麻布中学の校風は、皆さんもご存知の通り、“自由”です。校則も制服もありません。自由な環境の中で、自分で考え、判断し、行動してゆく。このようなことを通して、自立した精神と個性を育む教育方針です。
ごく普通の学校であれば退学になるようなことをしても、麻布中学は退学にすることもなく、できるだけ本校で抱え込み、本人が自立的に成長することを待つ、創業者 江原素六先生の教育精神が今でも生きています。
このように書くと、単なる放任主義と思う方もいらっしゃるでしょう。麻布中学OBの方、在校生の中にも「麻布の先生は何もしてくれない」と思ってる方も多いかもしれません。
しかし、先生のお話ですが、1人の生徒が問題を起こした場合、全教員が集まり、職員会議において、1人の生徒のためだけに話し合うとお聞きしています。
「退学にしたほうがいいのでは?」「やはり、最低限の校則は必要なのでは?」という意見もよく出るそうです。最終的には「退学にはせず、最低限の指導で様子を見る」という案に落ち着くと言います。
放任主義ではなく、生徒の今後の自立を信じて、きちんと生徒を見守ってゆく、そういう学校なのです
多少羽目を外すことは必要だと思います。そのようなことをしながら、「自分は何をするのか」「なにをしたいのか」を見つけてゆくのです。
しかし、だからといって、なんでもしてよいわけではありません。校則がないのは、生徒が、各自自分にあったルールを作りなさい、ということです。
ルールを自分で作り、時と場合に応じて、自分がどう行動するかを判断し、その中で自分がやりたいことを実行してゆく、そういうことができる生徒、あるいは、そういう人格を形成したいと願う生徒には、適した環境と言えるでしょう。
もし、この校風を理解した上で、麻布中学を目指すのでしたら、我々は助力を惜しみません。一緒にがんばってゆきましょう。