ケアレスミスと呼ばれる範疇には、様々な内容が含まれます。その一つ一つに対策を講じて封じ込めることは不可能に近いですし、必要な労力を考えても得策ではありません。でも、減らせるものなら減らしたいですね。
綺麗に字・数字を書くことを心掛ければ、自分が書いた字・数字を読み間違えることはなくなるはず。
問題文は斜め読みせずに一文一文なぞって読む、条件・指示にはアンダーラインを引いたり丸印をつけたりする、等の基本的な作業を身につければ、問題条件の読み落としはなくなるはず。
式と答えを書くだけでなく、何を求めたのかのメモ書きをすれば、数値を取り違えることはなくなるはず。
この類いのケアレスミスは、生徒自身の心掛け次第で減らせるミスです。
心掛けてもなかなか減らないのが計算ミス。なぜ減らないのでしょう?
そもそも、計算ミスを誘発しやすい計算方法をとっている可能性があります。成績上位者であっても、問題を解いている姿をそばで見ていると、計算のやり方に修正すべき点を抱えている生徒が案外多いものです。
正しい答えが出せているので、指摘されない限り気付かないですし、修正すべき必要性も感じていません。6年生になって計算のやり方を改めるのは、相当苦労します。雙葉中を目指すのであれば、可能な限り早い段階で、ミスをしにくい適切な計算方法を指導し、身につけてもらいます。
さらに、計算ミスが多い生徒というのは、計算ミスに気付くための自分なりのポイントを把握していません。この“計算ミスに気付くためのポイント・気付きどころ”を、集団塾の一斉授業で教わることはまずないでしょう。
私自身、集団塾で雙葉特訓の授業を担当していた際、各校舎から集まった普段見ていない生徒に対しそこまで指導するのは難しく、テスト演習の答案添削で必死に各生徒の癖を探っていました。やはり、個別指導を通じて、その生徒の癖を知り尽くすことにより、はじめて“気付きどころ”を伝授することができるのです。
計算過程でそれを張り巡らせることができれば、計算ミスに気付くようになり、確実に失点を減らせます。