm、30cmで中心角がいずれも162度のおうぎ形が3つできます。
解答箇所が2つあります。
1つ目はかかる時間を計算するだけ。
2つ目は差がつく設問です。このタイプの問題を解くにあたって、「周期を利用してあたりをつけ、最後の部分を細かく見ていく」という定石が身に着いているかどうかがカギです。
1.2と1.3の最小公倍数15.6分でBは13個、Cは12個作るので、
2016個÷(13+12)個=80周期 余り16個
残り16個をBとCがどのように作るか、丁寧に確認していきます。
Bが8個目を作るのは1.2×8=9.6分後、9個目を作るのは1.2×9=10.8分後
Cが8個目を作るのは1.3×8=10.4分後
よって、最後の16個目を作るのはCとわかります。
正面から見た図、つまり台形ABCDだけを見て考えます。
解答箇所が2つありますが、1つ目は容器を45度傾けたときの水面を正しく作図できれば大丈夫でしょう。台形ABCDの頂点Aから辺DCと平行な直線を辺BCとぶつかるようにひけば、それが水面となります。
2つ目は解答方針の立て方次第で差がつく設問です。最短距離の解法は、台形ABCDの辺ABと辺DCをそれぞれ延長しぶつけて、全体を直角二等辺三角形にするやり方でしょう。水面を1辺とする直角二等辺三角形の面積が32㎠になることから、水面が8cmとわかります。
3枚目は大問[5][6]。
このあと詳しく解説します。
着眼点がつかみにくい大問です。解答箇所が2つあり、1つ目の解答箇所で既に解答方針が立たなかった受験生が多かったことでしょう。
2つの平均の面積図をかき、60分以上の人数を①人とすると、(27-24)×(25-①)+(65-58)×①=(58-27)×5 という式が成り立ち、①=20人とわかります。
この1つ目の解答箇所がクリアできれば2つ目もあっさり解けます。
ところが、念のために平均時間がわかっていない50分以上60分未満の生徒の平均時間を求めてみると、
(27分×10人-24分×5人)÷5人=30分
となってしまいます。50分以上60分未満の生徒の平均は、当然50分以上60分未満になるはずです。30分になるのはおかしいですね。
残念ながら、大問[6]は問題不成立となりました。
まずは、JGの算数を分析するうえで欠かせない総設問数ですが、2014年度が31、2015年度が24、そして2016年度が25と、今年度は例年より少なめです。
とはいえ、解答箇所1つあたり1分36秒でこなしていく必要がある入試問題ですから、相応の処理速度が求められていることに変わりはありません。
出題の難易度についてはどうだったのでしょうか。
2015年度はサンデーショックだったため、JGらしくない大問[6]は明らかに桜蔭志望者向きで、JG対策だけを積んできた受験生にとっては厳しい出題でした。
2016年度はいつものJGに戻り、高難度の出題はないかと思いきや、さにあらず。「標準的なJGらしい問題」よりもさらに易しい問題が並ぶ一方で、難易度高めの問題が散見されます。
このように、易化と難化が両極端で、受験生にとって解きやすい問題と解きにくい問題がはっきりしているのが2016年度の算数の特徴です。
後者にあたるのが[1](2)2つ目の解答箇所、[3]2つ目の解答箇所、[5]、[6]です。この解きにくい問題群のうち、[1](2)2つ目の解答箇所、[3]2つ目の解答箇所については「とばす」という選択をしやすいのですが、大問[5]、[6]をまるまる「とばす」わけにはいかないでしょう。この大問[5]、[6]にどう時間を配分したかが合否の分かれ目です。
ミスしやすいところに注意しながら丁寧に処理すれば正答にたどりつける[5]
着眼点がつかみにくいため解答方針を立てにくい[6]
この2つを比べると、[5]に時間をかけた受験生が多かったのではないでしょうか。結果として大問[6]が問題不成立で全員加点となったことからも、大問[5]の解答箇所5つのうちどれだけ拾えたかで勝負がついたと思われます。
では、2016年度の合否を分けた一題として、その大問[5]を取り上げます。
現行のカレンダーと異なる点を明確にしておきましょう。
・1週間は8日間(日曜日と月曜日の間に天曜日が加わる)
・1年は10か月(1月~10月)
・1か月は37日と36日(奇数月37日、偶数月36日)
・うるう年だと2月37日が存在する
2026年1月1日が木曜日
このあと、各月の1日が何曜日になるか調べます。
37日÷8日=4週間 余り5日
36日÷8日=4週間 余り4日
以上より奇数月だと5つ曜日がずれ、偶数月だと4つ曜日がずれます。
よって2026年については
1月1日 木
2月1日 月
3月1日 金
4月1日 火
5月1日 土
6月1日 水
7月1日 日
8月1日 木 → 2026年8月
9月1日 天
10月1日 金
木曜日以外の同じ曜日から始まる月は、金曜日から始まる3月と10月
■2027年1月1日の曜日について
2026年10月1日金曜日から4つずれて 月曜日
■2028年3月1日の曜日について
まず、2028年1月1日の曜日を考えましょう。
2026年1月1日木曜日→2027年1月1日月曜日、から1年後の曜日は5つずれるので
2027年1月1日月曜日→2028年1月1日土曜日
よって、2028年2月1日は水曜日、3月1日はうるう年で5つずれるので天曜日
■現行カレンダーの2028年11月25日について
J子さんのカレンダーの1年間の日数を計算すると、(37日+36日)×5か月=365日
つまり、1年間の日数は現行カレンダーと同様ということがわかります。
よって、現行カレンダーの2028年12月31日は
J子さんのカレンダーでは2028年10月36日となります。
現行カレンダーの2028年11月25日から考えて12月31日は (30-25)+31=36日後
J子さんのカレンダーの2028年10月36日から考えて36日前は9月37日