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算数の塾別学習法の提案

雙葉中入試対策・塾ごとの算数の学習法の提案(日能研生)(2ページ目)

■ 6年生前半

日能研は、通常授業・講習ともに拘束日数・拘束時間が大手塾の中では断トツに長いのが特徴です。ゆえに、限られた家庭学習時間で、やるべきことを効率良くこなしていく必要があります。

★学習スケジュール

6年生夏休み前までにやるべきことは
①毎週のカリキュラム内容の完全理解・定着
②既習内容の定期的な復習
③雙葉中志望者にとって、日能研のカリキュラムでは手薄になるところの補充  
の3つです。

①『本科教室』の構成が5年生とは変わります。「基本問題」「演習問題」「発展問題」「練成問題」すべて解くことになりますが、各学校の入試問題を収録した「練成問題」が古すぎるのが少々難点です。新傾向問題はまったく収録されていません。ただ、典型問題の解法習得及びスピード強化の素材としては十分使えるでしょう。

新たに『強化ツール』というテキストが配布されますが、「共通」は必須です。この「共通」と本科の「発展問題」までをきちんと理解・定着させておけば、7月までのカリテの共通問題で80点を切ることはまずありません。

『栄冠への道』は、生徒の状況により、必要ある場合に適宜取り組むという位置づけで十分です。

『計算と漢字』も5年生のときと同様に進めましょう。6年生になって忙しくて時間がないという理由で計算練習をサボるのは許されません。毎朝15分程度の時間は心掛け次第で捻出できるはずです。

②毎週のカリキュラム内容の学習だけでは、既習内容が抜け落ちて行きます。2週間前と2ヶ月前のカリキュラムの復習を日曜日に組み込みましょう。
 
なお、日曜日のカリテ後に日曜日特別講座が始まります。土曜日に通常授業があるため、日曜日がテストと日特でつぶれてしまうと、まとまった家庭学習時間を確保できなくなるのが日能研生の悩みの種です。

日曜日は、その日に受けたカリテないしセンター模試の解き直し、既習内容の復習、苦手分野の理解、後述する「③雙葉中志望者にとって、日能研のカリキュラムでは手薄になるところの補充」等、やるべきことが山積みです。

これらを削ってまで日特に参加する意義はあまり感じられません。後期日特は雙葉中対策のため必須ですが、前期日特の受講は生徒の状況に応じて慎重な判断が必要でしょう。

③雙葉中の過去問演習を行う段階で、速さと比の問題に手こずる日能研生が目立ちます。挙げられる原因は2つです。

まず1つ目の原因は、日能研のカリキュラム上、速さと比の学習時期が他塾に比べて遅いこと。SAPIXでは5年生秋から、四谷大塚では6年生春休み明けから学習するのに対し、日能研は6年生6月からの学習となります。

スタートが遅いだけに、それまでの比を用いない解法にとらわれて切り替えが上手くいかない生徒や、入試まで残り8カ月での演習量では仕上げることができない生徒がいます。

2つ目の原因は、上位クラスではダイヤグラムを用いての指導が多いこと。テキストの解説及びテストの解説もダイヤグラム使用が中心です。

ところが、【2】(1)②で述べたように、雙葉中の速さの問題については、ダイヤグラムではなく直線上の進行図の方が馴染む問題が多いため、直線上の進行図を書き慣れていない生徒にはきつい状況になります。

この2つの原因を踏まえて、新6年生の2月から6月までを目途に、四谷大塚『予習シリーズ6年上』の速さと比(1)~(4)、速さに関する問題(2)の例題・基本問題・練習問題に順次取り組み、直線上の進行図の書き方と比の使い方を徹底的に指導し、身につけてもらいます。

6月の日能研での授業を終えてからは、雙葉中以外の学校で出題された速さの問題を利用して、演習を継続します。

6年生前期の『本科教室』には雙葉中頻出の単元につき一通りの問題が収録されているので、前述のように2週間前・2ヶ月前のカリキュラムの復習を組み込めば、極端に手薄になることはないでしょう。

それでも、複合図形の演習量は別途に確保した方が良いですし、更に、月刊誌『中学への算数』の「レベルアップ演習」に載っている数・図形(雙葉中の出題分野から外れる問題は除外)・文章題に取り組めれば、十分なアドバンテージとなります。

★テスト 

雙葉中志望者のカリテの目安は、共通・応用で100~110点。共通を完璧に、応用は計算問題を正解すれば十分、その他で1~2問拾えたら尚良しです。応用の得点の悪さは気にする必要ありません。基礎・共通であれば毎回満点を目標にしつつ、140点キープが目安です。

センター模試では癖のある問題が出てくるようになり、高得点が取りにくくなります。5年生の頃は120点超が当然だった生徒が、100点~110点をうろつくことが頻繁に見られるようになりますが、決して学力が低下しているわけではないので、焦らないで下さい。

最低でも100点を切らないような学習を心掛けること。また、[2]の一行問題群での失点は典型問題の解法が定着していない証拠ですから、要復習です。

『塾ごとの算数の学習法の提案(日能研生)』 >> 1 2 3 4
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