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算数

雙葉中入試対策・算数の合格戦略の提案

【1】雙葉中学の傾向分析」で述べた出題傾向を踏まえて、これまで雙葉中合格者と共に私自身が実践してきたそれぞれの攻略法をお伝えします。

「明確な頻出分野」に対する攻略法

➀多角形・おうぎ形の複合図形、➁速さ、➂周期・規則性、➃和・差・比の文章題、の頻出4分野に加えて、時折出題される➄作図問題について言及します。

➀多角形・おうぎ形の複合図形

平面図形というと一般的には相似と比の問題が多いのですが、雙葉中では相似な三角形や高さの等しい三角形が絡む平面図形と比の問題はほとんど出題されないのが特徴です。2009年度・2010年度と2年連続で縮尺が出題されましたが、それ以外は皆無。また、求角問題も出題例がありません。

よって、“雙葉中の平面図形=多角形・おうぎ形の複合図形問題”と把握しておいても構わないでしょう。6年生の9月以降は多角形・おうぎ形の複合図形問題に比重をかけた演習を積んでもらいます。このように出題分野の絞り込みができるので、平面図形については、御三家以外の女子校と比べてもかなり取り組みやすいと言えます。

さらに、ここ15年間、平面図形については着眼点勝負の問題はなく(しいて挙げれば2002年度[6](3)平行移動の求積問題が手詰まりになるかも)、センスなんてものは不要。一般的な複合図形問題では必須の、等積移動・等積変形も不要。

初見では解き切れない問題でも、上位クラスの受験生であれば一度は解いた経験があるものばかり。よって、いわゆる有名問題と呼ばれるタイプの演習量を確保すること、処理量・計算量が多い問題でつまずかないように円周率計算に習熟しておくこと、が肝要です。

 

ただし、角度・面積比・辺の長さの比に関する知識があればあっさり答えが出せるような問題もあります。例えば2007年度[1]では、大きい斜線部分と小さい斜線部分の面積比が2:1になっていることを知っていれば、答えを出すのに1分もかからないでしょう。雙葉中との併願組が多い白百合学園中2009年度[5]もまったく同じ。さらに、雙葉中2003年度[3]も同様の知識が使えます。

このように、直接的な出題がないからと言って、その分野をまったく手つかずのままにして受験を迎えるのは不利になります。使えそうな知識を伝授し、それに関する問題演習も行います。ここまでカバーできれば、雙葉中の平面図形は攻略可能になります。

 

➁速さ

速さについては、比を利用する問題が圧倒的に多く、かつ難易度に大きなブレがないのが特徴です。過去問と同じようなレベルの問題演習をどれだけ積んだかによって、得点力に差がつきます。

速さの問題を解くにあたっては、問題文の内容を整理して着眼点をつかみやすくするためにも、また、早い段階から答案作成を意識させるためにも、時間軸に従って進行の様子を図示する習慣をつけることが肝要です。

ダイヤグラムの出題が1997年度[3]以降見られないことに加えて、雙葉中の速さの問題はダイヤグラムよりも直線上の進行図に馴染むものが多いことを考慮して、まずは直線上の進行図を描く練習を繰り返します。着眼点をつかみやすくするための工夫も加味して、自分なりの進行図の描き方を確立させましょう。

最近はお目見えしませんが、周期と絡めた速さの問題が今後も登場するならば、合否に大きく影響する1題になると思われます。面倒であるがゆえに難易度が高く感じられるという、いかにも雙葉らしい問題です。このタイプの問題についても演習を積んでおいて損はありません。

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