麻布中学の傾向分析で示したとおり
①その場で条件を与えられて、思考力を要求される問題
②中学受験の典型的な解法によって解ける問題、あるいはその応用問題
です。
①基礎力をつける
②頻出単元を中心に全般的な分野の学習
③(2)を解くために(1)を利用する
④典型的な問題は確実に正解を出し、その場で考える問題で差をつける
になります。一つ一つ詳しく見てゆきましょう。
「基礎的な知識を覚えよう」「基礎をまず学習しよう」「基礎力を身につけよう」
と、どんな講師でも塾でもよく聞きます。
麻布中学に合格するにはこの“基礎力”をつけることが大事です。
では、“基礎”とか“基礎力”とは一体何をさすのでしょうか。
ここからは三角形の合同を例にとって説明します。
合同な三角形は“三つの辺が等しい”、“三つの角度が等しい”ということは
誰でも知っています。確かにこれも基礎の一つです。
しかし、これだけでは問題を解く“基礎力”にはなりません。
三角形の合同の場合、“基礎力”とは、図形の中から、合同な三角形を
見つけ出す学力のことです。
三角形の三つの合同条件を頭に入れ、それを問題の図形に当てはめて、
どの三角形とどの三角形が合同になるか、見つける訓練をすることが重要です。
問題集やテストの解答解説を拝見しておりますと、
“三角形ABCと三角形DEFは合同だから・・・”と当たり前のように書いてあります。
正解を出した生徒さんたちに聞いてみると
“どうもこの三角形は合同ぽかった”とか“カン!”といった返答です。
これでは、運にまかせて受験に臨んでいるわけで、
確実に点数をとる安定した学力とは言いがたいのです。
問題の内容や解法を理解し、新しい問題に望んだときに、
その解法を当てはめて使うことができるか。
が大きいポイントになります。
■“基礎力”を身につけるためには
“基礎力“を見つけるためには”なぜそうなるのか“と疑問を持とう。
ただ、合同に気づいた、気がつかなかった、で終わらせるのではなく、
なぜ、合同になるのか、合同条件をもとに必ず確認しましょう。
合同だけではなく、当たり前と思っている公式や知識を
“なぜ、そうなるのか”と疑問に思って考えてみることが“基礎力“の向上につながります。
その図形同士が合同とわかる視点や考え方は、
どのような道筋なのか、考えてみよう。
同じ長さの辺がある、同じ大きさの角度がある、折り返しなどの対称な図形がある、
回転させた図形がある、図形が規則正しいきれいな模様になっている・・・などなど
合同な図形ができやすい場合は多くあります。
そういうときはどことどこが合同か探してみるといった視点や考え方の道筋を
自分なりに考えてみると学力はぐっと上がります。
これはなかなか生徒さんだけでは難しいので、
これを指導するのが講師の能力と言えるでしょう。
基礎知識をただ覚えるだけではなく、この問題には、どの基礎知識が
当てはまりそうか、当てはめると、どんなことがわかり、問題が解けるのか
こういう能力を身につけることが麻布中学を目指す生徒さんには必須です。
テストの解き直しをする生徒さんは多いと思います。その解き直しの仕方を見ていますと、
もう一度考えて解らないと解答を直ぐ見て、解法を覚え、その解法どおりもう一度解いて、
終わった! としている生徒さんが多いと思います。
解答を直ぐ見るのはいいのですが、ただ単にその解法を覚えるだけでは、
そのときは解けても、時間がたつと全く解けない、という状態になります。
あまり時間がないと思いますが、大問1つでもいいですから、
上記の赤字部分のように掘り下げて、解き直しを行ってみてください。
確実に学力は向上します。