1 | A |
---|---|
2 | (1)A (2)B |
3 | (1)B (2)B |
4 | (1)B (2)C |
5 | (1)A (2)B (3)C |
6 | (1)A (2)A (3)C |
A…麻布中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題
図形の平行移動で重なった部分の面積を求める問題です。
2つの図形が動く問題ですが、相対速度にすることで作図しやすくなります。
図の辺の長さも求めやすく、最初の問題としては解きやすかったのではないでしょうか。
速さと比の問題です。距離の比と速さの比が分かっているので、そこからかかった時間の
比を求めます。一定のものはありませんが、比と比の商に着目すれば難しくない問題でした。
ここで求めた速さを(2)で使用するので、確実に正解したいところです。
旅人算と速さの比の問題です。(1)で求めた速さの比を用いて、速さを比でおき、そこ
から距離も比で表していくことで、まこと君の速さを求めることができます。途中の計算
が分数になるため、自分の解法に自信をもって解き進められたのかもポイントだったと言えるでしょう。
規則性(植木算)の問題です。縦2列、横3列の例を見ながら考えることで、縦10列、横20列の場合に何か所重なり合うのかを、確認しながら解くことができます。ミスなく確実に解きたい問題です。
貼り合わせた図形全体の面積を求める問題です。(1)で重なり合う部分が何か所か求められれば、あとは紙のない場所が何か所あるかを考えるだけです。
重なり合う部分の面積や紙のない部分の面積は、相似比を用いることで計算量が減り、時間短縮につなげることもできます。
1.07×A+2.13×Bの答えの小数部分が0.78となる、AとBの組み合わせ(AとBの和は32)を考える問題です。数に何か規則があるのでは、と考え書き出していくのも有効です。ここではA=32、B=0の時の小数部分と、A=31、B=1の時の小数部分の変化を求め、Aが1減るごとにどのように小数部分が変わっていくのか、という規則を見つけましょう。
少し時間はかかりますが、見直しが出来ますので確実に正解したい問題と言えるでしょう。
(1)で規則を見つける、という流れをつかめていれば(2)でも同様の作業ができます。
A=160、B=0の時の小数部分は「20」、A=159、B=1の時の小数部分は「26」と6増えているので、小数部分が36となるAとBを求めます。20+6×36=236となりますので、
根気よく確認していく必要がありました。1組見つけられると残りは計算で求めることができます。
スイッチを押すとライトがある規則によって変化する装置を用いた場合の数の問題です。
(1)は規則さえ理解できていれば解ける問題でしたので、ここは確実に正解しましょう。
(2)(3)は複数ある答えの中から1つ答えれば良いので、時間をかければ見つけることは可能です。しかし、どのように考えていけばよいか着眼点がわかりにくく、この問題は飛ばして先に大問6に進んだ受験生も多かったのではないでしょうか。
詳しくは「合否を分けた1題」で解説いたします。
サイコロを2個振り、目の積が同じになるような組み合わせが4通りある積を求める問題です。この後の(2)(3)も同じルールで解きますので、最初に「2つのサイコロの目の組み合わせと積」の表を作っておき、どの積が何通りあるかを書き出しておけば楽に解けます。このように時間をかけても大問全てを手短に解けることはよくありますので、場合の数の問題は全ての設問に目を通し、何をすれば効果的か考えるようにしましょう。
目の積が同じになるような組み合わせが2通りある積を求める問題です。(1)で表を作っておけば簡単に解けたはずです。
4つのサイコロをふり、2つずつの目の積が等しくなるような目の出方を求める問題です。
かなり面倒ですが、これも表を作っておくことで解きやすくなります。例えば、A×B=C×D=8となる場合、AとBの組み合わせは2通り、CとDの組み合わせも2通りありますので、全部で2×2=4通りになります。これを全ての積について考え、計算式をまとめて求めます。見た目よりも解きやすく、大問5を飛ばしてこの問題を解いたほうが、得点は上がったものと思われます。
例年、麻布中の算数は「平面図形や速さにおける比の習熟」や、誘導に沿った「丁寧な作業力」と「関連付けて考える力」が問われることが特徴です。
ただ難度は年度によって多少上下し、それに伴って4科目の合格最低点も上下することも特徴として挙げられます。今年度の算数は、規則性・調べ上げに関する問題が多く、作業量も多い問題が続き、作業の正確さで点差がつく出題だったと言えます。ただし全体の難易度で見ると、前半部分がそれほど高くないため、平均点は少し上がるものと思われます。
そのような今年の出題において合否を分けた一題として挙げられるのは、麻布対策の軽重が得点差として最もあらわれやすい「調べ」を題材にした大問5です。
規則をもとに、どのライトを押すとどのライトが変化(点灯から消灯、または消灯から点灯)するかを表にまとめます。
変化するライト | 押されたボタン |
---|---|
1 | 1 |
2 | 1、2 |
3 | 1、3 |
4 | 1、2、3、4 |
5 | 2、4、5 |
6 | 3、4、6 |
7 | 4、5、6、7 |
消灯している状態をスタートとすると、ライトの変化が奇数回だと「点灯」、偶数回だと「消灯」していることになります。
つまり、すべてのライトを消灯させるには、すべてのライトの変化の回数を偶数回にすれば良いということです。
今、ライト1を押した回数をA回、2をB回、3をC回、4をD回、5をE回、6をF回、7をG回押したとします。
このとき、それぞれのライトが変化する回数を式にします。なお、最初についている2のライトは1回最初に変化していると考えます。
ライト1 A
ライト2 1+A+B
ライト3 A+C
ライト4 A+B+C+D
ライト5 B+D+E
ライト6 C+D+F
ライト7 D+E+F+G
この値がすべて偶数になれば良いので、
①Aが偶数 ということがわかり、
②Aが偶数なら、Bは奇数、Cは偶数となります。
③Aが偶数、Bが奇数、Cが偶数なら、Dは奇数です。
④Bが奇数、Dも奇数なら、Eは偶数になります。
⑤Cが偶数、Dが奇数なら、Fは奇数です。
⑥Dが奇数、Eが偶数、Fが奇数なら、Gは偶数です。
全部で3回押していますので、奇数であるB=D=F=1となります。
つまり、ライト2、ライト4、ライト6を1回ずつ押せば全て消灯することになります。
答え 例 2→4→6 (他にも4→6→2など。2、4、6を1回ずつ押せば正解)
(2)と同様に考えます。今度は1、4、6を最初に1回ずつ変化させておきます。
ライト1 1+A
ライト2 A+B
ライト3 A+C
ライト4 1+A+B+C+D
ライト5 B+D+E
ライト6 1+C+D+F
ライト7 D+E+F+G
この値がすべて偶数になれば良いので、
①Aが奇数 ということがわかり、
②Aが奇数なら、Bは奇数、Cも奇数となります。
③A、B、Cが奇数なら、Dは偶数です。
④Bが奇数、Dが偶数なら、Eは奇数になります。
⑤Cが奇数、Dが偶数なら、Fは偶数です。
⑥Dが偶数、Eが奇数、Fが偶数なら、Gは奇数です。
全部で5回押していますので、奇数であるA=B=C=E=G=1となります。
つまり、ライト1、ライト2、ライト3、ライト5、ライト7を1回ずつ押せば全て消灯することになります。
答え 例 1→2→3→5→7
(他にも7→1→5→3→2など。1、2、3、5,7を1回ずつ押せば正解)