1 | (1) A (2) A |
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2 | (1) A (2) A (3) B (4) A |
3 | (1) A (2) A (3) B (4) B (5) A (6) B(7) A (8) B |
4 | (1) A (2) A (3) A (4) A (5) A (6) A(7) A (8) A (9) B |
5 | (1) A (2) A (3) A (4) A (5) B (6) B(7) B (8) A (9) A |
A…浅野合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2018年度の浅野は、例年通り、基本的知識を問う問題と、少し突っ込んだ知識をきく問題、情報を整理して考え、数的処理力と計算力が求められる問題が出されています。
平均得点率は68.1%(昨年度60.7%)、合格者得点率は76.0%(昨年度70.3%)と、昨年度と比べて高くなっています。問題の題材が、比較的典型的なものが多く、しっかり受験勉強をしてきた生徒にとっては、対応しやすかったのではないでしょうか。
生物分野の問題は、ヒトの消化の基本と、外来種と在来種についての問題。
地学分野の問題は、地層のでき方についての問題。
化学分野の問題は、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液との中和反応についての問題。
物理分野の問題は、ものの運動と音の伝わり方の問題。
カラー写真を活用し、図を見て判断する問題も出されていて、普段から観察や実験を通して考えたり、図鑑や資料集、映像などで調べ学習を行ったりといった姿勢があるかが問われるものでした。
また、かなり高度な計算問題が出されており、根本原理の理解と算数的な考え方、さらには、解ききるための計算力を身につける必要があります。
問題構成は、4分野から大問5題、小問43問。小問数は若干増えています。
解答形式は、記号選択が24問、数字が13問、言語が5問、グラフが1問。昨年あった、記述がありませんでした。
選択肢は、かなり突っ込んだ知識問題であっても、消去法で対応できるものもあります。
数字は、レベルの高い計算問題を含み、出題数も増えています。
言語は、基本の知識を問うものでした。
グラフについては、問題の指示をよく読み、点を入れるところ、線を引くところを、ミスのないように注意が必要です。
(生物)ヒトの消化についての問題です。
ごく基本の知識の問題です。
ここは確実に得点し、点数の土台としなければならないところです。
タンパク質の消化は、胃からはじまります。
すい液は、タンパク質・脂肪・炭水化物それぞれにはたらく消化酵素を含んでいます。
表面積を多くすることで、物質のやり取りを効率的に行えるしくみの例には、いくつかあります。
出題頻度が高いポイントですので、整理しておくとよいでしょう。
(生物)外来種と在来種に関する問題です。
時事的題材として、ヒアリが出されました。
少々つっこんだ知識問題となっていますが、日本固有の生物について対策していた生徒には、有利だったのでないでしょうか。
A:日本の高山に生息しているのはシラカンバとシラビソです。シラカンバはカバノキ科の植物で、双子葉類です。シラビソはマツ科の植物で、裸子植物です。
B:クマゼミは温暖な気候を好み、西日本に多く生息します。北海道にはツキノワグマはいませんが、ヒグマは生息しています。
C:ヤンバル(山原)は、沖縄県沖縄本島北部の、山や森林など自然が多く残っている地域をさします。ヤンバルクイナは、ほとんど飛翔することはできず、天敵に襲われたり、交通事故にあったりして、生息数が減少しています。
環境に適応し、葉の形や気孔の開閉が、他の植物と異なるものとして、サボテンがあげられます。
高校生物の範囲ですが、最近、ちらほらと出題されることがありますので、調べておくとよいでしょう。
アオダイショウは、北海道から本州まで生息する日本固有種で、毒をもたず、ヒトとの関りが深いとされています。
「ヒアリ」は、本年度に大きな話題になりました。
ほとんどの生徒が書けたのではないでしょうか。
(地学)地層のでき方に関する問題。
地層のでき方とやや詳しめの岩石に関する知識を問う問題です。
特に、火成岩のでき方や、鉱物の種類と特徴について、しっかり理解できていることが求められています。
基本の知識です。
ほとんどの生徒が書けたのではないでしょうか。
X層は、「れき→砂→泥」の順に堆積しています。その間、この海底はだんだん深くなったと考えられるので、海水面は上昇したと考えます。取り違えないように、落ち着いて考えましょう。
知識の問題です。泥と砂の境界を0.06mmとおぼえていた生徒が多かったのではないでしょうか。
1/16=0.0625ですから、アを選びます。
花こう岩・はんれい岩はともに、ゆっくり冷やされてできる深成岩ですが、含まれている鉱物の種類がちがいます。地下深いところでできるはんれい岩は、結晶になる温度が高い黒っぽい鉱物を多くふくみます。はんれい岩と残りのマグマが一緒に上昇したあと、比較的低い温度で残りのマグマがゆっくり冷やされて、白っぽい結晶となり、花こう岩になったと考えます。
