5年生までは、「中学受験のベース作り」です。麻布中学を受験するからと言って、頻出の出題範囲のみに絞って学習する生徒さんがいますが、6年生後半からはじめる場合は別にして、おすすめできることではありません。
広い範囲の学習をすることによって、問題を解く際の着眼点を多く習得でき、単元を超えた応用力が身につきます。是非、単元にこだわらず、全範囲を十二分に学習してください。
ベース作りは学力だけではありません。学習の仕方、姿勢も非常に重要です。5年生までにいい習慣を作っておけば、6年生になってから慌てることなく、受験体制に入ってゆくことができます。
ここでは、
学習の仕方や姿勢の基本を挙げます。指針となると同時にチェック
ポイントにもなります
ので、お子さんの現状把握の際に役立ててください。
また、これは、麻布中学を志望している生徒さんに限ったことではなく、中学受験で合格を目指す生徒さん全員に当てはまることです。当たり前のことばかりですが、是非ご一読下さい。
“基礎力”については“麻布中学への合格戦略(リンク)”に説明してありますので、参照してください。
絶対やってはいけないのは
問題の内容や解説を理解せず、解法だけを暗記し、問題の数字を
入れ込んで答を出す学習法
です。
目先の点数獲得やクラスの昇降にとらわれて、このような学習法をする方がいらっしゃいますが、非常に危険です。
クラスがあがって行くのはいいことですし、生徒さんのモチベーションも向上します。しかし、無理やりあげても、そのクラスの授業では理解がすすまないことも多いのです。
また、少々カンのいい生徒さんの場合、この方法で5年生まではある程度の点数が取れますが、6年生になると極端に成績が落ちてきます。こうなってからの学習方法の修正は非常に困難なものとなります。それを防ぐためにも、問題や解法の理解を深めてください。
速さや食塩水の問題で、覚えやすい簡単な解法がありますが、あまりおすすめできません。そのときは簡単に早く解けますが、単元の理解を深めることもできず、少々ひねって問題を出されると解けなくなってしまいます。
“基礎力”をつけると同時におすすめしたいのは、
できなかった問題、解説を聞いても理解がすすまなかった問題はコピー
などをとってファイルして置くこと
です。
そのときにどこがわからないか、何が疑問かも書いておくといいでしょう。そして、5年生の後半や6年生になってから、もう一度解いてみましょう。その時は解けなかったり理解できなかったことも、時間がたてば理解できることは沢山ありますし、後々の学力向上にもつながります。
当たり前のことですが、問題を理解せず、すぐに解法を覚えようとする生徒さんが多いのです。
これは、偏差値が比較的高い生徒さんでも一緒です。能力があるにもかかわらず、点数の結びつかない原因の一つはここにあります。必要以上にあせったり、単純な効率主義に走らず、5年生のうちに徹底してください。
問題文を理解する学習法は
①問題のポイントをノートに書き出すこと
・条件に出されている数
・問題文の流れ
・何が問われているのか
↓
②問題文の要点を四角で囲むこと
①がきちんとできるようになったら②に移行してください。この習慣を身につければ、読み間違いや読み落としはぐんと減ってきます。
ただし、テストの時は時間がないので②を実践してください。