中学受験のプロ講師陣が「志望中学合格対策ノウハウ」・「志望中学合格対策注意点」を公開!
男子御三家筆頭として長年にわたり東大合格者全国一位が続く進学校でありながら、生徒主導で行われる「運動会」は一見の価値ありです。質実剛健の校風のもと、文武両道を体現している学校です。
併願校としては、西大和・渋谷幕張・栄光・筑駒の他、海城・早稲田が一般的です。近年算数は極端な難問が減る一方点差が広がる傾向があり、確実性がより求められるようになっています。また国語は平成13年度以降全問記述問題になって以降、要旨説明の記述力養成が重要になっています。理科社会の配点も高い上、社会は満点を取りに行く気持ちで臨むことが必要です。
女子最難関として知られる桜蔭中。女子高等師範学校の同窓会である「桜蔭会」により大正13年に設立されました。自主性を重んじる校風の中でも大学進学は抜群で、東大の他医学部に多数の合格を誇ります。
併願校としては浦和明の星・渋谷幕張・豊島岡女子が定着しています。理系の桜蔭と言われることもありますが、国語の入試問題の難易度が非常に高く、2011年度は原爆を落とされた後の日本の様子を子供の視点から描いた文章を出題するなど、高いレベルの読解力を求める学校でもあります。一方、算数は極端な難問の類はあまり出題されませんが、作業量が多い調べ上げ問題や思考の過程をしっかり書かせる答案形式などに特徴があります。従って国語は記述力養成が、算数は答案作成訓練が合格への鍵となります。
明治28年江原素六により設立されました。自主自立の精神のもと自由な校風で知られ、総理大臣を2名輩出した伝統校です。また1950年代から50年以上東大合格者数トップ10に入る進学校として広く人気を集めています。
国語の文章量の多さや圧倒的な記述問題が特徴の麻布の入試ですが、麻布中は中3で1年間かけて「共同卒業論文」、高1では「修了論文」を作成するなど、徹底的に書かせる教育を行っています。そのような教育に耐えられる資質を持った生徒を獲得するために、特徴ある入試問題を作成していると考えられます。
自由な校風で知られる女子学院ですが、毎朝礼拝を行ったり、聖書の時間を各学年で設けるなど、プロテスタントの学校としてキリスト教の精神を土台に人間教育にも力を注いでいます。
入試では面接時に、あるテーマを決めて議論をさせるなど自主性も重んじ、入学後は作品制作やレポート提出などが盛んに行われるなど、生徒の学習意欲を尊重した多彩な学習が行われます。入試問題は4科目均等配点と、中学入試では珍しい形式を取り入れています。4科目とも入試問題の難易度は標準的ですが、時間の制約がきついため、処理能力の高さを求める問題内容になっています。
昭和32年元日比谷高長を迎え設立され、短期間で御三家と並ぶ人気・実績を築き上げた学校です。近年は医学部志向も強く、安定した進学実績を誇っています。大学進学を意識したカリキュラム・保護者と学校との密なコミュニケーションも人気の理由です。
併願校としては、本郷・攻玉社・世田谷学園などが一般的です。算数の難易度は非常に高く、高度な思考力と十分な演習量が求められる出題です。
国語は、文学的文章の長文一題で、記述の割合が5~6割程度です。漢字問題も多く出題され、知識、長文読解、記述とバランスのとれた問題形式になっています。
サンモール修道会の流れを汲む、明治42年設立の女子御三家の一角。「徳に於ては純真に、義務に於ては堅実に」という校訓のもと、カトリックの精神に基づいた女子教育を行っている。英語・仏語が必修科目で、語学教育を重視。
大学進学実績は東大・一橋大といった国公立には毎年一定数の合格者を、早大・慶大・上智大といった難関私立には毎年多数の合格者を出している。近年は医歯薬系合格者が増加傾向。
併願校は白百合・豊島岡女子・学習院女子・東洋英和など。
出題傾向は【算数】:計算が煩雑で処理に時間がかかる問題が多く、粘り強さが要求される。【国語】:記述問題中心で、言語要素の知識問題も毎年出題。【理科】基礎知識の定着を確認する問題から、実験観察の資料分析問題・理由説明問題まで、難易度に大きな幅がある出題。【社会】正確な知識の定着を前提としたうえで、リード文・設問文の丁寧な読み取りが要求される。
創立当初から校則はありません。規律ある本当の自由を求める教育を目指す学校です。11月の展覧会の日に学校主催の説明会が開催されます。
