塾は通常授業に加えて、入試対策講座が日曜日などに導入されるところが多くなります。家庭学習は過去問題、頻出単元の問題などの問題演習がメインの時期になります。
塾の志望校対策は、過去の入試問題を分析し、他校の入試問題から類題を集め、塾オリジナルの問題などを集めたテキストをもとに実施されますので、まずは、この講座についてゆくことが課題になります。
できるだけ多くの問題に触れてほしいのですが、とにかく、多く解くことに重点を置くのではなく、特に解けない問題については、“なぜそうなるのか”、“まず、どこに着目したらいいのか”、を確認し、1題1題を深めてください。
塾の入試対策に加えて、おすすめなのが、
①塾で教える算数 シグマベスト (文英堂)
[数・数量関係]
[量と測定・図形]
[文章題]
です。難関中学入試と実践問題集があります。扱っている問題も麻布中学向けが比較的多く、解説が非常に充実しています。頻出の単元に絞って“問題演習”として使用しても良いでしょう。
各単元の学習内容については“麻布中学への合格戦略(リンク)”にまとめてあるので、こちらを参照してください。
①できるだけ本番と同じ環境で解く
②実施計画を立てる
③何度も反復して解き方を体で覚える
④傾向の似ている他校の過去問を解く
①について・・・過去問は本番と同じ時間帯で、1日4教科すべて解いて下さい。できるだけ本番に近い状態で実施するのが基本です。
本番とご家庭で解くことは精神状態が全く違います。ご家庭で解いたほうが点数が高く出ます。ご家庭では、慣れた環境で、比較的あせることもなく、じっくり問題に集中できるのです。
1日1教科では、集中力の限界が測れません。塾などでまとまった時間が取れないかもしれませんが、できるだけ、本番と近い環境で実施してください。
②、③について・・・麻布中学の問題のタイプは何度も記しているように
A その場で条件を与えられて、思考力を要求される問題
B 中学受験の典型的な解法によって解ける問題、あるいはその応用問題
です。
過去問の解き方は、全体を見て、Bタイプの問題を見つけ、まずこの問題を
きちんと解きましょう。続いてAタイプにうつります。
Bタイプをほぼ正解することに加え、Aタイプを1題、解ければ算数に関しては合格圏と言えます。
また、
(2)は(1)を利用して解く
ことも需要です。
こういった入試問題の解き方を習得するため、過去問は数年分を何回も解くことが重要になってきます。
かといって20年分、各5回なんて無理です(笑)。まず、9月以降、過去問に当てることができる時間を把握してください。
4教科、10回くらいであれば、5年間分を2回繰り返す計画を立ててください。少なくとも直近の5年間は2回解いて下さい。プラスして、さらに以前の5年間を1回解くなど過去問に割ける時間によって調整してください。
やみくもにやっても、ただ“過去問を見てみた”という程度で終わってしまいます。計画を立て、年度の古いものから実施しましょう。
解答し採点して終わりでは過去問を解く効果は半減します。
問題のタイプの判断の仕方、解く時の問題の順序、(2)は(1)を利用できた
かなどを必ず、チェック
してください。
また、特にわからなかった問題、正答が出せてもカンで解いた問題は解説をきちんと読んで理解を深めましょう。
深めると言うことは、
この問題は、何に気づけば解けたのか、着眼点はどこか、どのような道筋
で解くのか、
をおさえることです。さらに、
その着眼点はどうすればわかるのか、図をどのように見てゆけば、キーに
なるポイントに気づくことができるのか
考えてください。
我々もこの、“過去問の解き方”を中心に指導してゆきます。詳細は“麻布中学への合格戦略(リンク)”で説明しておりますのでこちらを参照してください。
④について・・・麻布と傾向が全く同じである中学はありません。麻布の入試問題を解く上で、助けになりそうな学校を挙げておきます。算数では武蔵中学、灘中学、筑波大附属駒場中学、「数の性質」でしたらフェリス女学院などです。
大手の塾の模試は受験することがおすすめです。
・サピックスオープン(学校別あり)
・四谷大塚 合不合判定テスト(学校別あり)
・日能研 合格判定テスト
特に学校別のテストは受験されたほうがいいと思います。複数を受験して総合的に現在の学力、今後の対策を検討するのが良いでしょう。
模試でいい点が取れたといっても勿論、安心できません。学力は入試前日まで向上します。諦めず、手を抜くことなく、最後までやり抜く姿勢が必要です。