秋に開催された麻布中学校の学校説明会!多くの著名人を輩出した名門中学の学校説明会には早朝から多くの父兄がかけつけました。ここでは当日配布された資料やOB関係者の取材をもとに読者のかたにレポートをお届けしたいと思います。
目次
(1) 自由闊達な江原素六精神とは
(2) 多岐分野で活躍する卒業生を知ろう
(3) 独自のカリキュラムを理解しよう
① 国語
② 数学
③ 英語
④ 理科
⑤ 芸術
⑥ 体育
(4) あこがれの学校生活は?
(1)自由闊達な江原素六精神とは
麻布学園は東京・港区の日比谷線広尾駅から有栖川公園に向かって坂を登ったところに位置します。
周辺には有栖川宮記念公園や秋篠宮悠仁親王のお生まれになった愛育病院、麻布運動場テニスコート、元副総理金丸信邸などがあり、都内の私立中学の中でも申し分のない立地環境にあります。
その歴史も古く明治28年、貧しい武士の家に生まれた徳川の幕臣であり、後にキリスト教信者となった江原素六によって創立されました。設立当時は麻布尋常中学校としてプロテスタント系女子校の東洋英和学校内に校舎を置いたが、後に麻布中学校と改称し、現在の地に移転しました。
物事を自主的に考え、判断し、自立した行動のとれる人物の育成を目標に掲げた「自主自立」の江原精神は現在も自由闊達な校風に伝統的に受け継がれています。
(2)多岐分野で活躍する卒業生を知ろう
麻布出身者には政財界をはじめ、学界、文学界、芸能界、ジャーナリストなど、幅広い分野で活躍する逸材が多数います。
まず政界においては「麻立会」といった麻布出身の政治家とその後援者による党派を超えた会がある。所属メンバーには第91代総理大臣福田康夫氏、元自由民主党総裁谷垣禎一氏、元国務大臣与謝野馨氏、元経済産業相平沼赳夫氏、みんなの党所属柿沢未途氏などがいます。また、第82,83代総理大臣橋本龍太郎氏もかつて所属していました。
つぎに財界で有名なのは元西武球団オーナーの堤義明氏、元経団連副会長三木繁光氏、元ソニー副会長伊庭保氏など。ジャーナリストでは、NHKに入局するOBも多く、元チーフディレクターだった高島昭一氏、藤田太寅氏、平野次郎氏、退局した後高知県知事になった橋本大二郎氏などがいます。
文学界においては、吉行淳之介氏、山口瞳氏、北杜夫氏、なだいなだ氏、倉本聰氏などの作家がいます。芸能界で有名なのは久米明氏、牟田悌三氏、神山繁氏、フランキー堺氏、加藤武氏、小沢昭一氏、中谷昇氏など麻布生らしい個性が光る俳優陣が数多いです。
(3)独自のカリキュラムを理解しよう
6年間のカリキュラムは学校独自で、中学一年から高校2年までの5年間で必修課程を修了し、高校3年の一年間は大学受験指導を行います。配布された資料をもとに各教科について紹介しましょう。
①国語…中学では確実な読解力・表現力を身に付け、幅広い人間理解力を身に付けると 共に豊かな感性・論理的思考力の育成を目標としている。中学3年次に中学3年間の集大成 として共同卒業論文の課題があります。高校では、中学生の授業で学習したことを基礎として、さらに深く理解力や表現力を養うために多様なテーマの小説や評論文を取り上げています。
②数学…既存の検定教科書は使用せず、中学・高校の6年間を見越した独自のカリキュラムのもとに編成したプリントを教材とした授業を行い、基礎的な計算力・論理力・思考力を身につけます。中学1年・2年から代数と幾何の2科目を設定しています。中学3年から高校数学の授業内容を取り入れ、高校2年には文系理系の進路を配慮して選択制を取り入れています。
中学生の代数では、方程式・不等式・関数の基礎を勉強していき、文字式の操作方法を習得して、抽象的な数学表現を使えるようにしていきます。幾何の授業では、平面図形と立体図形を学び、平面図形を理解することによって論理的思考を身に付け、立体を理解することによって空間の把握能力を身に付けます。繰り返し演習を行い、低学年のうちに高い習熟度を培うことを目標としています。
麻布学園では一連のカリキュラムを通じて、問題の背景にある数学的構造を見抜く姿勢と手を動かして問題を解くことによりその性質を発見する姿勢と直感的なイメージを数学的に表 現する姿勢を重視しています。
③英語…中学では徹底した基礎力を養うこと、生徒の持つ能力を引き出すことを目標にかなりの質量の内容となっています。中学1年から3年までは「英語を聞くこと」「英語を話すこと」などの語学教育のために外国人講師による週1時間の授業も行っています。
高校ではリーディング・ライティング・リスニングを重視し、総合的な力が身につくようなカリキュラムを独自に指導しています。受験英語ではなく社会に出てから役立つ語学教育を目標としています。
④理科…中学1年から高校1年までを必修とし、中学1・2年で、化学・物理・生物を履修す る。中学3年・高校1年では実験だけでなく論理的考察も重視しながら、基本法則の理解を充分に深めています。
高校2年次には物理、化学、地学、生物の中から2科目を選択必修としている。高校3年次では選択した2科目を自由選択としています。
⑤芸術…中学1年から中学3年までに美術、音楽、書道を履修します。
⑥体育…中学1年から高校2年まで柔道又は剣道のどちらかが選択必修です。
(4)憧れの学校生活は?
1学年300名の7クラス編成で、原則として各クラスに正副2名の担任がつく。毎年クラス替えを行うが、各クラスで生徒の成績が偏らないように成績等によるクラスではありません。
制服の規則はなく、詰め襟・黒ボタンの学生服を「標準服」としていますが、標準服を購入した生徒の大多数も入学後1ヶ月の間に着用しなくなるのも麻布の伝統とか。
3学期制で、1・2学期の中間試験、期末試験と3学期の期末試験の計5回の定期試験があります。中学1・2年次には数学と英語の小テストが頻繁にある上にレポート提出も行わせて基礎を身につけます。定期試験前には自由参加の補習があり多くの生徒が参加します。
また、通塾率も高く、特に中学1年生から英語の塾に通う生徒が多いようです。
これは、学校で教える英語はいわゆる受験英語ではなく、社会に出てから役立つ英語なので受験を意識した英語学習の必然性があることと、他の教科は中学受験に向けてかなりのレベルまで学力が付くのに対して、英語は殆んどの生徒がスタートラインなので早いうちから大学受験を意識した英語学習を求めた結果だと思われます。
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