生徒の男女比は2:1。幼稚舎出身者は、男子で15%、女子は半分程度です。慶應義塾ならではの行事として、5月の慶早戦の応援があります。選抜なしで生徒の希望により塾内の高校に進学します。
例年倍率が男子6~7倍、女子10倍前後になる人気校です。1次試験は、筆記4科、国算各45分、理社各25分。2次試験は、体育、受験者のみおよび保護者同伴の面接。有名大学付属校併願(慶應系、早稲田系など)、女子は御三家との併願が一般的です。
出題傾向に照らし、算数は、問題の処理速度、手際の良さが必要です。国語は、高度な語彙力、韻文問題対応力、記号問題の処理速度が必要です。理社は、確実な知識と時事問題の理解、論理的思考力が求められます。
慶應義塾系の三つの中学校の中で一番歴史の古い学校。自由に、自ら決めたテーマに没頭して研究や作業をする「労作展」(9月)と「目路(めじ)はるか教室」(学問に対する志を同じくする者同士で学業の進んだ者が教え、同時にさらに上級の者に学ぶという、義塾の草創期の姿である「半学半教」を現代に復活させたもの)など特色ある教育を実施している。
筆記4科、面接(本人のみ)、体育実技の試験を同日に行う。学科試験重視とみられる。国算は各40分、理社は各30分。
算数は、解きやすい問題から正確に得点を重ねることが必要。国語は、語句知識・文法を含むオールラウンドな力が求められている。理社は、身近な出来事や現象に関する知識(常識)と思考力を試す出題がみられる。
併願パターンは、慶應附属校、浅野など。2日にSFCを受けない場合、学習院、青学、世田谷学園、攻玉社など。
大隈重信の教育理念に基づき、明治28年度に坪内逍遥らによって設立された、早稲田大学系列の中では最も古い伝統を誇る大学系属校です。早稲田大学の「学問の独立」に対し、「人格の独立」を掲げ、生徒の個性を尊重した自由な校風で知られています。早稲田大学の推薦枠は5割程度であり、国公立大学などの他大学受験に積極的で進学校色が強い学校になっています。
算数は平均点が10点以上下がる年度もあり、難易度の変化に動揺しないことが重要です。また平面図形・速さの分野で難易度の高い問題が出題されることがあるため、十分な対策が必要になります。国語は文学的文章と説明的文章の二題構成で、難易度は標準よりやや高めです。知識問題や選択問題、記述問題などバランスのとれた問題形式になっていますが、1回入試と2回入試では、難易度・記述問題の量に大きな変化がありますので注意が必要です。
キリスト教教育修士会によって設立された神奈川御三家の一角。「紳士たれ」の校訓のもと、人間教育に重きをおいた教育で、全国有数の進学校として知られている。特に学習面の面倒見の良さは、個人面談の頻度の多さ長期休暇中の講習、自習施設の充実から「予備校いらず」と称され、現役進学率の高さも特徴である。
もちろん学習面だけではなく文化祭・体育祭など学校行事にも力を入れ、総合的な学習環境が整っている。
中学受験においては都内御三家をはじめとする最難関校が一般的な併願校として挙げられる。出題の傾向は以下の通り。
【算数】他の男子最難関校と比べると途中式を問わない典型問題が多いが、そのぶん得点差が開きやすい。
【国語】客観問題と短めの記述問題から構成される。選択肢・記述のいずれにおいても文章全体の内容を俯瞰する力が必要。
【理科】客観問題が中心。4分野の知識をバランスよく身につけることが必要。
【社会】長い説明文に沿った記号選択と適語記入が中心。神奈川県や横浜市に関連した問題も出題される。
1901(明治34)年、大隈重信の教育理念を実現するために、早稲田大学の前身である東京専門学校の創立関係者によって設立されました。2001(平成13)年創立100周年を迎え、キャンパスを国分寺に移転し、2002(平成14)年からは男女共学校として新たなスタートを切りました。校是「去華就実(華やかなものを去り、実に就く)」と、校訓「三敬主義(他を敬し、己を敬し、物事を敬す)」を掲げ、人間性を重視した教育に特色があります。
早稲田実業中の併願パターンとしては、1月、立教新座(男子)、浦和明の星(女子)、2月、明大明治、中央大附属、法政大学などが一般的です。
出題傾向は、算数は共学校としては難易度が高く、平面図形・立体図形や調べる問題が毎年出題されます。国語は記述問題がほとんど出題されません。理科は細かい知識まで聞かれます。社会は地理・歴史・公民の3分野の融合問題が出題されます。
