女子学院の国語の問題は、処理能力の速さ、正確さが求められる。
簡単にいえば、「要領のよさ」である。
文章題(2,000字以内)3題、設問数50問近くを40分で解くのだから、相当高いレベルが求められている。
しかし、ここで注意しなければならないのが、スピードを意識するあまり、設問を先に読む、傍線部周辺しか見ないなどの小手先のテクニックに走ったり、大量の演習量をこなすという安易な学習方法に流れやすい点である。
そもそも女子学院の国語の問題は、設問数も多く、抜き出しや記述問題も増えてきているので、設問を先に読む、傍線部周辺しか見ないというやり方だけでは対応できない。
処理能力を早くするには、思考の「パターン化」がベストである。
「ある手順に従って、機械的に解答を導き出す。」
このような考え方を身につけたうえで、演習量を増やしていくことが重要なのである。
また、女子学院の国語の題材は随筆文や論説文が中心で、大人向けの文章が大半である点から、精神的な成熟度も求められているともいえる。
一つ一つの設問の難易度は決して高くないが、精神的な成熟度や処理能力の高さが求められるので、日ごろから論理性、社会性(大人の価値観)を意識した学習をしていかなければ、合格は難しいだろう。
構成は、文章三題、漢字の書き取り一題という構成である。
文章のジャンルは、随筆文や論説文が中心で、字数は各1,500~2,000字程度である。
よく出題されるテーマは、「自然」、「言語」、「現代社会の風潮に対する考察」、「生き方」などである。大人の価値観(社会常識)を知っている、いわゆる「早熟」な生徒を求めているのだろう。
また女子学院の国語の題材は、大人向けに書かれた文章がほとんどなので、言葉も難しいのだが、語注がない。したがって、語彙力はもちろんのこと、わからない語句は文脈から判断して類推するしかないので、普段からこの点を意識して学習していく必要がある。
設問数は50問近くあり、難易度は標準レベルである。
設問形式は、書き抜きや適語補充、選択肢問題が80%で、残りが記述問題となる。
設問内容は、傍線部の内容を問うものや空欄補充がほとんどで、知識問題も文章題1題につき、2,3問程度出題される。記述問題の字数はやや多くなり、20字~最大80字程度で、難易度も高くなった。
一方で、難関校によく見られる、文章全体を通して主題や要旨を問う設問は出題されないのが、特徴的だ。上記のような傾向と受験者層のレベルから考えると、あくまで予測だが70点以上取らないと合格は厳しいと言えるだろう。
以上のことを踏まえて、次に「女子学院の対策」について述べていきたい。