難度・問題数ともに例年並みでした。女子学院中の特徴的な回答形式である「複数回答」「○×△(ABC)回答」の両方が出題され、特に大問Ⅳの実験結果から仮定の正誤を判断する問題は、苦戦した受験生も少なくないと思われます。その他、女子校では珍しい昆虫の出題や、本校ではここ10年以上出題のなかった光の問題があり、知識の穴を狙われた感があります。ヤマを張らずに偏りなく学習した生徒が有利でした。ここでは、大問Ⅴの光の問題を取り上げます。
女子学院中では、過去10年以上出題例のなかった光の問題です。
自分で簡単な作図をしながら解き進めて行く必要があり、過去問で出くわさなかったために記憶が遠くなっていた生徒には厳しかったかもしれませんが、内容的には、基本的な知識と原理さえ押さえておけば特に難しい問題ではありません。
1 屈折に関係する現象を選ぶ問題です。全て選べという指定はありませんが、複数回答が必要です。
この問題で落とした人はいないでしょう。
2 (1)下の図を見て分かる通り、目と鏡の距離を10cm離すと、目と像の距離は20cm離れるので、間違いと分かります。
(2)下の図から分かる通り、鏡を目より少し上に上げると、鏡に写る範囲から顔が外れます。
(3)顔を動かすか、鏡を横に回り込ませない限り、横顔がうつるわけありません。
3 入射角=反射角ということと、鏡が入射角と反射角を分ける点線に垂直であるということが分かるように描けば良いでしょう。(下図参照)
4 鏡の左にA・B、右にC・D・E がいることから、全ての組合せを考える必要はなく、右のC・D・E だけ鏡を対称線として線対称の位置にC’・D’・E’を設定し、それぞれA・Bから直線を引いて確かめれば十分です。
下の図1より、Aから鏡を通して見える人はいません。同じく図2より、BからはCの姿だけ鏡を通して見えます。よって正しい組み合わせはBとCであることが分かります。
5 下図より、左に移動して見える事が分かります。
6 鏡を対称線として、おおよその位置に人の頭と足の位置を取って簡単な作図をすれば、難しくありません。アとイが正解です。
7 夜の電車内で、窓ガラスが鏡のようになって外の景色が見えにくい原理を穴埋めで説明する問題です。
夜は、外から入ってくる光が少なく、車内からの反射する光の方が多くなるので、鏡のように見えます。