Ⅰ | 1(1) A (2) A (3) A (4)A2(1) A (2) A (3) A (4)B (5) A |
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Ⅱ | 1(1) B (2) A (3) B (4) A (5) B (6) A (7) A2(1) A (2) A (3) A |
Ⅲ | 1 A 2 A 3 A 4 A 5 B 6(1) A (2) A |
Ⅳ | 1 A 2 A 3 B 4 A 5 A 6 B 7 B 8 B |
A…女子学院中合格のためには、必ず正解しておきたい問題
B…合格者と不合格者の間で、得点率に差がついたと思われる問題
C…合格レベルの受験生にも難しく、あまり差がつかなかったと思われる問題
例年と同様、大問4題の構成です。
解答箇所の数は49と、例年よりやや少なめですが、テンポ良く処理していくスピードが必要となるのは変わりません。
うち、計算問題が5題、用語記述が2題、短文記述が2題とほぼ例年通りの量で、難度も標準的でした。作図で解答する設問が1題ありましたが、こちらは思考力が要求されました。
問題全体の冒頭部分にのみ「選択肢の問題の答が複数ある場合は、すべて答えなさい」という注意書きがあり、個々の設問には「すべて答えなさい」と書いてはありません。設問内容によっては、複数解答があり得ることをつい忘れてしまいがちなこともあり、充分な注意と練習が必要です。
コイルの性質とモーターの仕組みに関する出題です。ほぼ基本から標準的な難度に収まった内容でした。
電流計の読み方についての基本的な出題です。-端子として使った端子に記された電流の値を、目盛りの右端の値として読みます。
コイルの巻き数を変えるときにも、各コイルのエナメル線の長さは同じになるようにします。これは、コイルの電気抵抗をすべて同じにするためです。
電磁石AとBを比較することで、巻き数の多い方が強い電磁石になることが分かり、AとCを比較することで、同じ巻き数ならばエナメル線を巻いてある部分の長さが短い方が強い電磁石になることが分かります。
この2点を簡潔に答案に盛り込みましょう。
AとDの比較から、エナメル線の長さが短い方が強い電磁石になり、AとEの比較から鉄心の太い方が強い電磁石になることが分かります。
示された実験にはありませんが、選択肢カのように直列につなぐ電池の数を増やすと流れる電流が増えるので、電磁石は強くなります。
コイルに流れる電流の向きから判断することもできますが、問題文中に「方位磁針の針が振れて」「N極が西を指した」という記述があるので、そこから容易に求められます。
①
電池を直列に増やしても、電流の大きさは変化しますが磁極に影響はありません。
②
電池をつなぐ向きを変えると電流の向きが変化するので、磁極も当然逆になります。
図2との比較で、図3のa側はS極になっていることが分かります。電磁石のS極と棒磁石のN極が引き合うことを考えれば、電磁石は反時計まわりに回転します。
仮に、電流の向きを変えないでいると、棒磁石の極と電磁石の極が引き合い、図4で電磁石が一の字のように横に位置した状態で停止してしまいます。したがって、一の字のようになった瞬間に電流の向きを変えれば、引き合う状態から反発する状態に変わって、回転が続くことが分かります。
テスト冒頭にある注意書きのように、選択肢の問題では複数解答があることに注意しましょう。
(3)と同様、図2との比較やコイルに流れる電流の向きから磁極を判断するのは、JG受験生にとっては大変基本的なはずです。磁極を正しく求められていれば、極どうしの引き合いや反発を考えて回転の向きも容易に分かります。
国際宇宙ステーション(ISS)と気象衛星ひまわりを題材とした出題でした。前半のISSに関する出題部分に関しては、計算力や思考力が要求される内容となりました。
地球の半径6350kmにISSの高度約400kmを加えた約6750kmが、ISSの周回軌道の半径です。1周の長さは6750km×2×3.14=42390kmで、これを時速約28000kmで周回しているので、1周にかかる時間は42390÷28000=1.51…(時間)より、約90分ほどであることが分かります。
合格レベルの受験生にとって難しい問題ではありませんが、ここを落とすと以後の問題も連鎖的に間違えかねず、差がつく原因となった設問だと思われます。
