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社会の合否を分けた一題

暁星中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

A:易しい(暁星中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

1 歴史
問1:A
問2:A
問3:A
問4:B
問5:A
問6:A
問7:A
問8:B
問9:A
問10:A
問11:C
問12:A
問13:A
問14:A
問15:A
問16:B
問17:A
問18:A
問19:A
問20:C
問21:A
問22:B
(1):A
(2):A
(3):A
(4):A
(5):A
(6):A
(7):A
(8):B
問1―A:A
  ―B:B
  ―C:A
  ―D:A
  ―E:A
  ―F:A
問2:B
問3(1):B
(2):B
(3):B
(4):B
問4:A
問5:A
問6:A
問7:C
問1―A:A
  ―B:A
  ―C:A
  ―D:A
問2並び替え:B
     ①:A
問3①:C
  ②:C
  ③:C
  ④:C
問4―●:A
  ―▲:A
  ―■:A
問5①:A
  ②:A
  ③:B
問6
(1)―①:A
     ―②:B
     ―③:B
(2)―①:A
     ―②:A
     ―③:B
(3):B

出題総評

暁星中の特徴でもある「必要と思われる解答は、すべて漢字で答えなさい。」「同じ記号を使った場合は、この問いの解答を無効とします。」は健在でした。確認をしなければついやりがちな凡ミスですから、条件は正しく読み取りましょう。また、設問の取捨選択をしなければ難解な設問に時間を割いてします、取るべき設問を落としてしまいますので、注意が必要です。また、自身の考えを述べる問題が出題されていますから、知識を仕入れるだけではなく、その用語の意味まで確認したり、社会にどのような影響があるのかを考えたりする時間があっても良いかもしれません。ただしこれは、普段の学習では訓練しにくいものですから、暁星中を第一志望校とするのであれば、しっかりと対策をしておく必要があるでしょう。

問題別寸評

1 史料をもとにした歴史の問題。

史料Aは、『隋書』倭国伝です。倭の推古天皇が隋の煬帝に対して小野妹子を遣隋使として遣わせたことが書かれています。この手紙は日本と隋が対等であるかのように書かれている点に煬帝は怒りますが周辺諸国との関係悪化でそれどころでないため、隋からも返礼の遣いがやってきていました。

史料Bは承久の乱に対する尼将軍とよばれた北条政子の呼びかけ文です。鎌倉時代の御家人たちは、土地を仲立ちにして将軍からの御恩に対する奉公を行う形でつながっていました。そんなとき、三代将軍である源実朝の時の執権である北条義時を討てという命令を後鳥羽上皇が御家人たちに出しました。結果は、源頼朝に対する御恩が深かった御家人たちは執権でなく、上皇方を攻めるという結果になりました。

史料Cは武家諸法度です。参勤交代についての項目があったり、1635年という年だったり徳川家光のものであることもわかります。ただし、問11のような法令違反したときに大名が領地を奪われたり、とりつぶしにされたりする「改易」は難度が高いのでできなくてもかまわないでしょう。また、問12のような穴埋め問題も「できたらいいな」程度にとらえておきましょう。その分の努力で基礎基本をおさえるほうが暁星中合格への近道となります。

史料Dは明治天皇により公布された五箇条の御誓文です。ここでは外国人を追い払う攘夷運動をすすめるのではなく、国際法に基づいて外交をおこない、外国から知識を積極的に取り入れて天皇国家の基礎を作るべきだとしていました。

史料Eは満州事変に対する国際連盟から派遣されたリットン調査団の報告書です。国内の不況を乗り切るために日本の関東軍が、日本の持つ南満州鉄道(満鉄)を爆破し、それを満州に住む人々の行為であるとして日本が不当に占拠しました。その地域一帯を満州国して建国しました。しかし、リットン調査によってこれが自作自演だということを指摘された日本は国際連盟を脱退し。以後戦争への道を歩んでいくことになるのです。

2 時代やグループ分けなどをする歴史の正誤問題。
(1)

青森県にある三内丸山遺跡は縄文時代を代表する遺跡です。

(2)

『万葉集』は奈良時代に出来た日本最古の歌集です。

(3)

南蛮貿易は南蛮人(スペイン・ポルトガル人)との貿易で、カッパやカステラなどの語が入ってきました。

(4)

サトウキビは琉球王国の特産品でした。

(5)

