塾に通っていないなど、これから受験に向けた学習を始めるという場合は、解説の詳しい参考書、問題集を使って、規則的に学習を進めましょう。四谷大塚の予習シリーズを入手して、こなしていくことができれば十分です。ベストチェックなど市販の分量の少ない問題集で、単元別の基礎知識を身につけることから始める方法もあります。個別や家庭教師だけを利用する場合にも、国語の全単元をむらなくこなしつつ、苦手・弱点を補強するカリキュラムづくりが必須です。4年生までの学習課程の中で身についていないことがあるのは珍しいことではありません。5年生のうちに、基本のもれはカバーしておきましょう。
塾に通っている場合、個性の強い個人塾などでは、受験との関係では、必ずしも得点力に結びつかない独特の指導方法がとられることがあります。「本当の国語力」を身につけることも大切ですが、中学受験を考えての国語の勉強であれば、中学入試問題に対応できる力をつけていくことを重視する必要があります。
大手塾では、4年から受験に向けた学習を開始することが標準化しつつあります。基本的な知識と問題を読み、解く技術の習得が4年生の間にできるようにカリキュラムが組み立てられています。5年次には、一通りの単元について学習が終了します。各種文章の難易度も上がってきます。設問も長くなり、条件・指定が細かくなるなど、読解力が要求されてきます。5年の間を通じて、このような「めんどうになってくる文章・問題」に対して、効率的に、的確に、読み、解くための「方法」を意識して、まとめていく作業に取り組みたいところです。ポイントは、塾の授業で説明・板書されるはずですから、授業の際に、問題に取り組むためのポイントやコツをノートにとってくることを習慣付けましょう。
各塾のカリキュラムをこなす際には、知識面(漢字・語彙・語句)をしっかり身につけていくことをこころがけましょう。間違えたところをそのままにせず、抜き出してまとめておくなどの作業をしていくことで、テスト・入試前の効率的な見直しも可能となります。間違えっぱなしにしないことが大切です。間違えたままにしておくと、間違えたまま定着してしまい、修正に多大な労力が必要になります。早めに気付いて早めに直しておくことが、ムダのない学習につながります。
文章問題については、物語(小説)、論説(説明)、随筆、韻文(鑑賞文)など、どのような種類の文章であっても普通部で出題される程度の長さのものをスピード感を保って読み通せるように練習しておきましょう。精読は、この段階では、必ずしも必要ではありません。全体としてどういう話か、を時間をかけすぎずにつかむことを目標にしましょう。