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算数の合否を分けた一題

麻布中入試対策・算数の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

(1)A  (2)A  (3)A
(1)A  (2)B  (3)C
(1)A  (2)B  (3)C
(1)B  (2)C  (3)C

A…麻布中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

問題別寸評

単位に気を付けて丁寧に割り算、足し算を行うだけの問題です。
秒が分数になりますが、非常に基本的な出題なので、麻布中合格を目指すならば落とせません。

平面図形と比の標準問題です。全体の面積を1と置いても、公倍数である6の倍数で置いても良いでしょう。いずれにせよ負担の小さな問題です。

(1)

5年生の速さと比の導入で扱うような基本問題です。
線分図で状況を整理し、①が210mにあたることを確認しておきましょう。

(2)

速さと時間の逆比を用いる基本問題です。
②が8分にあたることから、太郎の所要時間は12分、次郎の所要時間は20分と求めましょう。

(3)

条件は多いものの、丁寧に整理すれば決して難しくはない問題です。
太郎は出発から到着まで22分かかり、うち7分は買い物をしているので、結局「はじめは140m/分、途中からは100m/分、合計15分で1680m進んだ」という、典型的なつるかめ算と言い換えることが出来るでしょう。

(1)

正方形の横の長さに注目し、数直線で整理するとスムーズでしょう。
丁寧さが問われますが、麻布中合格を目指すならば落とせない問題です。

(2)

(1)と同様、数直線で整理すると良いでしょう。
3枚の重なりなので、細かな注意力が問われます。

(3)

(1)(2)の条件を併せて、正方形の中に数値を記入することで条件を整理する、かなり処理量の多い難問です。
今回は大部分が黒く見えることが自明なので、全体から白い部分と灰色の部分を除くことで計算量を減らしましょう。
完答することは難しいものの、部分点は取りやすい問題です。

(1)

千の位が1の時、残りの百・十・一の位の和は8になります。
こちらを和分解すると45通りになり、千の位が2の時を小さい順に並べると2007と2016というように麻布らしい題意の把握と適切な作業が問われる良問です。

(2)

「5でちょうど3回割り切れる」ということは5×5×5=125の倍数になり、また問題の条件から9の倍数である、すなわち125と9の公倍数である1125の倍数であると言い換えて調べます。「各位の和が9」という条件の見落としに気を付けましょう。

(3)

「2でちょうど5回割り切れる」とは「素因数分解して2が5個」と言い換えましょう。
なお素因数分解して2が6個以上になる場合を含まないよう注意が必要です。
結局、2の5乗の32の倍数かつ9の倍数である288の倍数のうち、288に奇数をかけて1000以上9000以下のものを書き出し確認していく、作業量の非常に多い問題です。

(1)

難関校においてたびたび扱われる「フラクタル」をテーマにしているものの、着眼点は非常に斬新な問題です。
ただ(1)の黒い正方形は基本問題なので落とせません。白い部分も、例2の結果の黒い正方形の数+つながった部分と考えられるので難しくはないでしょう。

(2)

(1)の結果の黒い正方形のうち、もとの正方形の外周に接している8個分だけ、白のつながっている箇所が増えます。
状況を捉えにくい難問です。

(3)

(2)の後、黒い正方形は400個なので、操作Aを行うと(1)より白のつながっている部分は401箇所になります。
その後、操作Bを行うと(2)の考え方より、もとの正方形の外周に接している16個分だけ、白のつながっている箇所が増えるので417個と考えられます。
麻布らしい誘導を用いる問題ですが、難度は非常に高いです。

合否を分けた一題

例年、麻布中の算数は「平面図形や速さにおける比の習熟」や、誘導に沿った「丁寧な作業力」と「関連付けて考える力」が問われることが特徴です。
ただ難度は年度によって多少上下し、それに伴って4科の合格最低点も上下することも特徴として挙げられます。
直近の3年に注目すると、平成25年度、平成26年度は難度が高めで合格最低点も低い水準に抑えられたことに対して、平成27年度は麻布らしい出題が抑えられた、ある意味「普通の」問題が多かったこともあり、合格ラインは高めの水準になりました。

そして迎えた平成28年度は、麻布らしい発想力が問われる問題が5・6で配置されてはいたものの、問題の難易度の設定が極端で、大失敗はしないものの高得点を狙えない、結果として差がつきにくい出題となりました。
おそらく結果として多くの生徒が30-40点に集中してしまったのか、4科の合格最低点は103/200と、やや低めの基準となりました。

そんな今年の出題において合否を分けた一題として挙げられるのは、「素因数分解」「倍数の性質」「丁寧な調べ上げ」など、麻布対策の軽重が得点差として最もあらわれやすい大問5であると言えるでしょう。

ここでは(3)を例に、考え方や作業の手順、細かく気を付けるべき内容を確認してみましょう。

(条件1)
2でちょうど5回割り切れる=素因数分解して2が5個=2×2×2×2×2=32の倍数
(条件2)
各位の和が9=9の倍数

⇒(条件1)(条件2)より32と9の公倍数だから288の倍数=288×□

2で「ちょうど5回」だから□が偶数の場合、6回以上割れてしまうことになり、条件に合わないため、□は奇数

また□の範囲は
1000÷288=3.47222… ⇒5以上
9000÷288=31.25    ⇒31以下

よって候補を調べていくと
288× 5=1440 ○
288× 7=2016 問題例
288× 9=2592 ×
288×11=3168 ×
288×13=3744 ×
288×15=4320 ○
288×17=4896 ×
288×19=5472 ×
288×21=6048 ×
288×23=6624 ×
288×25=7200 ○
288×27=7776 ×
288×29=8352 ×
288×31=8928 ×

よって1440、4320,7200・・・(答)

注意すべき点が多く、また作業量も多い、難度が高い問題です。
ただ麻布対策を進めてきた受験生にとっては288×奇数という条件まで導くことが出来て、あとは調べるだけという状況まで進められて、部分点を獲得することが出来たことでしょう。

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