図1にもあるように地球は西から東に自転しているので、ISSが1周する間にISSから見た地球は東にずれています。逆に地上からの視点では、ISSの方が西にずれたように見えます。
③
90分で地球が自転する角度を求めます。90分は1日(1440分)の1/16にあたるので、360×1/16=22.5°です。
④
1周回あたり1/16ずつずれていくので、16周回で元の地点の上空に戻ることになります。
⑤
ISSが16周回にかかる時間は90分×16=1440分、すなわち1日後です。
図2から、ISSの軌道は概ね北緯52~3°より北と、南緯52~3°より南の地点の上空は通らないことが分かります。
合否を分けた一題として後述します。
ISSは約90分で地球を1周しているのに対し、星座をつくる星は地球の自転によって約24時間で1周するように見えます。
よって、地上から見ると、ISSは星座をつくる星よりもはるかに速く動いて見えます。
ISSにある日本の宇宙実験棟の名は「きぼう」です。
ひまわりが常に東経140°の赤道上空にあるのは、地球の自転と同じように周回しているからです。
「赤道上を」「西から東に」「24時間で1周」の3要素を盛り込んだ答案をつくりましょう。
常に日本の南の赤道上空にあるのですから、昼夜問わず日本の南の空に位置していることになります。
①日本全域にわたってほぼ雲がなく、晴れているのが分かります。太平洋高気圧の影響が強い夏の画像です。
②北西の季節風が吹く冬に特徴的な筋状の雲が確認できます。
③北海道から東北をおおう雲は、春や秋に特徴的な温帯低気圧によるものです。
トノサマバッタの生態に関する知識と、実験のデータ分析を合わせた出題です。4以降の分析については、決して難しくありませんが処理速度や精度で一定の差がついたことと思われます。
トノサマバッタは「卵→幼虫→成虫」と不完全変態で育つ昆虫です。完全変態の昆虫とは異なり、幼虫と成虫で食べ物は同じで体のつくりも似ています。
トノサマバッタと異なる育ち方、すなわち「さなぎ」を経て完全変態を行う昆虫を選びます。
バッタのメスは、腹部にある産卵管を土の中にさし込んで卵を産みます。
リード文に「群生相は孤独相と比べ、E/F値が大きく、F/C値は小さい。」とあります。このことから、Fの値が同一ならば、群生相は孤独相よりもEの値もCの値も大きくなっていることが分かります。
ア…図3から単独飼育の方が集団飼育よりもF/C値が大きくなっていることが分かります。
イ…図2より、「ふ化時の体重の平均値が最も大きい幼虫グループ」とは体色5のグループです。図3を見ると、体色5のグループについて単独飼育でのF/C値は3.7弱なのに対して集団飼育では3.5強と、半分以下にはなっていません。
ウ…図3において、体色5の単独飼育でのF/C値と体色1の集団飼育でのF/C値を比べます。グラフを見ると、体色5の単独飼育の方がわずかに大きくなっていて、群生相的ではなく孤独相的であることが分かります。
エ…リード文より「群生相的」とはF/C値が小さいことです。図3から、体重の平均値が大きなグループほど、F/C値が小さくなっていることが読み取れます。
オ…図3から、集団飼育の方が単独飼育よりもF/C値が小さい、すなわち群生相的であることが読み取れます。
カ…F/C値は幼虫の体色のほか、単独飼育・集団飼育という飼育条件にも大きな影響を受けることが分かります。
①~③ともに容易ですが、複数解答があり得ることには注意が必要です。
高い割合になっている2本のグラフでは「接触」の刺激があり、低い割合の2本では「接触」の刺激がないことが読み取れます。
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和に関する出題でした。JG受験生にとっては標準的な内容が中心となりました。
塩酸や水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウムを加えたときに発生する気体は水素です。大変基本的な知識で、絶対に落とせません。
水素は無色無臭の気体で、燃えると水が出来ます。空気中にはほとんど含まれません。
表中のアルミニウムの重さが0.1~0.5gの間は、アルミニウムの重さと発生した水素の体積が比例していますが、0.75gになると比例関係がくずれています。このときアルミニウムは余っていて、発生した819㎤の水素が、30㎤の塩酸Aから発生する限度の量です。
