JGは4教科均等配点ですから、1教科でも足を引っ張る科目があると厳しい入試になります。6年生後半は4教科の学習バランスを考慮しつつ、各自必要な学習に取り組んでいきましょう。
9月からの算数は、①各塾のJG対策講座、②過去問演習、③東京出版『プラスワン問題集』、④各塾の通常授業、という優先順位になります。
①については、塾ごとに多少のカラーの違いがありますが、英知を集めて研究し作成したテキストやテストですので、正しく取り組めば非常に学習効果が高いと言えます。
②については、最低でも10年分は実施。時間配分の基準は各自に合わせて提案します。出題傾向をつかむ、時間配分のコツをつかむ、その時点での自分の弱点を知る、というが過去問演習の3大目的ですから、1年分を終えるごとに必ず反省点を洗い出し、次回の過去問演習につなげていきましょう。“求め方”の部分に何をどう書くのか当初は迷うでしょうが、添削・修正を繰り返すことで、必要なことを簡潔に表現する答案力を育成することができます。
なお、過去問の2回転目の取り組み方は生徒によって異なります。各塾のJG特訓を受講している生徒の場合は、2回転目で全セットに取り組む必要性はあまり感じられません。生徒個々に応じて指示を出していきます。
③東京出版『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転した生徒は、9月から2回転目に入ります。1回転目は時間不問ですが、2回転目は制限時間を設定します。10月末までに2回転目を終了させ、冬休みに入るまでに3回転目を終了させましょう。3回転目は2回転目で×だった問題のみで構いません。
夏休み中に取り組めなかった場合には、9月からスタートさせ、冬休みに入るまでに2回転目まで終了させましょう。
④については、どの塾も全分野にわたる網羅的な問題演習を行うカリキュラムになるので、間違えた問題の解き直し・理解だけは疎かにしないことです。
なお、各塾・各校舎の最上位クラスに在籍していて、男子最難関校に照準を合わせた授業が展開されている場合には、JG志望者にとって不要な内容ばかりになります。その際は、塾の通常授業の教材にはほとんど手をつけず、『プラスワン問題集』の制限時間内でのつぶし込みや、他校の過去問を素材としてJG頻出タイプの問題演習を行うことをおすすめします。
①SAPIXの学校別サピックスオープン(第1回が9月末・第2回が11月初旬)
JGオープンは本番より問題の難易度が高いのが特徴です。ただ、①~③のうち例年最も受験者数が多く(2009年は約450人)、本番に近い状態でJG志望者内の位置を最も正確に把握できる模試であると言えます。
②早稲田アカデミーのNN最難関オープン(10月末又は11月初旬)
NNのJGオープンは出題レベルが最も本番に近く、テストの完成度の高さが特徴です。 図形にやや比重がかかり過ぎの印象もありますが、本番での出題数の多さを考えると、やり過ぎて困ることはないでしょう。NN1組に在籍する生徒たちはJG受験という枠内においては他塾を含めてもトップクラスを形成する精鋭集団なので、他塾の上位生に是非勝負を挑んでもらいたい模試です。
③四谷大塚の学校別判定テスト(11月初旬)
四谷大塚自体はデータ分析に定評がありますが、JG判定テストに関しては母集団のレベルが他の2つの模試と比べて少々低く、成績の数値が甘く出てしまうきらいがあります。ただ、傾向に即した出題ですから、順位ではなく点数を意識して下さい。