二 | 問一A 問二A 問三A 問四A 問五B 問六B 問七B 問八B |
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三 | 問一A 問二A 問三A 問四A 問五B 問六B 問七A 問八B 問九A |
A…本郷中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
漢字の読み書きの問題です。
正しい接続詞を四箇所に当てはめる記号選択問題です。基本的な用法のものばかりですから、ぜひ全問正解したいところです。
比喩表現の内容を具体的に言い換える記号選択問題です。
人々の“飼いならされている”様子はその後「過剰に支配された姿」「スマホという魅力ある魔性のメディアに絡めとられている」と言い換えられています。選択肢で同じような内容が述べられているのは「心を奪われてしまっている」のアです。イ(個性の喪失)、ウ(変化の速度)、エ(操作方法)はいずれも本文中で話題にしていませんので、消去法でも選びやすい問題です。
比喩表現の意図が分かる部分を、本文中から抜き出す問題です。
「処方」が一般的には薬に使われる言葉であることを知っていれば、七行前でスマホへの依存を「依存症と呼び、一つの『病い』と考えることもできるでしょう」と病気にたとえている箇所を発見することができます。
問いかけの主語を本文中から書き抜く問題です。この問いかけの文全体を見ると、「私たちはいったい何を手にして(プラス)、何が脅かされている(マイナス)のでしょう」となっており、次の文で「それは…『世界』を携帯する悦楽(プラス)であり…『わたし』が不特定多数の匿名の人々にさらされるリスク(マイナス)だ」と書かれています。問五とも関連しますが、ここでの「わたし」とは一体何なのかを読み取り、条件に合う語を探しましょう。
傍線部の内容を別の言葉で説明する記述問題です。
「わたし」と「不特定多数の」「匿名の人々に」「さらされる」をそれぞれ具体的な表現に言い換えます。「わたし」はいわゆる個人情報にあたる内容、その中でも「私秘的な」情報であると言い換えることができます。「不特定多数の…」は類似表現として「悪意や嫉妬などさまざまな情緒に満ちた…」、「匿名」とは「誰だか正体の分からない人」、「(情報が)さらされる」とは「(情報が)知られる」ことと、順に考えていけば、解答が完成します。
二箇所の空欄に入る適切な語の組み合わせを選ぶ記号選択問題です。
Aには「情報が入ってくる」「情報が漏れ出す」という、「意識しなくてもそうなってしまう」印象を受ける表現が使われています。窓や門は意識して開閉するものですから、最もふさわしいものは「穴」となります。
Bについては、最初の「B」の直前で「際限なく膨張し続ける風船のなかにあるようなもの」、直後で「薄く破れやすいもの」と書かれていることから、「膜」が最も適切であると判断することができます。
選択肢の語がいずれもある程度はそれらしく見えてしまうので、判断に迷う受験生もいたかもしれません。
本文中の語句の意味を選ぶ記号選択問題です。
「与」という漢字には、「物事に関わる」という意味があります。「関与する」という熟語を思い出せれば、うまく連想できたのではないでしょうか。
本文全体の内容について、正誤を答える問題です。各小問とも70字前後と長いため、きちんと要素ごとに区切って検証する必要があります。(1)や(2)では、前半にだけは本文中と似た表現が使われていますが、いずれも後半が誤りです。記憶に頼って判断したり、冒頭だけ読んで飛びついたりしないように注意してください。
語句の意味を説明する記号選択問題です。普段から意味を調べる習慣を身につけておきましょう。
行動(沈黙)の理由を説明する記号選択問題です。傍線部までの部員たちの様子は「あっけにとられた→猛然と走り寄って質問責めにした→『甲子園での、全国大会』という言葉に静まり返った」と移り変わっていきます。さらにその後、林の言葉の後に部員たちは雄叫びをあげ始めることから、ここでは「本当に大会が開かれるのだと理解したものの、どう反応していいかわからず思わず沈黙した」という状況が読み取れます。