819㎤の水素を発生させるのに必要なアルミニウムの重さは、0.1g×819㎤/130㎤=0.63gと求められます。
与えられているグラフから、塩酸Aが15㎤で水酸化ナトリウム水溶液Bの体積が15㎤、つまりえのときに気体が全く発生せず、完全中和が起こっていることが分かります。
リトマス紙が青色に変化するのはアルカリ性のときなので、これよりも水酸化ナトリウム水溶液の割合が多い液を選びます。
グラフが1300㎤で水平になっている範囲、つまりかときではアルミニウムが足りず、すべて反応に使われています。
①
液には塩酸のみが含まれます。溶質は気体の塩化水素なので、水を蒸発させても何も残りません。
②
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が10㎤ずつ中和して食塩が生じ、塩酸が10㎤余っています。余った塩酸からは何も残らないので、食塩のみが残ります。
③
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が10㎤ずつ中和して食塩が生じ、水酸化ナトリウム水溶液が10㎤余っています。中和した食塩のほか、余った水酸化ナトリウム水溶液に含まれる固体の水酸化ナトリウムも残ります。
④
②と同じく中和で生じた食塩が残るほか、余った塩酸とアルミニウムが反応して出来た物質(塩化アルミニウム)が残ります。
⑤
③と同じく中和で生じた食塩のほか、水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムが反応して出来た物質(アルミン酸ナトリウム)が残ります。アルミニウムはすべて反応して水酸化ナトリウム水溶液が余るので、固体の水酸化ナトリウムも残ることになります。
①
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の両方と反応するアルミニウムと異なり、鉄は塩酸にしか反応しません。よって、塩酸が余っているグラフの前半では元のグラフと変わりありませんが、水酸化ナトリウム水溶液が余っている15㎤以降の範囲では、気体は全く発生しません。
②
【実験2】では塩酸Aと水酸化ナトリウム水溶液Bは1:1の体積比で完全中和していました。Bの濃度を2倍にするので、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は2:1の体積比で中和することになります。
一見、水酸化ナトリウム水溶液の体積を半分にした7.5㎤で完全中和するようにも思えますが、この実験では塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の体積の合計が30㎤となるように混ぜていることに注意が必要です。
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の体積比が2:1となるのは、それぞれ20㎤と10㎤混ぜたときです。また、完全中和よりも多く水酸化ナトリウム水溶液を加えたときを示す部分のグラフの傾きが、元のグラフよりも2倍急になることも確認しておきましょう。
【実験2】のおでは、水酸化ナトリウム水溶液が10㎤余っています。これに対して発生した水素は819㎤。きでは、水酸化ナトリウム水溶液が30㎤あるので、アルミニウムが充分あれば、819×3=2457㎤の水素が発生するはずですが、アルミニウム1gはすべて反応してしまい、1300㎤しか水素が発生しなかったということです。
アルミニウムの重さを2gに変えると、最大で1300㎤×2=2600㎤の水素を発生することができますが、こんどは水酸化ナトリウム水溶液のほうが不足することになり、結局2457㎤の水素が発生します。
を取り上げます。解答するには、(3)までの内容を理解した上での論理的な思考力が求められ、大きく差がついたことと思われます。
◆は東経142.5°あたりに位置しています。(3)から、1周後のISSは西に22.5度ずれることが分かっているので、解答用紙にすでに描かれている点線上で◆の真西、東経120°あたりに●が描けます。
その後のISSは点線上を周回しますが図の右端、赤道より少し南の地点で点線は切れてしまっています。軌道の続きは、図の左端から点線と平行になるように、●の真西で東経97.5°の地点まで書き加える必要があります。
以上のことを踏まえた解答例は下図のようになります。