昭和2年に青山学院の母体が形成され、昭和22年に共学校として中等部が設置された。
プロテスタントの精神に基づき、他者への思いやりを大切にする教育がなされている。大学受験に縛られず、用意された多種多様な選択授業や盛んな国際交流を通じて、視野を広げることができるのも魅力のひとつ。校風はいたって明るく華やか。
併願校は【男子】:慶應普通部・慶應中等部・学習院中等科・渋渋など、【女子】:女子学院・立教女学院・慶應中等部・渋渋・頌栄女子学院など。
出題傾向は【算数】:一行問題中心に出題分野が多岐にわたるなか、折り返しの角度・速さ・単位換算などが頻出。【国語】:物語文・随筆・詩の4題構成が多い。選択肢や抜き出しが中心だが、設問数が40~50と多く、処理能力が要求される。【理科】:物理・化学・生物・地学4分野からバランス良く出題される。そのうち、毎年出題される単元と隔年で出題される単元には注意が必要。【社会】:理科と同様、地理・歴史・公民3分野と時事問題をバランス良く出題。選択問題では複数解答のことが多く、正確な正誤判断のためにも、正確な知識の定着が必要。
カトリック修道会マリア系男子校のひとつで、最古の歴史を持つ学校です。カトリック精神に基づいた教育を施し、宗教的情操を豊かにすることを目的としています。語学学習にも力を入れていて、英語のほかにフランス語も必修となっています。
大学合格実績は比較的安定していて、卒業生170名程度に対し、毎年東大に10名前後、早稲田・慶應には100名以上合格者を輩出しています。特に医学部志向が強いためか、私立大医学部に毎年多くの合格者を輩出しています。2011年には東京医科歯科大に合格者を出しました。現役合格率は55パーセント以上と、進学校でも比較的上位の合格率を誇っている一方でサッカー部も強く、全国大会に出場したこともあるなど文武両道の学校です。
暁星中は麻布中や駒場東邦、慶應普通部などの志望者の併願校としても有名です。
入試問題の傾向としては、思考力や記述力を試す良問が多いです。いわゆる難問はあまり出題されませんが、算数なら文章題が長く、規則性も場合の数と組み合わせて出題されるなど、手を動かしながら、条件整理をしていくことが不可欠ですし、国語も百字程度の記述や作文が出題されます。社会、理科も作図や論述が出題されますので、しっかりとした記述対策が必要な学校といえるでしょう。
戦前に設立された旧制城北中学校の再興を目指して創立。旧制高校や士官学校への進学校であったため、先取り授業や文理分けを導入する等、現在でも大学進学教育に力を入れている。
「着実・勤勉・自主」を校訓とし、規律を重んじながらも創造力豊かな人間形成を目指す。
開校からの伝統である、毎日授業の前に目を閉じ姿勢と呼吸を正す「静座」を行うことで、生徒は毎日自らと向き合うことができます。
併願校は、栄東、城北埼玉、本郷、国学院久我山、明大中野など。
算数は、平面・立体ともに思考力を要する図形の問題が頻出。各分野ともパターン演習のみならずその本質的な事項を理解していく必要があります。
国語は、物語・小説、論説・説明文、語彙、漢字の大問4問からバランス良く出題されるが分量が多いため「適切に時間を配分する力」が問われる。
大正12年4月松平伯爵の私邸をさき、伯爵自ら初代校長となり開校された学校です。
強健、厳正、勤勉の教育目標を掲げ、国際社会の発展に貢献できる人材の育成を目指しています。2日校ということもあり、学校偏差値は高めで、なかなか入りにくいのですが、入試の合格発表時に入試での得点を教えてくれることもあり、複数回受験をする生徒が多いのが特徴です。
大学合格実績も安定していて、早稲田・慶應に100名以上、東京理科大に60名以上合格者を出すなど、文系理系問わず実績を出している学校です。
現役合格率は50パーセントとやや低めですが、国公立志向も高まっていて、センター試験受験率は99パーセントになります。水泳で有名な北島選手の母校としても有名で、サッカー好きな少年が多い学校でもあります。
本郷中は、早稲田や慶應志望者を中心に一部、麻布や駒場東邦、武蔵志望者も併願校として受験することが多いようです。
入試問題の傾向は、4科目とも標準的なレベルでいわゆる難問は見当たりません。
ただ、算数は図形、グラフの読み取り、特殊算、理科、社会では資料やグラフ、地形図などの読み取りが出題されるので、このようなタイプの問題にも対応できるように理解を伴った学習を心掛けていきましょう。