元禄文化の代表人物には、井原西鶴、近松門左衛門、松尾芭蕉、菱川師宣などです。

(6)

化政文化の代表人物には、十返舎一九、葛飾北斎、歌川広重、滝沢馬琴などです。

(7)

日清戦争が起きたのが1894年ですので、それ以前ではないものといえば、1901年の八幡製鉄所の操業が挙げられます。八幡製鉄所は、日清戦争の講和条約である下関条約で得た賠償金をもとに作りました。

(8)

芥川龍之介は、明治から昭和初期までの人物です。

3 冷戦以降の世界の動きをもとにした公民の問題。
問1・2

1950年、朝鮮戦争が始まったために、マッカーサーの指示によって警察予備隊が結成されました。また、1952年に保安隊、1954年に自衛隊と名称が変化していますので、合わせて覚えておきましょう。
1962、年ソ連がアメリカに程近いキューバにミサイル発射基地を建設しようとしたことでキューバ危機が起こりました。
1985年、ソ連のゴルバチョフが共産党の書記長に就任すると、様々な改革(ペレストロイカ)を実施しました。
1989年、東西冷戦の影響を少々するものであったベルリンの壁が崩壊し、1990年には東西ドイツが統一されました。

問3

少し古い時事問題ですが、いまだに話題に上がることがあるものが多いです。関東は難しいかもしれませんが、日本の近海でもある南シナ海の問題にはせめて関心を持っていると良いでしょう。

問4・6

国際連合について、国連憲章や国連の専門機関までしっかりと確認しておきましょう。また、その専門機関は「UN~」で始まるものが多いので、うまく活用して整頓しておきましょう。

問5

川端康成は文学者です。ノーベル文学賞を受賞しています。

問7

日本国憲法の前文の穴埋めでした。「欠乏」が空欄になることはあまりないので、正答できた人はなかなかいなかったでしょう。

4 暁星中やその姉妹校のある都道府県をテーマとした地理の問題。
問1

日本の基本的な河川問題です。ここは確実に全問正解を狙いたいところです。また、河川の学習をするときは、その水源や川の流れる平野・大地・盆地を確認しておくと良いでしょう。場合によっては語呂合わせなども使って、しっかりとした定着を図りましょう。

問2

並べ替えと空欄はどれも基本的な知識ばかりでしたが、「エ」をどこに入れるのかということで悩む受験生が多かったのではないでしょうか。大浦天主堂は1865年に二十六聖人たちに捧げられたものであると同時に、キリスト教信者を発見するために建てられました。

問3

東京都・大阪府・長崎県・北海道の核都市についての製造品出荷額等やその上位3つの工業を特定する問題です。まずは、ア~クはどこなのかをしっかりと覚えていることが大切です。次に工業で学んだ都市ごとの特徴をつかみ、解答します。

問4

北海道にある泊原子力発電所の位置や、水力発電などの発電方法を考えれば割とすぐに答えにたどり着くのではないでしょうか。

問5

九州新幹線は「福岡県→佐賀県→(福岡県→)熊本県→鹿児島県を通ります。それに長崎県をくわえます。そのうちで、九州の中で人口50万人以上の市が2つある県は福岡県しかなく、1つでも50万人をこえている都市をもつ県は熊本県・鹿児島県です。あとはグラフの各所から判断しましょう。

問6

→ 合否を分けた一題で扱います。

合否を分けた一題

問6
(1)

夜間人口は増加しているのに、昼夜間人口比率は低下している→A市は住むための場所であって、働くための場所ではないということがわかります。ここで、ベッドタウンという用語を浮かべてほしいものです。そして、夜遅く帰ってきたり、24時間体制の仕事などで、早朝から仕事に出かけたりする人がいると考えられる。そんなの生活も、その要望に応えたスーパーやコンビニエンスストアがあるからこそ成り立つのです。

(2)

年々夜間人口が減少し、昼夜間人口比率も低下していきます。しかし、昼夜間人口比率があまり変わらないということは昼間人口も減少しているということがわかります。ということは、人口そのものが減少しているということが考えられ、過疎化が進んでいくのではないかと予測できます。

(3)

(2)から、人口が減少することが予想されるので、スーパーやコンビニエンスストアなどは来店するお客さんが減っても経営を続けていく工夫をすることが求められるでしょう。具体的な対策としては、店舗自体を少なくし、品物の宅配サービスを行ったり、インターネットで品物が購入できるシステムを作ることが大切であると考えられます。

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