[1](1)A (2)ア~エすべてA (3)アA イB (4)A (5)C
[2]B
[3](1)B (2)B
[4](1)A (2)A (3)A
[5](1)A , A (2)A
[6]A , B
[7](1)A (2)A
[8](1)A (2)B
A:JG合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、3分以内に解き切る腕力がなければ一旦とばすべき問題
2009年度はサンデーショックで桜蔭中との併願者を見越してか、過去10年間では最も高難度の入試問題セットでした。2010年度は学校説明会での「来年は今年より易しくします」との宣言通り、問題そのものの難易度という点では確かに2009年度と比べてかなり押さえてあります。しかし、“時間配分を誤りやすい問題配置の仕方”になっていて、時間内に実力を発揮しきれなかった受験生が多かったことでしょう。
B4用紙3枚のうち、1枚目には昨年度を除き例年軽めの問題が並び、10分弱を目安に仕上げていきます。ところが、2010年度は1枚目に
[1](3)イ:JG定番の正三角形発見がカギ、でも今年は少々発見しにくい角度の問題
[1](5):JG志望者にはあまり馴染みのない不定方程式
[2]:時間をかければ誰でも解ける、低学年用の思考力問題として扱いたい推理の問題
が配置されており、この3問にどれだけ時間を割いたかが、合否に大きく影響を及ぼしたようです。
2枚目には「見通しは良いが正解に至るまでの処理量が多い問題」である[4](1)(2)、3枚目には、3枚目としては軽すぎるくらいの大問3つ[6]・[7]・[8]が配置されているため、2・3枚目に十分な時間が確保できれば得点しやすい入試問題のセットでした。特に最後の大問[8]はSAPIXのテキストで何回も登場した問題なので、SAPIX生はここを美味しく得点でき、精神的に優位に立てたはずです。
では、多くの受験生の時間配分を誤らせた1枚目の3問のうち、ここでは[1](5)を取り上げます。
桜蔭中では頻出の不定方程式ですが、JGではあまり馴染みがありません。2004年度のトリを飾った[5](1)(2)以来の出題です。2004年度[5]は(1)の誘導により、37の倍数になるというヒントに気付けば(2)も解けるという、配慮ある問題でした。
しかし、今回はその手の誘導がありません。さらに、式の作り方次第では処理しにくい形になってしまうため、「ここから先はどうやればいいの?」と詰まってしまう危険性が高いと言えます。
ひとまず、プリンの人数を□人、ジュースの人数を△人として式を作ると
320×( 13-□ ) + 210×□ + 70×△ + 120×( 13-△ ) = 4790
4160 - 320×□ + 210×□ + 1560 + 70×△ - 120×△ = 4790
5720 - 110×□ - 50×△ = 4790
110×□ + 50×△ = 930
11×□ + 5×△ = 93 ・・・※
「 5×△ 」は5の倍数なので、一の位の数は0か5
すると「 11×□ 」の一の位の数は3か8
よって、□ = 3または8
※の式までたどり着くことができれば、答えは求められるはずです。しかし、数学で言うところの“式の移項”を学習しない小学生にとって、自力で※まで式を展開するのは厳しいでしょう。式で処理をするのであれば、移項を伴わない形にしたいところです。