暁星中の入試問題は毎年大問のみの出題となっていて、ここ10年以上変わっていない。
問題の配置も完全な難易度順ではなく、程よく散らばっている感じである。
小問数で数えていくと、10問前後となり、テスト時間50分で考えると、比較的じっくりと問題に取り組めるテストである。
また、計算問題や一行問題がないからといってその分野の練習に力を入れなくてよいというわけではなく、大問を解いていく中で計算力を試される数値の設定になっていたり、
大問の中の1問が一行問題の類似問題として出題されている(H16年の1やH20年の1)。
内容的には手間のかかる複雑のものが多く出題されているが、手が付けられないほどの難問は見当たらない。ただし、時間の関係から手をつけないほうがよい問題は毎年存在する(H21年の5やH22年の4など)。
暁星中の一番の特徴は出題された問題の式や考え方を解答用紙に記入する記述式問題の多さであろう。平均すると小問数の8割がそれにあたる。H22年は全問が記述式問題であった。解答用紙もそれに合わせて2枚に渡り、かなり書き応えのあるボリュームが感じられる。これにより、基本的な考え方や計算力が身についているかどうかだけでなく、複雑な問題に対する思考力も試されているといえる。
また、記述式問題の比較的少なかったH16年やH17年は合格者平均点がどちらも63.6点であったのに対し、記述式問題の出題比率が高い年(H20年やH22年)では合格者平均点が50点台と低くなっていることからも、普段の学習においていかにそのための対策を講じるのかがポイントになるであろう。
H16年からテストデータが公表された(配点は不明)が、そのデータから読み取れることは捨て問にできない応用問題が合否を決定付けているということである。毎年合格者平均点と受験者平均点は15点から20点の開きがある。また、問題数から判断して、小問1つの配点が5点から10点ぐらいであることが考えられる。さらに、捨て問にできない応用問題は毎年2問から4問出題されている。
そこで、基本的な問題を全問正解したと仮定し、点数を求めてみると、ほぼ受験者平均点と一致する。この合格者平均点と15点から20点の差になる合格者平均点を取るには、配点にして、20点前後を持っている捨て問にできない応用問題をいかに得点していくかが重要な鍵となるといえよう。当然残りの問題の中には、手をつけないほうがよい問題も混在しているので、その見極めの可否も重要になってくる。過去問の演習を通して、そういった「眼」を養っていくことも必要である。
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