このような原理を知っていなくても、消去法で選ぶこともできます。泥岩がはんれい岩に変化することはないので、アはちがいます。はんれい岩は深成岩なので、イもちがいます。貫入は海底とは関連がないので、エもちがいます。
恐竜(中生代)よりも新しい時代の化石を選びます。サンヨウチュウとフズリナは古生代、マンモスは新生代です。ウミユリは示相化石ですが、深海にすむことから、砂岩ではなく泥岩で見つかるはずなので、あてはまりません。
花こう岩を見たことがあれば、迷わずⅠを選ぶことができます。深成岩なので、結晶が成長しているⅱ、無色鉱石として、セキエイやチョウセキを選びます。
ウ→イ→ア→エの順になります。
Y層は花こう岩で切られ、花こう岩は不整合面で切られていることを手がかりにします。
このあと、エで風化し、再び海底になり、不整合面ができたと考えられます。
消去法で考えます。
ア:はんれい岩は、火山岩ではなく、深成岩です。
イ:F層の凝灰岩は、火山灰の層が固まったものです。火山灰は同時に降り積もるので、時代のあとさきを考えるとき、目印になる層(かぎ層)として利用できます。
ウ:C層ができたのは、貫入のあとです。
エ:地層の厚さと堆積にかかった時間は関係がありません。
(化学)塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和に関する問題。
昨年に続き、本年も水溶液の反応に関する計算問題が出されました。
まずは、過不足なく反応する量を整理し、定石通り処理することで対応できます。
塩化水素の水溶液は塩酸で、酸性を示します。
BTB溶液は黄色になります。
B・C・Eは濃度が同じなので、溶質の量と溶媒の量は比例関係です。
CはBの2倍、EはBの3倍です。
水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性です。
したがって、フェノールフタレイン溶液は赤色になります。
G・I・Jの上昇温度が同じなので、濃さが同じであると考えます。
JはGの3倍なので、100×3=300より、Zは300.
塩化水素1L+水酸化ナトリウム1.78g→食塩2.6g+熱量10.6×100カロリー
を基準とします。
BとHを混ぜると、水酸化ナトリウムがあまります。
Cはアルカリ性、Eは酸性を示します。
Dには、塩化水素が5Lとけています。
過不足なく反応する水酸化ナトリウムは、1.78×5=8.9(g)
Dの水は200mLなので、10.6×100×5÷200=26.5(℃)上昇します。
20+26.5=46.5(℃)
塩化水素6Lと水酸化ナトリウム6gでは、塩化水素があまります。
白い固体は食塩だけなので、2.6×6/1.78≒8.8(g)
(物理)ものの運動と音の伝わり方に関する問題。
前半は算数の旅人算の問題として処理します。
ドップラー効果については、誘導にしたがって解き進むとよいでしょう。
始めの10秒間でBが100mリードし、次の10秒間でAがBに追いついて並びます。
このあと、Aがリードし、毎秒30mずつ離れていきます。
Bは、はじめの10秒後で30×10=300(m)進み、はじめから20秒後には300+20×10=500(m)、50秒後には500+10×30=800(m)移動しています。
指示通りに、3つの「・」をまずプロットし、原点から順に3本の直線で結びます。
AがBに追いつくのはスタートから20秒後ですから、グラフから、移動距離は500mです。
331+0.6×15=340より、音の速さは毎秒340mです。
→合否を分けた一題参照。
(50+2.57)-(30+0.86)=21.71(秒間)
音を出していたのは20秒間で、これを21.71秒と、より長い時間をかけて聞くことになるので、1秒あたりの振動数が小さくなり、低い音に聞こえます。
音源が遠ざかるときに低く、近づくときに高く、音の高さが変わって聞こえます。
これを、ドップラー効果といいます。
ドップラー効果の計算問題は、ときおり出題されますが、ここでは、前半の運動のようすがしっかりイメージできていることが前提となっていて、ややハードルの高い設定となっています。
とはいえ、それほど煩雑に考える必要はありません。
音源と聞く者の距離と、音と聞く者の相対的な速度さえわかればよいのです。
音源と聞く者の距離は、聞かれている音が出た時間に進んだ距離の差で求めます。
相対的な速度は、「音の速さ+聞く者が音源に近づく速さ」で求められます。音を出したAとBは、相対的に離れるのですが、Aから出た音は、Bに向かって進みます。
この点をしっかりおさえ、旅人算の考え方を当てはめることができたかどうかが、合否を分けたと考えられます。
スタートから30秒後に出した音について考えます。
このときAとBは300m(30×10)離れています。
後ろを走るBに向かう音と、Aを追うBの速さから、音とBは毎秒350m(340+10)の速さで近づきます。
300÷350≒0.86(秒後)
スタートから50秒後に出した音について考えます。
このときAとBは900m(30×30)離れています。
後ろを走るBに向かう音と、Aを追うBの速さから、音とBは毎秒350m(340+10)の速さで近づきます。
900÷350≒2.57(秒後)