5年生のときと同様に、夏休みに入るまでは各塾のカリキュラムに沿って学習を進めて下さい。難易度が上がるため、毎週のカリキュラムの内容を理解するだけでも大変になってきますが、ここでも重要なのは基礎を固めることです。
難問・奇問に目を奪われることなく、各分野の基礎知識・解法を定着させましょう。ただ、塾によっては、雙葉中頻出の複合図形・速さ・和差比の問題演習量が手薄になる危険性があります。
その場合には
①複合図形については各塾のテキスト収録の有名問題や他校の過去問
②速さについては四谷大塚『予習シリーズ6年上』の速さと比(1)~(4)、速さに関する問題(2)の例題・基本問題・練習問題
③和差比については月刊誌『中学への算数』の「レベルアップ演習」
の文章題で補充します。
本格的な答案作成練習は9月からスタートで十分間に合いますが、新6年生になった頃から少しずつ意識させるのも効果的です。ノートに問題を解く際、式の先頭に何を求めるのかをメモ書きするようにします。
例えば
上りの速さ 1500÷25=60m/分
下りの速さ 1500÷15=100m/分
というように、言葉で補足させると答案らしくなるのと同時に、数値を取り違えるミスをする生徒にとってはその防止策にもなります。
なお、大手塾では志望校判定テストの類いが6年生前半から本格的に実施されます。雙葉中の合格可能性が△%というように数値化されるため、生徒にとっては気になるところでしょう。ただ、重要なのは、この時期の合格可能性の数値ではなく、どの問題が解けてどの問題が解けなかったのかの識別です。
テストを受けることにより、自分のその時点での穴をはっきりさせ、その後の学習につなげていきましょう。
どの塾も6年生の7月までに入試範囲の学習をほぼ一通り終えます。よって6年生の夏期講習は、これまでの学習内容の総復習に入ります。夏休み中に総復習を1回転、9月以降冬休みに入るまでにもう1回転、と考えておきましょう。
夏期講習中も各塾のカリキュラムに沿って学習を進めますが、在籍クラスによっては雙葉に必要な学習内容とのズレが目立つ場合があります。その場合には何らかの解決策が必要です。SAPIX、日能研、四谷大塚、の各塾生については、下記の「【5】雙葉中学への塾別学習法の提案」を参照して下さい。
基礎を固める作業は6年生の夏休みまでがタイムリミットです。この時点で基礎に不安があってはならないのですが、もし不安があるならば、四谷大塚『四科のまとめ』の右ページだけ50単元分を仕上げましょう。雙葉中志望者にとって、本来このレベルの問題は、夏休みの段階でスピード強化の素材として使うべきものです。
基礎が固まっている生徒には、東京出版『ステップアップ演習』を夏休み中に1回転してもらいます。どの塾も夏期講習が一旦お休みになるお盆休みの期間中が勝負です。ここで一気に進めたいところです。典型問題の解法定着をより強固なものにするための問題演習と位置付けて下さい。正解した問題も必ず解説を熟読し、複数の解法を習得しておくようにしましょう。