麻布中学を受験するにあたり、一番重要なのは学習姿勢です。テクニック、時間効率、公式のまる覚え、ポイントのみをおさえた効率的な学習、講師が教えてくれるまで待っている受身な姿勢、こういった学習態度では麻布中学の問題に太刀打ちできません。
ある現象を見たとき、それは一体何か、なぜそうなっているのか、他に似たものはないか、いつからそうなったのか、不思議に思い、自分で考え、その考えが正しいかどうか自分で調べてみる、こういう姿勢が大事です。
「水のすがたの変化」を例に挙げて説明しましょう。
上の図は基本として習います。まず覚えることが大事ですが、それだけでは本質的な理解へ深まりませんし、他の単元とどんな関係があるのか、などに発展しません。
なにか一つを学習した時に、どういう姿勢で臨めばいいのか、ポイントをあげてゆきます。
上の図を見せて質問は? と聞くと「ありません」と言う生徒が増えています。疑問を持つことの訓練が必要です。なんでもいいので上の図を見て、疑問に思うこと、不思議に思うことをあげてみましょう。
・なぜ、水蒸気は目に見えないのか
・ふっとうするとなぜ、100℃までしかあがらないのか
・100℃以外の温度では絶対に水はふっとうしないのか
・0℃以外で凍ることはないのか
・重さはかわらないのに、なぜ、気体になると1700倍に体積が増えるのか
・普通冷やすと体積が少なくなるのに、水は氷になるとなぜ、体積が増えるのか
・蒸発とふっとうの違いは
・ふっとうして水蒸気になるのはなんとなく理解できるが、
なぜ、蒸発して水は水蒸気になるのか
・氷から水になるときなぜ、0℃のままなのか
・寒剤は、食塩+氷 だが、なぜ、0℃より低くなるのか
・寒剤は、砂糖+氷 ではだめか
まだまだあると思います。どんどん挙げてみてください。小学生には理解しにくいこと、まだ誰もわかないことも多く含まれるかもしれませんがそれでもいいのです。
疑問点をあげたら、その中の一つを選んで(すべてできるといいのですが)、自分で考えてみましょう。自分なりに答を出してみるのです。その次に図書館などに行って調べてみましょう。
こういうことを低学年のうちから習慣にしておくと理科の学力は格段に伸びてゆきます。