心情の理由を説明する記号選択問題です。傍線部を含む一文を見ると「言葉は自棄になっているようで気に入らなかったが、表情は妙に晴れ晴れとしていた。」となっており、実際には自棄になっている訳ではなく、プラスの気持ちであることが分かります。また、七行前「大会があるなら、問題なく役割を果たすさ」、傍線部直前「どうせもう後がないから、ぶっ壊れるまで投げまくってやるよ」という発言から、試合には前向きに臨もうとしていることも読み取ることができます。
傍線部の内容を具体的に説明する記号選択問題です。「矛盾」とは、「つじつまが合わない」という意味です。何と何が矛盾していないのかを確認します。「(普通であれば)明日(以降の試合)のことを考える」⇔「今日、全力を出し切る」が一見矛盾しているように見える部分です。しかし次の文で「どの学校もがむしゃらな気迫に満ち満ちて…勝てそうになかったからだ」と理由が付け加えられていることから、まず今日の試合に勝たなければならない状況であることが分かり、正解はアとなります。
同じ表現に込められた異なる心情を読み取る記号選択問題です。「きっかけ→心情」の「きっかけ」部分を探しましょう。Xは「滝山の速球の前になすすべもなく」です。「なすすべもなく」とは、どうやっても対処できないという意味なので、ここでは橋本の「悔しい」気持ちを表してると判断できます。Yは雄太が「はじめて滝山が弱気になった」ことに対して「喜びとはほど遠い感情」になっている場面です。これまで自分のサインを無視し続けてきた滝山に初めて頼られているので、しっかりやらなければと覚悟を決めていることが読み取れます。
心情を「様子の描写」で表している部分を見つけて答える書き抜き問題です。
まず、滝山が肩の調子について嘘をついている箇所を探します。前半部分「あの怪我から、まだ一月も経っていない。…球には、以前ほどの力はない。」というところです。この中から滝山の様子を描いている一文を見つけると、「教練の一件を聞いた…」の文となります。
登場人物の考えたことを読み取る記号選択問題です。
これまでの場面で「雄太の配球は…無視され」「俺に従えと言ったところで聞くはずもない」とあり、滝山が雄太に指示を求めたことはこれまでになかったと分かります。しかし、「これが、最後の試合かもしれない」状況であり、滝山は明らかに肩を痛めているため、渋々雄太に指示を求めてきたのです。滝山の性格をここまでにきちんと把握しておくことで、正解に辿りつけるはずです。
「合否を分けた一題」として解説します。
本文全体から、主人公の説明としてふさわしいものを判断する記号選択問題です。入試問題の文学的文章では、自分の主観で物事を捉えるのではなく、あくまで文章の表現などから客観的に人物像を掴むように心がけることが必要です。読みながらウ、オ、カのような気持ちを抱いた受験生はいるかもしれませんが、それを解答に影響させてしまわないように注意しましょう。
心情について、その内容を具体的に説明する問題です。
解き方の手順
まずは、「出来事→心情」という基本の要素を整理します。今回は以下の二つの要素を取り入れたいと思います。
①傍線部直前より、「雄太が指示した通りのコースに、指示した通りのゆるい球を放ってきた」「構えた場所にあやまたずボールがおさまった」。これまで指示を無視してきた、あの滝山が本当に指示通りに投げてきたことに感服する気持ち。
②傍線部後の「諦めずに毎回サインを出してきてよかったと心から思う。」「チームの投手と捕手が、まともにバッテリーとして機能しているところを…はじめてなのだから。」から、雄太自身がキャッチャーとしての役割を果たし、滝山とバッテリーとしてプレイできていることへの喜び。
②の要素は多くの受験生が見つけられたのではないかと思います。①を細かい表現から見つけられるのが理想です。普段から本文を何となく読むのではなく、ちょっとした表現の違いにも気を配れるように練習しておきましょう。